表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/67

カーニバルである!ハメは外しすぎてはいけない

短いので二話同時投稿。こっちは二本目。一本目もどうぞ。

年末が近づくにつれ、執筆時間が短くなってしまうのは察して欲しい所です。

週一ペースは何とか維持してみせる!

 日が沈みかけた黄昏時。ドワーフの街の最下層の広場にある土俵。その周囲に、この街のドワーフ、若者から老人まで子供を除いたほぼ全員が(つど)っていた。

 水を掛ければ湯気に変わりそうな程の熱気に包まれた広場。その中心の土俵には……白い楕円形の物体が居た。


“あ~。てすと、てすと。ほんじつはせいてんなり。ほんじつはせいてんなり。すらいむはさいじゃくなり”


……別に声を出してる訳では無いのに、そんなんやってどうすんだ? と、ツッこむ者は居ない。と言うか、そんなん気にしてられないと言うべきか。


“では、これより、だいいっかい『どわーふでいちばんつよいのはおれだ!』せんしゅけんをかいさいします”

「「「「「うぉーーーーっ!!!!」」」」」


 シノブの宣言に、天にも響くかの如く大声量で答えるドワーフ達。中には鼻息荒いのまで居る。


“きめるほうほうは、みなさんすっかりおなじみの『すもう』によってです”

「「「「「うぉーーーーっ!!!!」」」」」

“いちいは、これよりすうじつにわたって、みなさんそうあたりせんでたたかってもらい、いちばんかちてんのおおいひととなります”

「「「「「うぉーーーーっ!!!!」」」」」

“ちなみに、みなさんにはとうぜんおしごともありますので、はりきりすぎてけがなんてして、おしごとにししょうがでたばあい、じょせいじんからのかみなりがおちます”

「「「「「………………」」」」」


 先程までとはうって変わって静寂に包まれるドワーフ達。何を想像したのか、冷や汗を垂らしてる者まで居る。


“なお、ゆうしょうしゃには、うちのこをいっかげつ、かしだします”

「「「「「――()()()?」」」」」

“めいさいかいじょ!”


 そうして、シノブが光学迷彩を解除すると、シノブのすぐ隣に別のスライムが現れた。

 ドロドロッとした所は普通のスライムと同じだが――色が違っていた。そのスライムは()()()()だった。

 皆の困惑した視線を受けて、シノブが説明する。


“かくてるすらいむです”

「「「「「……カクテルスライム? 何だ、そりゃ?」」」」」

“このすらいむがうみだしたえきと、ほかのものをまぜると、かんたんにおさけがつくれます”

「「「「「――っ?!!」」」」」


――瞬間。ドワーフ達の目の色が変わった。

 獲物を前にした猛獣の様な目・標的を捕捉した追跡者の目・遺跡の中で財宝を発見した目。

……一言で言えば『ギラついた目』である。


“ではみなさん。せつどをまもって「うぉーーーーっ!!!!」じこ、けがのない「ウオォーーーーッ!!!!」すぽーつまんしっぷ「Wuoooooーーーーッ!!!!」”

(……毛先ほども聞いてないよね。君達)


 呆れるシノブ。野獣と化した連中を止める術など最早無い。てか、止める気も起きない。

 シノブはさっさと土俵から降りて、場を譲る。すぐに二人、土俵へと上がってきて相撲が始まる。


(……無事に終わって欲しいんだけど……)


――この後。全ての取り組みが終了し、優勝者が決定したのは良いのだが……参加者の8割が怪我を負う事となり、女性陣からの雷が大盤振る舞いで落ちる事になる。










“じかいは、けいひんをちがうのにしようかな?”

「「「「「それだけは勘弁してくれっ!!!!」」」」」

(…………必死過ぎだよ)

ご愛読有難うございました。


本日のモンスター図鑑。


――――カクテルスライム――――


スライムの亜種。無色透明の身体を持つ。

『アルコール分』を『一定量消化吸収』する事で変化する。

治癒液の代わりに、酒の原液を生み出す事が出来る。

果物の絞り汁等と混ぜると、手軽に果実酒を作る事が出来る。飲み過ぎにご注意を。

…ちなみに、シノブはこのスライムを生み出す為に、スライムを酒樽の中に直接ブチ込み、樽一つ分の酒を使った為。後日、それを知ったエルフ達に「やり過ぎじゃコラァ!!」と怒られたりしていた。(酒好き男性陣はその後コッソリ褒めてたりしていた)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ