表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/154

森での出会い

本日3話目!!


「『アクアランス』!!」


 シュッと綺麗な槍の形をした水の塊が岩に直撃し、爆発四散する。



「詠唱破棄って結構楽だな・・・・・」


 レイはそんな感想を抱いた。



 魔法は通常、詠唱と呼ばれる行為が必要である。


 例えば、一番簡単で単純な炎の魔法である「ファイヤー」は、「我が右手に・・・・」とか言った感じの物凄く痛い感じがする詠唱があるのだ。なお、この魔法は1メートルほどの火炎放射を手から出すというものである。



 正直言って、すんごい恥ずかしい。


 なので、本で学んでみた結果「詠唱破棄」という技術があることを知った。


 これはうれしいことである。魔法名だけでも魔法を発動させられるようで、中二病みたいなセリフを叫ばなくてもいいからね!!


 練習しまくって、何とかできるようになったのは行幸だ。


 詠唱破棄ができれば複数の魔法も一気に使用しやすくなるしね。でも、魔力切れには気を付けないとな・・・・・。


 あれ?でもそういえば魔力切れってどんな症状なのだろうか?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・・・この時レイは気が付いていなかった。自信が使う魔法の難易度、詠唱破棄の技術力、そして魔力切れを起こしたことがないということは実はとんでもないことだということを。


 それを知るのはまた後の話である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「にしても、この辺もずいぶんぼっこぼこになったな」



 あたりを見渡して、そんな感想が口から出た。


 5歳児なので、まだあまり遠くまで歩ける体力がないんだよ。


 そのせいで、いつも同じ場所で練習するからあたりが猛ボロボロになってしまって転びやすいんだよね。



 空を飛ぶ魔法とかがあったらいいなとは思っているのだが、今のところ父の書斎の本には載っていない模様。


 まあ、そう魔法がバンバン載っているようなわけでもないし、10歳になって学園に通えるようになってから学んでみますか。


 


 そう考え、帰宅しようとした時であった。


「ん?」


 ふと、何か視線を感じた。


 振りむくと・・・・・・・・・・・・そこには何かいた。




 綺麗な白い長い髪をしており、瞳は金色でその顔は美人にあたるだろう。


 肌白く、繊細そうな細腕をもち、その胸はかなり大きい。


 けれども、その下半身は鋭く艶がある足を持ち、蜘蛛の身体を思わせるかのような・・・・そう、女性が蜘蛛の頭の部分とつながっているようなそんな印象を持たせるようなモンスターがそこにいた。



 ・・・モンスター、それはこの世界に存在して人を喰らうモノから、その手助けをしたりなどと言った、敵にも味方にも、友にもなることがある存在。


 そんな中で、今俺の目の前にいたのは美しい女性の上半身を持ち、下半身は蜘蛛のモンスターで「アラクネ」と呼ばれるような存在がそこにいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「アラクネ」

上半身が人間の女性であり、下半身が蜘蛛であるモンスター。大抵は醜悪な外見をもつが、極稀に美しい容姿をしたアラクネが生まれることがあり、その場合は通常よりも高い知能を持ち、そして能力も極めて向上している。その糸は高級素材として扱われており、彼女たちが1匹いるだけでも取れる糸はとんでもない価格で取引される。

しかし、乱獲によって数が減り、めったに人の前に出なくなってしまった悲しい歴史がある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そんなアラクネ・・・・しかも、美しい見た目のやつが目の前にいる。



 驚いて言葉が出ないけど・・・・何でだろうか。どことなく懐かしいような、運命的なものを感じる気がする。


 アラクネの方はアラクネの方で、気が付かれたのに驚いた顔をしていてが・・・・近づいてきた。



「・・・・えっと、襲うつもりはないですよ」


 そのアラクネはそう言葉を発し、敵意がないことを口に出したようであった。










「えっと・・・つまり、さっきから俺の事を見ていたの?」

「はい、なんかやっているなと思って見ていたんですよ」


 気が付かなかったよ・・・・。



 落ち着いて取りえず適当な岩場に腰を掛け、アラクネの方は木々の間にハンモックの様に糸をかけてそこの乗って話し合った。


 というか、前のめりになっているから糸でその胸が強調されているんですが。


 5歳児でも結構な目の毒で、顔が赤くなるよ。



 で、聞くところによると彼女は最近この森に入って来たらしく、そこで何か爆発音が聞こえて見に言って見たところに俺がいたという事のようである。


 魔法の練習と実験をしていたところを見ていたのか・・・。


「って、最近?」

「ええ、私はなぜか生まれたときからよく人に狙われて・・・逃げて逃げて逃げまくっているうちに、ここにたどり着いたのですよ」


 そして、疲れて仮眠をしていたところに爆発音がして、驚いて恐る恐るその様子を見に来てみたところ、人間の子供が魔法を使っていたことに驚いたそうだ。


「あなたのその魔法・・・モンスターである私から見ると結構常識外れだと思いますよ!!何ですかあの威力と制御の仕方、詠唱破棄って私よりもモンスターレベルじゃないですか!!」


 モンスターにモンスター呼ばわりをされてしまった。微妙に傷つくなぁ・・・


「というかすごい饒舌にしゃべるよね」


 話していて思ったんだけど、人とあまり変わらないレベルだよね?


「ふふふ・・こうして言葉も覚えないと、なんか私を狙ってくる人の言葉とかわからなかったら不便でしたからね・・・」


 何かトラウマを思い出したkのように暗くなるアラクネの彼女。あ、これ触れないであげよう・・ん?待てよ?


「人に狙われて逃げているんだよね?」

「はい」

「だったら俺も人だよ?」



 その言葉に、アラクネはきょとんとした顔になった。


 あ、なんか可愛い。


「・・・・・そうじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁl!!」


 少し待った後、そのアラクネは叫ぶのであった。


 見た目は美人なのに、どこか抜けているなこの人・・・モンスターか。






「どうにか勘弁を!!私だってまだ生まれて1年もたっていないのにここでつかまったりするのは本当に嫌なんですよ!!」

「えっと・・・・土下座なのそれ?」


 目の前で一瞬にして足を曲げて腰を深く前に曲げて手を前に出して地面につけるアラクネ。


 彼女なりの土下座のようである。というか、土下座ってどこの世界、どの生物でも共通なんだなtpどうでもいいような発見をしたような気がする。


「捕まえる気はないけど・・・・俺ってまだ5歳の子供だよ?口封じに殺すとか、そういうのが出来そうな・・・」

「無理ですよ!私にとってはそんなことはできませんって!!」


 めっちゃ命を奪うのにためらうアラクネ。


 手をぶんぶん振って必死さが出ているけど、どことなくいじめたくなるような感じがする。



「あ、でも魔法で攻撃ができたか」

「死にますから本当にどうかそれだけは勘弁を!!」


 もう本当に必死で、ギュッと俺の体をアラクネはつかんだ。


・・・って、めっちゃ柔らかいものが顔にあたっているんだけど!!


 でも口もふさがって死ぬから!!命の危機に今さらされているってばぁぁぁぁ!!


 危うく、例は昇天をしかけるところであった・・・・・。




「ぜぇっ・・・・ぜえっ・・・死ぬかと思った」

「本当に申し訳ございません!!」


 何度かその豊満な胸を必死でたたいて窒息死の危険が分かってやっと話してくれた。


 乳死とかいう情けない死は避けたいってば。



「・・・もうこうなったら私の身体をもうどうにでもしていいので殺さないでください!!」


 そのセリフ、大人の男性に行ったらアウトな気がするんだけど・・・・。



「・・・殺す気もないってば。ここで平和に隠れて暮らしたいんなら別に黙っておくよ」

「本当ですか!!」


 その言葉に、アラクネは目をキラキラと希望を持ったかのように輝かせた。


「ありがとうございます!!本当にあるがとうございます!!」

「ちょっと!!また同じことにぐふゅ!!」


・・・・再び、また死の危険性にレイはさらされるのであった。



「ぜぇっ・・・ぜえっ・・ぜえっ・・本気で怒るよ?」

「本当にもうすいません・・・」


 何とか開放してもらって、ちょっと炎の魔法で岩をふっ飛ばしてアラクネはもうこれ以上ないってくらいの土下座のような行動をした。


 今日何度目の死の危機だったのやら・・・・・。



「あ・・・でも、この森に俺はちょくちょく魔法の練習とかをしに来るけど別いいいかな?」

「はい、それでも別にいいですよ」


 何とか落ち着き、とりあえずこれで帰宅できそうである。


 あの兄たちとかには内緒にしておこうかな。知ったら何かバカやらかしそう未来しか見えないもん。



「・・・そういえば、名前って何て言うのかな?」


 ふと、レイは気が付いた。


 先ほどから彼女には名前の様なものがなかったことに。



「えっと・・ないですね。モンスターにそもそも種族の名前はあるようですが、個人としての名前は持ってませんよ」


 アラクネの方はそのように返答した。



 名前がないと、また会った時とかに不便だよね・・・・・・。



「それじゃあ、何か名前を付けようか?不便かもしれないし」

「それでしたら、どうぞ名付けてみてください」


 なんかキラキラした目で見てきたけど、美しい感じなのに子犬のような印象があるなおい。


「そうだね・・・・」


 考え込む・・・と、ふと何かふさわしそうな名前をレイは思いつく。


 こういうアラクネに似合いそうで、昔からの名前のような気がするが・・・・・これが良いだろうと。


「・・・『ハクロ』。そう呼んだほうが良いかな?」

「『ハクロ』・・・・はい、それでいいですね。なんかいい名前だと思えますよ!!」


 嬉しそうな顔をハクロがした時であった。



シュピンッツ!!


「「へ?」」


 ハクロが名前を気にいった瞬間、何か変な音がした。


 と、ふと気が付くと何やら俺の左手の手の甲に何か書かれている。


 小さな文字だけど、見えないこともないし、書かれている文字は読めない物ではない。


「『使い魔:1体目ハクロ』・・・・・?」

「あ、私の方の左手にも何かありますが・・・」


 ちょっと見せてもらうと、こちらには『主:レイ・フォン・アルス』と書かれていた。


「え・・・?」



 一体何を示すのかはわからない。


 けど、一つわかるとすれば・・・・・・これって何かとんでもないことをやらかしたのでは?

呼び方などは旧作と異なるところが多いです。

・・ハクロって前作からのメインキャラです。今作では性格がやや変わっていますが、ドジさ加減はいつも通り・・・にちょっと増した感じです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ