これは未来の可能性である!故に、まだ先の事でしかない
3話連続投稿、第三弾。
あくまでこれは将来こうなる、って話です。また何かネタが思いついたら、割り込み投稿するかも、です。
あと、今回の話はちょっと試しに会話文だけでお送りします。不評だったら後で地の文も足そうかと。
「やあ、久しぶり」
「…………」
「あれ? 思ったよりも驚いてない?」
「……流石に三度目だし……と言うか、予想通りでもあるしね、管理者さん。相変わらずの光球な姿なんだね」
「予想通り?」
「うん。『『魂』が強い『モノ』は転生先を選べる』――確かそうだったよね? だったら、また同じ事が起きると思ってたんだよ」
「正解。まあ、本来なら前世の記憶はちゃんと消されて転生されるから、前回の事は覚えてないのが普通だけど……君はちょっと例外だからね」
「そうだね。で? 次の候補は何? どれから選べるの?」
「……意外にアッサリしてるね。前世に対しての未練とかそう言うのは無いの?」
「孫どころか曾孫にまで見守られての大往生だよ? 達成感は有れど未練とかは皆無だよ。後は若い者に任せるさ」
「そういや君は皆に慕われてたよね。おねにーちゃんとか、おとかーちゃんとか、おじばーちゃんとか」
「シャラップ」
「まあ、話しはこれくらいにして、本題に入るけど……」
「けど……何?」
「――おめでとうございます! 君は僕等と同階梯に至る事が出来ました!!」
「…………同階梯?」
「簡単に言えば、君も僕等管理者の仲間入りが出来るって事」
「ボクが? 管理者の?……何で?」
「それだけ君の『魂』が昇華したって事だよ。何万回もの転生を経て、ね」
「ふぅん……ボクって、そんなに転生してるんだ」
「うん。で? どうする? 一応、普通に転生する事も出来るけど……」
「……何か嫌な予感がするんだけどさ。もし仮に普通に転生しても大丈夫なんだよね?」
「……ちょっとした付加価値が付くね」
「付加価値? どんな?」
「本来なら管理者と言う世界の『外側』たる上位存在を、世界の『内側』の生命である下位存在へ生まれ変わされる事によって、その『魂』の質の差が出ちゃうんだよ」
「具体的には?」
「雰囲気と言うよりも存在感――言い換えればカリスマだね。無意識に他人から好かれると言うか惹かれると言うか敬われる」
「…………もしかして、ボクが妙に動物……と言うかモンスターとかに懐かれたのって?」
「イグザクトリー」
「やっぱり……」
「ただ、今回の場合だとそれが更に強化されるよ」
「…………想像したくないね、それ」
「で? どうする? 普通に転生する?」
「却下で――そんなので転生したら、絶対に次の人生も『聖女』様認定されそう」
「そう? だったらまた異世界に転生するって手も有るよ?」
「そしてまた人外に転生する訳?」
「いや、今回に限りは同階梯に至ったご褒美で、ちゃんと人型に転生出来る様に調整出来るけど?」
「それって、ゴブリンとかオークとか?」
「……いや、ちゃんと人間に転生出来る様に調整出来るけど?」
「スケルトンやゴーストとかで、元人間とかならないよね?」
「…………」
「何で黙るのさ」
「……じゃあ、管理者の仲間入りって事で良い?」
「選択枝なんて有って無いようなモノだったけどね……まあ良いけど」
「それじゃ、早速だけど君にはやってもらわなければならない事が有るんだよ」
「何? 試験とかチュートリアルとかそう言うの?」
「ううん、違うよ。もっと重要な事」
「? 何?」
「それは――
ライブだよっ!」
「…………………………………………リピートワンスモア」
「ライブだよっ!!」
「…………どうしよう。ボク的には聞き慣れた言葉なのに、ここでは聞きたくなかった言葉が出たよ。どうリアクションすれば良いのかな?」
「ライブだよっ!!!!」
「わかったから!! そんなに詰め寄って来ないで! 光球の姿だから眩しいから!」
「じゃあこちらへ。設備や衣装も色々取り揃えてあるから、好きなの選んで」
「切り替え速っ!……ねえ、これ全部誰が用意したの? 特に衣装の数が半端無いんだけど? 色だけでなく細部の違いとか」
「他の管理者達も率先して協力してくれたから」
「他の? 何で?」
「元々、君の事は管理者達の間では話題に上ってたんだよ。近い内に仲間入りするかもって。そう言う訳で、他の管理者達も君の事を調べて知って、待ちわびてたって訳」
「……管理者って暇なの?」
「暇は無いけど娯楽も少ないんだよ」
「何か納得――ちょっと練習しても良い? 歳取ってからは流石に身体が重くて無理だったんだけど、今こうして元の若い身体に戻ったから違和感有り有りでカンを取り戻したいんだけど」
「今更その程度待つのは苦にならないから大丈夫。じゃあ、ちょっと失礼」
「どこ行くの?」
「他の管理者達に、ライブ開催を通達してくるよ」
「了解…………………………………………行っちゃった。しかし、まさかの展開だよ……まあ、しーちゃん的には、ファンの声援には答えるけどさ。相手が誰でも…………ボクが管理者ね…………止め止め、深く考えても意味無いや。ボクはボクでしかないんだからボクらしく行こ。それで管理者が不適格だって言われたら、その時にまた考えよ。差し当たってはライブの事に集中しないと……取り敢えず設備は……360度対応立体映像装置? こっちはプロジェクションマッピング? 凄い物を取り揃えてるね。音響設備もそうだし……あ、衣装はどれにしよ……って言うか多過ぎ、そこで管理者達の本気度がわかるけど……何か微妙〜にコスプレな衣装も混じってるけど…………ど・れ・に・し・よ・う・か・な……」
「ただいま」
「……意外に早かったね……プラス、意外に多いね、他の管理者達……と言っても、みんな光球な姿だから眩しいだけだけど」
「それだけ君の人気が高いんだよ――で? 何を悩んでるの?」
「衣装がね、多過ぎて……リクエスト有る?」
「なら王道のアイドル衣装で!」「カジュアルな衣装も良いぞ!」「いや、清純派のセーラー服だ!」「ここは順当にゴシックドレスを!」「順当ならば、メイド服だ!」「その白い髪なら、プリンセスドレスが似合うはず!」「歌繋がりで、電子の歌姫の衣装は!」「ならば、空飛ぶ巫女さんの衣装だ!」「いやいや、魔法少女で!」「馬鹿者、ここはネコミミだろうが!」「戯け、イヌミミこそだ!」「ウサ耳でバニー!」「……そのままの衣装でも」
「「「「「却下だ! 衣装を用意した意味が無くなるだろうがっ!!!!」」」」」
「…………ホントに暇じゃないの? この人……管理者達って…………もう放っとこ。決まったら教えてね? 身体を動かしておくから……って、聞いてないか」
「「「「「――と言う訳で!! ネコミミ眼鏡スク水エプロンでっ!!!!」」」」」
「まずは、そこに至るまでの経緯を教えてっ!! そしてどんな経緯でも却下!!」
「「「「「そんなぁっ?!!!!」」」」」
「不満なら、ライブ自体中止にするけど?」
「「「「「ブ〜ブ〜!!」」」」」
「……黙れや(ニコッ♪)」
「「「「「謝るからその怖い笑顔やめて下さい!」」」」」
「ハァ……大体さぁ、ネコミミとかはまだ良いとして、何でスク水? 一応ボク男だって事忘れてない?」
「「「「「むしろだからこそ!!」」」」」
「……本当に潰すぞテメーら(ニコッ♪♪)」
「「「「「土下座するから許して下さい!!」」」」」
「…………光球な姿じゃ土下座してるってわかんないし、と言うかプライド無いの?」
「「「「「プライドでは萌えない!!」」」」」
「……………………管理者って……」
「一つ言っておくけど、ここに居るのはソッチ方向に嗜好が偏ってる管理者だけで、他の管理者達は違うからね」
「……その言葉に、とても安心しているボクが居る……ハァ」
ご愛読有難うございました。
次回からは『しーちゃんの神様奮闘記』が始まり――
「しーちゃんキッ~ク!!」
――ぐほぅ?! 貴様、どうやってここに?!
「どうだっていいでしょ! と言うか、なに勝手な事を言ってるのさ!!プロットどころか、今、思いついたばっかの癖に!!」
ぬぅぅぅぅ……登場人物が作者に意見を物申すとは……
「わかったら――」
こうなったら、削除ボタンを――
「――しーちゃん天誅キッ~ク!!」
――ぐぼほぅ?!! む、無念……ガクッ
「は~は~、全く、モンハン発売で浮かれ過ぎだよ――あっ、ゴメンね、騒がせちゃって。コレはボクが回収していくんで、これからも『吾輩はXXXである』をヨロシクね♪」
ま、まだだ……私を倒しても、第2第3の私が……
「キミは1人だけでしょ!! しーちゃんお仕置きキッ~ク!!」
――ぐぼぉほぅ?!!




