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6-4:コルトの森編4

時間+気力が欲しいです。

今回は最長の間隔が空いてしまいました。


もう少し早く更新したいです。

ばたばたと統一性も無くあたし達の前に抜刀した兵士達が立ちふさがります。

それぞれが、あまりに隣接しすぎてすぐに攻撃に移ることも出来なさそうな感じです。

そして、その中から一人が倒れている兵士達を見て、慌てて助け起こしました。


「チワワ子爵!だ、大丈夫ですか!」


その名前を聞いた途端、あたしはすっごい脱力感を感じました。

そして、それはトモエさん達も同様だったようです。


「よりにもよってチワワって」


「はい、チワワに対して失礼です!チワワは可愛いんです!」


なんかエリィさんが力説します。

あたしも、某有名CMのイメージがありますから、これは酷いって思いましたけど。


「貴様達!ただでは済まさんぞ!」


駆けつけてきた兵士達の中から、一際大柄な兵士が前に出てきました。


「イグリア貴族に手を出した償い、ただでは済まさんぞ!」


「平民ごときが貴族に逆らうなぞ許されん!」


「見せしめにしてやろう!」


などなど、あたし達が、ある意味対応に苦慮しているというか脱力している意味を勘違いしたのか、周りにいる兵士達もやたらと血気盛んなんです。


「この連中ってもしかしてみんな貴族?」


あたしが、つい声に出して呟いたのを聞きとがめて、その兵士たちは思い思いに叫びます。


「は!いまごろ気がついたか!俺たちは貴族達で作る高貴なる騎士団の一員だ!貴様ら平民とはとは違うのだよ!」


「今ごろ気がついても遅いわ!愚か者ども!」


あたしが、とまどってトモエさんを見ます。すると、トモエさんもこっそりと教えてくれます。


「ごめん、あたしも知らないわ、聞いたことも無い」


あたしも、トモエさん達も、実際にこの世界へ来た時間はそんなに大きく違う訳ではないですし、ある意味当たり前なのかも知れません。でも、この人たちは明らかにナイガラ騎士団の人達より弱そうですけど。


「まぁ、ぶん殴ればいいか、その後はユパさんに押し付けよう」


そんな事をボソリと呟いてトモエさんが前に出ようとした時、また予想もしていないことが発生しました。


「オマエラ、カミノテキダ、カミノシトノエルフニケンヲムケル」


突然あたしたちの横から手に木の棒を持ったオークが3人現れました。そして、その後ろには更に複数のコボルトやゴブリン達がそれぞれやはり手に木の棒を持って現れました。


「あちゃ、元ユーステリア兵だ」


現れたのは、元ユーステリアの魔物に姿を変えたユーステリア兵達です。戦闘後に武装解除をされたためか手には木の棒しか持っていませんけど、前の貴族達よりははるかに強そうです。

でも、彼らが介入するとなんとなく問題が複雑になりそうな気がします。


「ユーステリアの敗残者が出しゃばる気か?お前達を皆殺しにしてもいいのだぞ?」


オーク?達が現れてもまったく態度を改めないお馬鹿さん達がいます。人数でもすでに自分達の優位性はなくなっていることに気がついていないみたいですから、本当にお馬鹿さんとしか言いようがありません。


「あのね、貴方達状況がわかってるの?下手するとまた死者がでるよ?」


「はっ、亜人如きが何をぬかすか、それとも貴様ら俺達イグリアを敵にするか?」


「エルフなんぞ一人残らず根絶やしにしてやっても良いのだ」


あたしの質問に対しての、あまりの回答の酷さに呆然としてしまいました。

そして、静かに怒りが込み上げて来ます。


なに?この屑達、貴族ってそんなに偉いの?


あたしは、そんな思いのままにメイスを構えました。


「シネ、カミノテキドモ」


それに合わせるかのように、一斉にオーク達も武器を構えました。そして、周りで成り行きを見ていた人達が慌てて避難しはじめます。


「なんだ?お前たちやるって言うのか?」


「へ、ぶち殺してやるよ」


そう言うと、一斉に貴族達が切りかかってきました。でも、迎撃しようとした途端、真後ろから魔法が飛んできました。


「カース メドゥーサ」


あたしは、その呪文に慌てて振り返ります。するとエリィさんが今まで見たことも無い凍るような視線と、杖の先を貴族達に向けていました。

そして、その視線の先では今まさに切りかかろうとした状態のまま貴族達が石へと変化し始めています。


「な、なんだこれは!」


「か、体が動かん!」


「貴方達のような屑はそのままじわじわと石になって死になさい。心臓が石になるには後1時間はかかる、それまでの間己の傲慢さを後悔するがいい」


普段のエリィさんからは感じた事のない凄まじい殺気を感じて、みんなが思わず唾を飲み込みました。

あたしも、メイスで殴り飛ばす気満々でしたけど、その思いすら凍りついたようです。

又、オーク達もその様子に恐怖を覚えているようでした。


「元ユーステリアのみなさん、ありがとう。でも、貴方達は係わり合いになってはいけません、これはイグリアの問題ですから」


エリィさんの言葉に、オーク達はただ黙ってエリィさんを見返しています。


「だね、あんた達は関係ない、これはあたしらの問題だ。そして、この馬鹿たちはどんな勘違いをしてたか知らないが喧嘩を売って来た、剣を抜いてね。死ぬ覚悟はしてたはずさ」


「冒険者風情が!早くこの魔法を解け!イグリアを敵に回すぞ!」


「貴族に手を出して唯で済むと思うのか!一族郎党皆殺しだ!」


まだ石化が進行していないけど、不自然な格好で硬直している貴族達は思い思いに騒ぎ始めます。


「エリィさん、口は石化させれんのか?」


サイアスさんが呆れたように貴族達を見ながらエリィさんに聞きます。


「あ、はい、この魔法は体の末梢神経から硬直が始まるみたいなので」


「末梢神経って手足だけだっけか?」


「さぁ?」


なんか強引な理由付けっぽい気がするんですけど、とにかく手足から次第に石化が始まるみたいです。


「早く解け!愚民どもが!」


「逆賊が!さっさとしろ!」


「雑魚はちょっと黙れ!それとイグリア、イグリア五月蝿い!貴様らがお貴族さまならこっちはイグリア第4ギルドの推定淑女だ!」


そのトモエさんの叫び声に、貴族達の数名が顔色を変えました。


「転移者」


そう呟いた貴族に、みんなは一斉に視線を向けます。


「なんだ、あたしらの事知ってる奴いるじゃん」


「さっき名乗ったときスルーでしたからね、まぁ滞在時間が少ないですし知名度もそれほどまだ無いですからね」


「オマエタチガ イセカイノアクマカ?」


突然、先ほどまで黙っていたオークの一人がこちらに尋ねてきます。


「まぁユーステリアにとっては悪魔かもしれないね、何せ5年前も、3年前もあんたらユーステリアを撃退したのはあたしら転移者らしいからね」


「勝手に攻めてきたのはユーステリアらしいですけどね」


「一部の連中を除いて好き好んで戦争をしたがる奴はイグリアにはいないさ、まぁラビットの遙は好き好んで戦いを始めそうだけどね~」


「だいたい、貴様らはなんでイグリアを何度も攻めたんだ?ユーステリアだって資源豊かな国だって記憶してるが」


サイアスさんが、何か真剣に考え込んでいるオークに尋ねます。


「カミノイシニシタガッタダケダ」


「神の意思?だが、それは本当に神の意思なのか?まぁ深くは聞かんが戦争を奨励する神なぞ俺は信じられんな」


「だね、恐らく神官とか教会の連中の欲にまみれた意思っぽいね」


サイアスさん、レイムーンさんの言葉に、考え込んでいるオークは別としてそれ以外のオークやゴブリン達からは不服そうな、悪感情が見受けられます。

そして、それはあたし以外のメンバーにも感じられたみたいです。


「まぁ俺たちエルフの神は共存共栄を望んでいる。争いなど自然を壊し、傷つけるだけだと」


そして、サイアスさんのこの言葉で、今まで考え込んでいたオークが不意に顔を上げました。


「エルフノカミ ソレニツイテモットオシエテモラエナイダロウカ?」


「まぁそれは構わないが俺達も暇ではない、書物がある訳ではないからなぁ」


「セイショノヨウナモノハナイノカ?」


「ああ、神については口伝のみだな」


「デハ オマエタチニツイテイッテモイイカ?」


そのオークは真剣な眼差しでサイアスさんに問いかけます。そして、サイアスさん少し考えたあとオークに条件付で許可を与えました。


「よしいいだろう、ただしまずは俺たちの仕事が終わってからだ。終わったらお前を呼びに来よう。お前の名前は?」


「オルトナ ダダノオルトナダ」


「わかった、仕事が終わったら必ず迎えに来よう」


そうナイアスさんが伝えると、他のオーク達を連れて宿営地へとオルトナさんは戻っていきました。



今回も中途半端な所で終わってます。

馬鹿貴族さん達は助かるのでしょうか?

大人しい人程怒ると怖いんです。一応エリィさんが今回こんなに怒ったのは理由があるんですけど、書くかは不明です。

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