学園にはいる前にね
本日2話目
今回は学園についてのプチ説明回
都市「ベタリアン」
ストラクト王国では首都ヴァルガスについで活発な都市である。
都市名の理由は、かつてこの都市で悪政をしいていた領主を撃退したという英雄ベタリアンからもらったものであり、彼の銅像が都市の中心部にある。
円状に都市が形成されており、学園があるのはその銅像近く。
しかし、学園で魔法を扱えるのを鼻にかけすぎて自慢する阿呆共があちこちにぶっぱなすことがあるため、常に修理用の建材が持ち込まれている。
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「・・・あまりにもな説明だね」
「阿呆って・・・貴族も入るのに、何でそういう人がいるんでしょうかね」
レイたちは都市の中に入ることができたが、その前に衛兵たちからこの都市案内図と注意書きと言うのを渡された。
2~3日に一度はトラブルが起きるようで、貴族の子供が多いわけだからそれなりに苦労も多いようである。
「にしても・・・なんか視線が多いですね」
「いや自覚しているよね?」
都市の中に入って一目が多くなってきてから、一段と感じるけど・・・・ハクロに対する視線が多い。
ハクロはアラクネであり、糸やめったに生まれてこない美貌の持ち主を狙って乱獲され、そこまで人前に姿を見せなくなったモンスターでもある。
そんなモンスターが堂々と貴族の馬車の横を歩き、しかもハクロはその美貌の持ち主でもあるから嫌でも注目が集まるようだ。
恥ずかしいのか、ハクロは馬車にぴったりと寄り添うような形に並走しているけど、あちこちでひそひそ声とかが普通に聞こえるな。
「おい、なんだあの美人のモンスターは」
「アラクネのようだけど・・・きれい」
「ああなんでモンスターがあれだけの美貌を持って、うちのかみさんはたぬきだるげぶぉ!?」
「鼻の下を伸ばしているんじゃないよ!!」
「馬車に並走しているということは、あの中にあのモンスターを従える人がいるのかな」
「使い魔を連れてくる人は久しぶりだな」
「ナンパしてぇ・・・」
・・・半分ぐらいおかしい言動がありませんか?しかもなんか奥さんに殴られた人がいたような気がするよ。
というか、よく見ると彼女らしき人たちに足を踏まれ、殴られ、腹パンされ、髪を引きちぎられてるような男性の人達がいるんですが。
ちょっとしたカオスを引き起こしつつも、俺達は貴族用の学園入学手続き会場へ向かった。
貴族以外の人は学園で直接だけど、貴族は馬車に乗ってきていることが多いので別の場所に会場があるのだとか。
会場には馬車が並び、それぞれ貴族の子供たちが乗っているのがうかがえる。何やら向こう側にある馬車が通れる門で受付の人と護衛の衛兵がいて、そこで説明を受けるようだ
まあ俺もそんな貴族の一人ですけどね。
しかしこの光景何処かで・・・・あ、ドライブスルーの光景だ。馬車と車の違いはあるけど、なんとなくそっれっぽいな。
とりあえず順番を待つのだが、それぞれの馬車の御者がハクロを見て驚いた顔をしたりしているのがよく見える。
・・・テンプレならここで面倒ごとが起きそうなものだけど、流石にそうはならずトラブル無しで俺達の順番となった。
受付の説明を受けると結構単純明快でわかりやすいものであった。
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・入学式の後に入学審査として最初に筆記試験が始まる。筆記の内容はこの国の政治形態と主要な貴族の家名、歴史などと言った一般常識と計算を求めるものがある。
・その後に魔法の適正審査と魔力量審査
・魔法がすでに扱える者ならそのまま魔法審査へと移行。そうでない場合はその日のうちにお開き。
・剣術も自己流でいいなら剣術審査というのも受けることは可能。
・学園は寮が近接しているが、基本的に貴族の人は寮に泊まらずに周囲にある家を買って、そこから通学をする。一応寮に泊まる貴族もいる。
・身分に関係なく皆平等と言う信念があるので絶対に守ること。
・使い魔がいる魔物使いは、特別補修があるので必ず受ける事。
・使い魔に関してだが、使い魔用の寄宿舎にいれるか、自室に入れる事。授業中は一緒にかもしくは適当にその辺で使い魔を遊ばせるべし。
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などと、結構いろいろあるけど物凄くわかりやすい。
「使い魔に関しての説明だけど、ハクロは寄宿舎の方に泊まりたい?」
「うーん・・レイ様と一緒が良いですよ」
と言うわけで、ハクロは俺の部屋の方に泊まることが決定した。
あ、一応寮暮らしの方に決めてますよ。兄たちは家を買ってそこで住んでいるようだけど一緒にはなりたくないからね。
寮の方はあらかじめ申し込んであり、すぐに馬車で寮に向かった。
「そこそこの大きさの部屋だね」
「一応貴族の人用の寮ですからね」
貴族用の寮の方に俺たちは泊ることにしたけど、案外部屋が広い。
ハクロが入っても余裕があるし、良い感じじゃん。
寮内にも風呂はあるけど・・・・使い魔は使い魔用の風呂に行かせるようだ。
「一応人型の使い魔の例があるようで、仕切りがきちんとあるみたいだね」
「素っ裸がみられなくていいですよ・・・」
どこかほっとした様子のハクロであった。まあ、上半身はほとんど人と変わらないような体だし、ハクロってきれいだもんね・・・・。
・・・・だけど、この時ハクロの事はすでに都市中の噂になっていたようで風呂に入る際に覗きをしようとした人たちが出て、全員連行されたのはこの時一番最初に俺たちが原因で起こした事件かもしれない。
というか、わざわざ忍び込んでよく見ようと思ったな。見た目が女性だからそこまでたいした力がないとか思っていたのかよおい。
あ、兄たちは先に入学はしているが、俺達は別に挨拶にはいかなかった。
学年が違うし、そもそも行くほどの価値があるかと言われたらないと言えるからね。
次回、学園入学と入学審査。
やらかす予定はある。しかし、どれだけのことになるのやら・・・・




