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プロローグ

始まりはここからです

「-----192番、転生課前に来てください」

「はい」


 アナウンスでそう呼ばれ、俺はふよふよとその転生課とやらの担当の人の前に浮いた。


 うん、言い方がおかしいのはわかる。


 「ふよふよ」とか「浮く」とかって普通の人じゃ無理だからな。


でもまぁ、出来ているのはしょうがない。


「だって・・・人魂ですからね」

「なにを言っているのですか?」


 思わず口がないけど口から出た言葉に、その担当の人がジト目を向けた。


 というか、ジト目っていったけどこの人も人魂だな。ちょっと赤目のふわふわした感じである。


 声からして、たぶん女性だったんだろうな―



「さてと、このたび改めて転生をする夕月(ゆうづき)(ひかる)、死亡時17歳、性別は男性だった日本人ですか」

「はい、合ってます」


 結構詳しくわかるのか。さすが死後の世界なんでもありだな。


「というか、転生ってことは俺は何かに転生するってことですよね」

「ええ、まあ何かと言われましてもあなたは人間に転生予定です。昆虫か、腐ったカビパンになる人がいる中で、珍しく人間へと転生するんですね」


 昆虫はまだわかる。でも腐ったカビパンってなに!?そんなのに転生する場合ってあるのかよ!!



 とりあえずまあ落ち着きましょう。


「一応言っておきますが、あなたの世界の小説であるようなチートかくれって言うのは無理ですからね。どういう人間に生まれ変わるのかは、完全にランダムですから」

「なるほど、そうポンポンチートみたいなやつは生まれたらめんどくさそうだしな」


 というか、疲れたように言っているけど、そんなこと言っているやつがいるのか。


「人間に転生させて、チート無双を!!ハーレムを!!世界最強!!とかいう魂がここ最近多いですからな・・・いや本当に何に転生するかもランダムに決めているのでほんとうにうざいというか・・・」

「・・・ご愁傷さまです」


 なんとなく、同情したくなった。


 どす黒い感情がものすごくあふれてますよ。




「こほん、ちょっと取り乱しましたね。あ、あと転生したら生前の記憶もきれいさっぱり失いますので、現代知識無双なんてものもできませんからね」

「というと・・・やっぱよくあるような剣と魔法がある世界に転生ですか」

「まあそんな感じです。そうそう、先ほどチートをくれと言われても無理と言いましたが、ランダムで何かしらの能力を生まれつき持つはずです。うまいこと行けばとんでもないものが手に入るでしょう。確率は恐ろしく低いですけどね」


 まあ、生まれたら生まれたでいいか。


 

「では、転生のためにそちらの転生陣の上に乗ってください。10秒ほどであなたの生まれる先に宿れますので・・・・」


 そういわれ、その魔法陣とやらも上に載ってすぐに俺は意識をなくすのであった・・・・・。








「ふう。やっと192番転生完了ね。今日はあと8つほど・・・・・」

「おい!!その転生陣間違いだぞ!!」


 と、受付の人魂が腕がないけど腕を伸ばしたところでいきなり誰かがそこに入ってきた。


「え?この陣は192番がすでに使用してますが・・・」

「馬鹿野郎!!それは転生陣は転生陣でも、ご丁寧能力にとんでもないものを付けて転生させることができる『神の悪戯』とかいうもので作り出されたものだ!!ついでに記憶もそのままというものだ!!」

「はぁぁぁぁぁぁ!?」


 ・・・・とんでもないようなことになったらしく、担当していた人は慌ててどう対処すればいいのか上司へ相談しに飛んでいくのであった。



・・・だが、この時更なるミスをしていたことに彼らは気が付かなかった。


 この時転生させられた魂であったが、実は元からとんでもない力を持っていて本来であるならば神々自らが赴いて転生をさせる予定だったものであることを。


 何の間違いか普通にこの転生させる場所へ来てしまい、その力そのままにされた状態であり、さらに余計なものを付け加えられて、転生させてしまったことを・・・・


この後、彼らは自身のミスのせいで神々に激怒されて転生先をひどいものにされるというのは、また別のお話・・・・・。



さてと、どうなっていくのやら楽しみですかね。

しかし、ミスってどこの世界にもあるんだなぁ。

どうぞ、今後お楽しみにしてください。

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