異世界転移だ? 転生だ? テンプレなんぞ、くそくらえ!
はい。いきなり過激なタイトルですみません。
とりあえず、最後までお付き合い願います。
え〜。なろうテンプレ。ご存じですよね?
率直に言わせて頂ければ、私には詳しい所はよく分かりません。
とりあえず、アレなんですよね?
異世界に転移、転生して、そこからの流れがある程度決まっているという、
お約束の展開、という認識で合っていますでしょうか?
書き手にとっては、小説を書き始めるお手本として。
読み手にとっては、面白さが保証された作品として。
でもそれ、本当に楽しいですか?
いや。作家さんの中にはそれで成り上がってやろうという、
大きな野望をお持ちの方もいらっしゃると思います。
中には、本当に面白い作品があるのだとも思います。
でも、テンプレなんですよね?
私の認識が間違っていたら申し訳ありませんが、
将棋やチェス、トランプのようなものではないのかと。
駒やカードのデザインは違えど、基本の遊び方は一緒。
その中で、斬新な駒や、一風変わった規程や設定を考えて、それを流行らせた人が勝者になると。
もっと簡単に言えば、耕し尽くされた畑の一画を借りて、みんなと同じ野菜を作ってみる。
同じ品質の、同じ形の野菜が出来上がる。そこに大きな狂いはないと。
安心で安全。消費者の需要も見込める。
まぁこれは、なろう小説でなく、他の商業物に対しても当てはまることかもしれませんが……
なろうに当てはめて考えた場合、この結果が、今の異世界ファンタジーブームなのだろうなと。
こちらのサイトでお世話になってから五年目になります。
そもそものキッカケは、高校時代から書き続けていた現代ファンタジー作品を
一般公開したかったという理由からです。
一人黙々と書いて埋もれさせるのではなく、人の目に留まるようにしたいと。
まぁ、その頃からこちらのサイトでは、異世界ファンタジーとVRMMOの二強時代。
私の作品は振るわず、連載終了時に430ポイント程度という結末。
今度こそはと異世界ファンタジーに手を出して、今に至るというわけです。
テンプレには手を出したくないという、意地のようなものもありました。
ですが、評価されたい、ポイントが欲しいという葛藤は常に付きまとい……
気がつけば、日に何度もアクセス解析を覗くようになり、
完全なアクセス依存症に陥る始末。
あげくの果てに、なろう受けを狙った異世界ファンタジーの一作は見事に爆死。
作品に対する愛が足りなかったばかりに、一つの作品を見殺しにしてしまったのです……
でも、こんなユーザーさんは他にもいらっしゃるのでは?
それが、エタる原因の一つでもあると思うのです。
そんな中、他のユーザー様と関わりを持つ中で、私の心境にも変化がありました。
「なんのために作品を書いているのか」と。
ポイントが欲しいから。書籍化したいから。
それも当然と言えば当然ですが、あくまで結果。
後から付いてくる、ご褒美のようなものです。
「自分がその話を書きたい。その世界を楽しみたい。それを他者と分かち合いたい」
これが一番なのではないかと。
私が現代ファンタジーにこだわっていたのも、
その作品が好きだから、その物語が書きたいから、という理由だけです。
それを公開する場を与えて頂いた、ということに感謝しなければならないというのに。
気が付けば、アクセスやポイントばかり気にする日々。
あの頃の気持ちを見失っていました……
400ポイント程度の作品だったとはいえ、
既に書籍化までされている作家さんに、第一話の冒頭をパクられたり、
なろうコンでかなりの所まで行った作家さんに、一番お気に入りだった話をほぼパクられたり……
そんな憂き目にも遭いましたが、今読み返しても、それだけエネルギーに溢れる作品でした。
そして、当時の気持ちを思い出させて頂いた
お気に入りユーザーの方々には感謝の気持ちで一杯です。
まずは自分が楽しむ。楽しんで書く。
それが一番大事。って、どこかで聞いたことのあるフレーズだ……
その作品が評価を受けたのなら、最高じゃありませんか!
なろうも、ジャンルは多岐に渡ります。だって小説ですからね。
異世界に縛られず、好きなものを好きなように書けばいいんじゃないの?
「この作品は、あなたにしか書けない」
ポイントや読者に縛られすぎず、心を軽くして、
そんな風に言ってもらえる物語を紡いでみませんか?
お陰様でジャンル別日間一位まで頂き、自分自身、反響の多さに驚いています。
ただ一言。
好きなものを好きなように書けばいい、ということを伝える際に、
テンプレを引き合いに出したのは良くありませんでした。全くの別問題ですね。
これに関しては反省しております。
気分を害された方。テンプレ作品でご活躍されている方々には深くお詫び申し上げます。