6-7:コルトの森編7
誤字訂正しました。ご指摘ありがとうございます。
城門に集合したメンバーで、その後討伐チームの編成が行われました。
主力は前衛にトモエさん、コジロウさん、コヒナさん
中衛にエリィさん、あたし
後衛にユパさん、レイムーンさん、サイアスさん
あと撃ち洩らしやオーガ以外の魔物に対してはシローさんと元ナイガラ騎士団のメンバー、応援にきた貴族を中心とした騎士及び兵士で当たります。
でも、あたし達の予想では貴族達はまず当てにならないので置いていこうかっていう話もあったんですが、置いて行くのも不安だと言うことで連れて行くことになりました。
その間の警備は基本門を閉ざしての篭城となります。
冒険者省において登録されている冒険者に対してナイガラ緊急時の応援依頼を出してあるそうです。
「冒険者を集めて編成はしないのですか?」
「ああ、冒険者といってもおそらくキュアリーさんが想像しているほど強くありません。全部とはいいませんが標準的な兵士と同等の力しかありませんからね。一部例外もいますが、今回のようなイレギュラーの場合に無理をさせたくありませんから」
「ですね、基本的に一般の冒険者はスキルを使った戦闘はまずできませんし。あと、装備のLvも格段に低いので下手にオーガなんかと戦ったら即死間違いないですね」
ユパさんの答えにあわせてエリィさんが補足説明をしてくれました。
その後、迎撃部隊総勢50名が揃って城門を出発しました。
そして、昼過ぎにはコルトの森へ向かう街道沿いの丘陵地へと到着しました。
「撃退するにはこの地が一番最適ですかね。奇襲をうけそうな森もなければ丘陵で高くなっている為遠方まで視認できる」
「よし、全員この場で小休止だ」
周りの兵士達が各自休憩を取る中、あたしたちはそれぞれ地図を見ながら今後の展開の打合せを始めます。
「問題は、結局どれくらいの魔物が向かってきているかだな」
「あの場で確認できたオーガがすべて向かってきているとは思いませんが、オーガ30匹くらいは覚悟が必要だと思います」
あたしは、自分の考えを述べます。でも、他の人達はそう思っていないようです。
「あの場でオークの声らしいのを聞いたし、あとはオーガ引っ掛けて向かってきているのがきゅまぁさんだからねぇ、ちょっとそれでは済まない気がするな」
「そうですね、おそらく100匹近いんじゃないでしょうか?」
相変わらずのきゅまぁさんの評価です。それで、あたしは思わず聞いてしまいました。
「あの、きゅまぁさんってどんな人なんですか?」
「そうですね、簡単にいうと残念なヒーラー?」
「残念なんですか?」
ユパさんの返事に、サイアスさんが聞き返します。
「ええ、MMOでも古参組みに入るのですが、指導者が悪かったというべきですかね?ねぇトモエさん」
「え~~、やっぱりMMOなんだからその人がやりたいように遊ぶのがいいんだって」
トモエさんが納得のいかない顔でユパさんを見ます。
「トモエさんが指導されたんですか?」
「うん、他のMMOで一緒だったからね」
「それで、回復職になったはいいのですが最初にトモエさんがまずは自由に遊びなさいって言ったので、きゅまぁさんはSTR、VITにポイントを振ってメイスで殴る、ヒールが間に合わないのでINTに振る、詠唱が中断されないようにDEXに振る、アタック値が少ないのでSTRに振る、そして少しでも耐えられるようにVITに振る、まぁそんな感じで繰り返してなんというかある意味実に残念なキャラに育ってしまったんです」
「うん、回復職とは名ばかりの殴りキャラだよね、でも上位の狩場では即死必須?見てて楽しんでるからいいのだけどね。でもPT向きではないキャラになっちゃったよね」
「まぁコヒナの言うように本人は逆にそれを楽しんでるので良いのですが、まぁ中級狩場ではソロできるくらいの強さはありますしね。引っ掛けなければですが」
「この世界ではでも逆に重宝しています。単独での任務を御願いしてもまず問題ないですから。ただ、時々突拍子も無い事をしでかしますけどね」
最後のはエリィさん的にはフォローなんでしょうけど今ひとつフォローになってない気がします。
それ以降、あたし達はそれぞれユパさんの指示を受けながら大掛かりな罠造りをはじめました。
基本は精霊石を使用した防御結界によるベース作り。次は精霊石を基点とした魔方陣による殲滅魔法のトラップなど、それこそ30匹くらいのオーガであればひとたまりも無いくらいあっさりと全滅しそうな罠ばかりです。
一通りの準備も終わり各自休憩になったところで、あたしはここまで大掛かりにしないと駄目なんでしょうか?ってそんな事を思っていると前方に微かに砂埃が見えました。
「どうやら到着のようです、到着まであと30分と言った所だと思います」
「よし、それぞれ打ち合わせ通りに準備を御願いします」
ユパさんの号令の下主力であるあたし達を中心に、後方ではプードルさん達が横へと展開を始めました。
そして、30分が過ぎた現在、あたしの目の前には信じられまい光景が広がっていました。
「100匹どころか1000匹はいるよね、これ」
横でエリィさんが唖然とした感じで呟きました。
「よく集めましたね、予想通りというか、予想外というか」
流石にあきれたような声色でユパさんが呟きます。そして、その視線はまるで魔物の軍団?を率いているかのようにこちらへ向かって先頭をきって走っている一人へと注がれています。
みんなも其々の配置へと展開が済み、砂塵もあたし達の周辺まで届くかと言うとき、前方では叫び声が響き渡っていました。
「うわ~~~~ん、死にます!死にます!死にたくないです!ヒール!うわ~~~ん」
すっごく緊迫した状況で、それこそ命に関わる状況なんだと思います。でも、どこか脱力しそうになるのは気のせいなんでしょうか?
それでも、先頭を走るきゅまぁさんが大地に引かれた一本の白いラインを超えたのを確認して、ユパさん、エリィーさん、レイムーンさん、サイアスさんがそれぞれ魔法を発動しました。
その途端、真っ赤な炎が迫り来る魔物達を覆い尽くしました。
そして、追い討ちを掛けるように精霊石がその魔法に反応し、次々に巨大な炎を上げ破裂していきます。
その場景をユパさん達は油断無く眺め、更なる詠唱を始めています。でも、あたしはあまりの凄さに呆然とただ眺めていました。
「す、すごいですね」
あたしはの横では同じようにエリィさんが驚いていますし、トモエさんも顔を引きつらせているのが見えます。
「ユパさんやレイムーンさん達は慣れているみたいですね」
「ええ、きっと今までに同様の戦いを経験してるんでしょうね」
MMOの時に画面の中で展開されていた戦いが、今目の前でリアルに再現されると、それは恐怖以外を感じることができない恐ろしさを感じます。
あたしには、こないだのナイガラでの戦いが戦いに思えない、正に魔法の理不尽さを感じさせられました。
「油断するな!出てくるぞ!」
その時、普段のユパさんからは想像できない荒々しい声が響き渡りました。
そして、炎の壁を突き抜けて、体中が焼け爛れたオーガやオークが飛び出してきます。そこへユパさんが詠唱し準備していた魔法を叩きつけます。
「グオォォ」
先頭のオーガがその攻撃を受けて爆散しました。それでも、その後方からは次々に新しいオーガやオークが飛び出してきます。
「ち、範囲殲滅では威力が弱すぎるか、思いのほか生き残っているな」
その間にもそれぞれが魔物がいるだろう場所に向かって範囲攻撃を飛ばしています。
「出るぞ!」
コジロウさんのその言葉でコジロウさん、コヒナさん、トモエさんが前に出ます。そして、あたしも併せて前へと前進しました。
プードルさん達ナイガラ騎士団の人も同様に3人ずつ固まって前進します。でも、貴族達で編成された兵士達はあまりの場景に地面に座り込んでいました。
「うわ~~ん、ユパさ~~ん」
あたし達が前方に進むと同時に前方から所々煤に汚れたきゅまぁさんが走りこんできました。
「きゅまぁさんトレインしすぎです!」
「ごめんなさい~~」
そんな叫び声をあげてきゅまぁさんは前衛の人を通り抜けて後ろへと走り抜けて、そしてその場にひっくり返りました。
「助かった~~疲れた~~~」
そんな声をあげながら、必死にアイテムからポーションを取り出して飲み干しています。
でも、あたし達にはそれを見ている余裕はありませんでした。
眼前の炎のカーテンから続々と焼け爛れた魔物達が飛び出してきました。
「キュアリーさんは回復に専念してMPの消費を押さえてくれ」
「はい」
コジロウさんは長期戦を予想しているみたいです。
その合間にもコジロウさんは目の前に現れたオークを一撃で切り伏せています。
「オークぐらいまでは魔法で殲滅してほしかったなぁ」
そんな事を呟きながらトモエさんが目の前に現れたオーク2匹を一瞬で切り伏せました。
その間にもユパさん達の魔法が炎のカーテンの向こう側に飛びつづけ爆発を続けています。
「コヒナ!前に出すぎです。少し下がりなさい!プードル!あなた達は必ず3人一組で戦いなさい!右方向に2匹魔物が抜けてきます!」
間断なくユパさんの指示は飛びますが、その間隔が少しずつ余裕がなくなってきています。
「コジロウさん、トモエさん、コヒナさんプロテクション行きます!」
あたしは、魔法の継続時間が切れる前に支援魔法の上書きを始めました。
右側へと視線をそらすと、プードルさん達が3人でオークを押し留めていますが、中々決定打が出せず膠着しているようです。そこへ、更に3人の兵士が側面からオークへと攻撃を加えはじめました。
「ルン!プードルさんの応援に行って!ユパさん、このままだと側面が押し負けそうです」
「ヴォン!」
あたしはルンへと指示を飛ばし、ユパさんへと確認をとります。
ルンはプードルさんへと殴りかかっているオークに対して背後から首に噛み付き、そのまま噛み切ります。
その隙にプードルさんのもつ剣がオークの胸を刺し貫きました。
「うおおおお~~」
プードルさんが自分の気持ちを新に盛り立てる為に叫び声を上げます。
ユパさんは一瞬その様子を確認し、きゅまぁさんへと指示を出しました。
「きゅまぁさん、右側の敵を掃討してください!」
「はぁ~~い」
その声に答え、きゅまぁさんがメイスを片手に右側から新に現れたオークに向かって走り始めました。
オークも、向かってくるきゅまぁさんに対して巨大な腕を振り上げ、そして、拳を叩き付けるようにと殴りかかりました。
「みょ!」
気の抜けるような声を出して一瞬でその拳を掻い潜ったきゅまぁさんが持っていたメイスをオークの大きなお腹に叩きつけました。
「せいっ!」
メイスは、オークに弾かれることも無く、まるで野球のフルスイングのように綺麗に振りぬけました。
そして、振りぬかれたオークはそのまま炎の中へと吹っ飛んでいきます。
「オーク様おかえりです~~」
そして、間を置かずに現れた新しいオークの頭を今度は上から叩きつけます。
メキョ!ドシン!
なんかそんな音が聞こえた気がします。
そして、オークの頭がそのまま体の中にめり込んで、大きな音を立てて倒れました。
「ユパさん、一旦MP回復に入ります!」
「了解しました!」
「エリィさん回復後、レイムーンさん、サイアスさんも回復に入ってください!」
「「了解した!」」
あたしが若干きゅまぁさんに気を捕られていると、後方からエリィさんの声が聞こえました。
「前衛!少し踏ん張ってくれ!」
「「了解!」」
「おっけ~」
ユパさんの声に前衛の3人が返事を返します。
「「ギガスラッシュ!」」
「バッシュ!」
少しずつダメージの少ない魔物が現れ、前衛の人達が通常攻撃では倒せずスキルを発動して撃退を始めます。
「きついわ~~これ」
「だな、前衛少なすぎだって」
「ですね~この人数でやる事じゃないですよね」
あたしも支援魔法を切らさないように注意をしています。
「魔物の一団が塊で突破しようとしてきている、注意してくれ!エリィ範囲攻撃を前方に集中!」
「ファイアーストーム!」
「「ウィンドスラッシュ!」」
エリィさんの攻撃魔法がレイムーンさん達の風魔法で威力が倍増されたように巨大な竜巻のようになって前方を駆け巡ります。
その時、前方からも魔法が打ち込まれました。
「「シールド!」」
「シールド!」
咄嗟にコジロウさん、コヒナさんの魔法で受け止められます。少し遅れてトモエさんが防御魔法を発動します。でも、その後間断なく打ち込まれる魔法に前衛3人は防御へと専念せざるえなくなり、途端に魔物側へと流れが傾きはじめました。
お互いの後方からの魔法合戦の様相が強まります。そして、その状態がしばらく続いたとき突然左側から無傷のオーガ3匹が突撃してきました。そして、左側を支えていたシローさんとナイガラ騎士団がその勢いを支えきれず崩れます。
「くそ~~~」
シローさんがなんとか支えようと踏ん張りますが、そこへ突然目標を変えたように魔物側の魔法が炸裂します。
「メガヒール!」
あたしは吹き飛ばされるシローさんに咄嗟にメガヒールを唱えます。
「「「シロー無事か!」」」
「な、なんとか、ただごめん、ちと支えられないです!」
みんなの声が飛び、シローさんが返事を返しますが左側を突き抜けてきたオーガが後方にいるユパさん達へと肉薄します。
「ホーリーサンダー!」
咄嗟に先頭にいるオーガに魔法を撃ちました。でも、一瞬体を奮わせるだけで、そのままユパさんへ向けて手にした剣を叩きつけます。
「むぅぅ」
手に持った杖でその剣を受け止めたユパさんがそのまま力に押され片膝を着きます。
「グゥゥ」
唸り声を上げ、そのままユパさんを切り伏せようとするオーガに対し、レイムーンさんが切りかかります。
そのレイムーンさんに対しても別のオーガが切りかかりました。
更に後方へと身を引いたエリィさんを除き、ユパさん、レイムーンさん、サイアスさんがオーガと近接戦闘へと入り、状況はより混沌としてきました。
「くそう、数が多すぎる!」
「コヒナ!後衛の援護にいけないか!」
「無理ですって!」
それぞれ廻りの状況を確認する余裕すらなく、掛け声のみで確認します。
「ユパ!まだ持ちそうか!?」
「きつい!」
ユパさん達がなんとかオーガを倒したとき、すでに前衛は意味をなさず混戦へと移行を始めています。
「今からファイアーヴォールを撃つ!騎士団はその隙に後方の守護結界まで退避しろ!」
そして、ユパさんがファイアーヴォールを撃つと同時に、まさに必死の状況で前線を支えようとしていた騎士団が一斉に後方へと退避を始めました。そして、左右ではシローさんときゅまぁさんがこちらへと集まり、半方陣の体制を築きます。留まって戦うことが難しいルンはそのまま防御結界へと下がらせました。
「コジロウ、指揮を頼む!しばらくは詠唱に専念する!」
「了解!」
方陣の中央でユパさんがコジロウさんへと指揮を引き継ぎます。目の前ではすでに炎が勢いを減少させて魔物の集団の全貌が改めて見え始めます。
「結構まだいるなぁ!」
丘の麓まで魔物の姿が見えます。それでも、数的には半数近くの魔物を討ち取っているように思います。
「防御結界まで撤退しません?」
コヒナさんの言葉に、すかさずコジロウさんが答えます。
「無理だ、この数をまともに受けたら防御結界とてあっという間に削られる」
「う~~ん困った、キュアちゃん何か無い?」
「あたしはそんなお助け猫じゃありません!」
余裕が無い為、なんか中途半端な返ししか出来ないちょっと滑った返答をあたしは返しました。
「すみません、MP回復しないとぶっ倒れます。戦線維持頼みます!」
今まで黙々と魔法を撃ちつづけていたユパさんが、そう叫ぶと地面に座り込んでポーションを飲み始めました。
「うっきゃ~~きつい!」
魔法が半減した途端、魔物の圧力が倍加してコヒナさんが悲鳴をあげます。
そして、座り込むユパさんを見て、なんでこっちの世界でも座り込むほうがMP回復高いのかなぁっと余計なことをあたしは考えています。
そしてその時、後ろからも戦闘音が聞こえ始めたのに気がつきました。
「ん?何か後ろで起きてる?」
後ろを振り返る余裕が無いので、あたしは声をあげて周りに説明を求めます。
「見えん!」
「余裕なし!」
「同じく!」
誰もが後方を確認する余裕の無い中で、後方からプードルさんの声が聞こえました。
「援軍だ!」
でも残念ながら、あたし達には後方を振り返る余裕はありません。それでも、後方から更に聞こえてきた声に一瞬脱力しそうになりました。
「は~~はっは、私が着たからにはもう大丈夫だ!このドーベルの勇姿を見よ!」
その声とともに後方で剣戟の音が激しくなります。
「ドーベルさんって、大丈夫?」
「「「さぁ?」」」
コヒナさんの疑問に、みんなの声が重なります。でも、誰も後方への応援に向かうことが出来ず、そのまま前方の魔物を削りつづけます。
「エリィ、交代するMP回復してくれ!あと、キュアさん、申し訳ないが後方へ支援に行ってくれ!後方に回復持ちがいない!」
「ここの回復は?!」
「きゅまぁさん頼む!」
「は~~い」
あたしは、指示を受けて一瞬のタイミングを見てきゅまぁさんと場所を交代し、そのまま後方の防御結界へと飛び込みました。
そして改めて見ると防御結界の前でドーベルさんと、新規で街の騎士団として訓練していた兵士達約100名が訓練通り3名一組で戦闘を繰り広げています。ただ、その内すでに20名近くが防御結界の中で血を流して倒れています。
「ヒール!」
急いで回復魔法をその倒れている兵士達へと掛けていきます。
「すまない」
「助かった」
倒れていた兵士達は治癒魔法で回復すると、それぞれの武器を手に取り又魔物たちへと切りかかっていきます。
そして、更に1時間がすぎた頃、ようやく終わりが見えてきました。
最後のオーガがコジロウさんに切り伏せられ、残ったオークやゴブリンなどの魔物はそれを期に一気に逃げ出しました。
「なぁ、これってオーガ全滅させれば実はあっさりと終わったなんて落ちはないよな?」
オーガを切り伏せたコジロウさんが、思わずその切り伏せた姿勢のまま顔を後ろに向けます。
「まぁそんな事もあるさ」
若干顔を引き攣らせながらユパさんが答えます。
でもあの混戦のさなか、そこまで判断できませんよね?
そして、防御結界の中で倒れこむようにしている騎士団の面々をあたしは眺めます。
ただ、あたしの治癒をもってしても回復できない人が10名以上います。これだけの被害で済んだという言い方もできます。でも、あたしには守りきれなかったという思いが強く悔しさが込み上げてきました。
でも、そんな悔しさを振り払うように、他の人達と協力してのろのろとですが死んでしまった人達を丁寧に馬車へと乗せていきます。
すべての人を馬車へと寝かせた後、ユパさんが呟くのが聞こえました。
「さて、まずこの魔物達をどうしますか」
あたしは、その言葉に目の前に広がる死屍累々の地獄絵図へと視線を移し、ゲームだとしばらくすると消えてなくなるのになって思いました。




