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5-5:ナイガラ攻防編5

更新速度があがっていません・・・

前章の文章変更も同様に・・・


リアル忙しさに追われてしばらくこんな状態が続きそうです・・・

可能な限り頑張ります><


誤字訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

ユーナさん達と連れ立って行政府の外へと出ると、そこには大勢のエルフ達があちらこちらに集まっています。

今までのナイガラからは考えられない光景ですね。


「この人たちって、援軍のエルフさんですか?」


「そうです。アルルが連れてきた援軍500名ですね」


ユパさんの説明に、あたしは広場の至る所でテントを張っているエルフ達を眺めました。

そして、併せてその様子を広場の周りから眺めているナイガラの人達を観察します。すると、以前あたしが感じた敵意のような視線は見受けられないのに驚きました。


「街の人達って、異種族に偏見もってなかったでしたっけ?」


あたしは、その様子に疑問を感じて、ユパさんに尋ねました。


「はい、今でも偏見はあると思いますよ。ただ、以前ほど強くは無くなったという事ですね」


「偏見が強くなくなったんですか?」


あたしは、不思議に思ってまた広場の周りを見ます。

すると、あちこちでエルフ達の姿を見て、頬を赤く染める女性や、男性達が見て取れます。


うん、まぁエルフは美人さん揃いですからね、でも、百聞は一見にしかずですね、エルフ達を見たとたん敵意が減るなんって・・・


広場を過ぎても、道路の至る所にエルフの姿が見えます。みんな、屋台やお店を興味深そうに覘いています。


「まぁ色々要素はあるんですけどね、ただ、交流が少なかったというのも確か原因の一つではあったと思います」


「でも、偏見が無くなるのはいい事です」


あたしは、ユパさんの苦笑まじりの言葉にそう言いました。


「まぁこれから色々と問題が出て、それで少しずつ仲良くなっていくんでしょうね。今はあくまで物珍しさが強いだけの感じですね」


あたしも、周りの人達の反応から、多分その通りなんだろうなって思います。

街の人たちは、まだエルフの人達と和気藹々といった感じはまったくありません。でも、日本でだって外国の人を見るとちょっと身構えちゃいますからね。


これで異種族も人族も含めて、みんなが仲良くなる切っ掛けになればいいな・・・


そんな事を思いながら、西門へと辿り着きました。

すると、そこは街中とは違い、未だに戦いの雰囲気を引きずっている感じでした。


「キュアリーさん、まずは門の外を見てください」


そう言われて、あたしは門の外へと出ました。

護衛の人達が、さり気無くですがあたしを守るように左右に付きます。


外に出ると、街の門の外にはいくつものテントが張られていました。

そして、そのテントの周りでは炊き出しが行われています。その炊き出しに並んでいるのは、どう見ても人ではなくって緑色をしたゴブリンや、青い肌のオーク達でした。


「えっと、ゴブリンやオークって仲間になるんですね。知らなかったです」


ゴブリンやオークは、布の服を身に着けて、すっごい違和感は感じるんです。でも、こっちで見かけるのは初めてですし、元々知恵はあるっていう設定だからこういう事もあるんだなって納得しました。


「このゴブリン達も援軍ですか?」


あたしの質問に、周りに居る人達が複雑な表情をしています。


「ふむ、やはり記憶にはないようだな。先程からの様子で、予想はしていたがね」


「そうですね、さて、これからが難しくなりますね」


アルルさんとユパさんが顔を合わせて何やら考え込んでいますね。

あたしは、初めて見るゴブリンやオークに興味津々です。

だって、今まではモニター画面でしか見れなかったのが、目の前にリアルに存在してるんですから。


うわ~~、すっごいゴツイですね。丸太のような腕ってあんなのを言うんだろうな。ゴブリンは予想以上に小さいですね、子供サイズです。これがそんなに危険な存在なんでしょうか?


炊出しに一列に並んでいるゴブリンやオークを見ていると、なんだか微笑ましい気分になります。


「キュアリーさん、あんまり前に出ないほうがいいですよ?」


知らず知らずに、みんなから数歩前に出て様子を見ていたあたしに、エリーティアさんが注意します。


「あ、はい!でも、みなさんはこのオーク達の様子を見に来たのですか?」


「そうとも違うとも言えますね。キュアリーさんは驚かれると思いますが、この魔物達は元々はユーステリアの兵士達です」


ユパさんの言葉に、あたしは驚きました。


「え?ユーステリアは魔物を兵士にしてたんですか?」


「あ、その話は後にして、まずはここを離れましょう。騒ぎが起こってもいけませんし」


「そうですね、こっちに気がついている者も何人か出始めていますし。まぁキュアリーさんを判別できるとは思いませんが、用心したほうがいいですから」


魔物たちの一団を気にしながら、みんなはあたしを隠すようにして門の中へと移動を始めます。


「えっと、あたしが見られると問題があるのですか?」


「ああ、恐らく騒動がおきるだろうな」


「長老!笑い事ではないですよ!」


アルルさんは笑いを堪えながらいいます。そして、ユーナさんがそれを注意しました。


あ、よかった。ユーナさん元々の調子が戻ってきたみたい


そんな事を思いながら、あたし達は行政府に戻りました。


「さて、どうしますかねぇ」


改めて会議室に集まったみんなを見て、ユパさんが呟きます。


「まずは、マイシスターに現状確認をしてもらうところからだな」


「「「ですね」」」


みなさんがハモリました。


現状認識?何のことかな?


キョトンとみんなを見ていると、ユパさんが改めて説明してくれました。

ユーステリアの軍隊がどうして魔物になってしまったのか。そして、それがどう影響を及ぼしたのか。

魔物に姿を変えた事は、ユーステリアの人達、そして、異種族を倦厭してきた人達にとっては死ぬほうがマシなくらいの衝撃だったようです。

そして、自国に帰る事も出来ず、恐らく帰っても受け入れられる事はないだろう事は彼らにも推測できる事でした。その為、少しでも元に戻る事ができる可能性のあるナイガラの街にしがみ付いているそうです。それと、どうも魔物になってしまったのはユーステリアの兵士だけでなく、ナイガラにいたユーステリア聖教の信者達も同様だったそうです。でも、範囲は戦場に限られていたみたいで、あの場に居てあたしを殺そうとしていた人達に限定されていたそうですけど。


「まぁ、あらましは以上です。で、キュアリーさんはあの時何が起きたか覚えていますか?」


「いえ、あの時は自分が死にそうになった事、そして、あたしを守って魔術師の人が殺された事、そこまでしか記憶にありません」


あたしは、またあのときの事を思い出しました。そして、あの瞬間の悲しさや悔しさを思い出します。

でも、それ以降の記憶はまったくありませんでした。


「そうですか・・・、そうすると戦場に響き渡ったという言葉も発言した記憶はないのですね?」


「はい、確かにあたしの称号には神聖なる調停っていう称号があります。でも、その称号の効果は特に記載されていません」


「うむ、気になるのはそこだな。称号は調停であって調停者ではない。その違いに意味があるのかどうかだな。皆はどう思う?」


あたしの説明を聞いたアルルさんが、みんなに問いかけました。でも、みんなはただ、考え込んでいます。そして、それぞれに思うことを発言していきました。


「おそらく意味はあるのでしょう。そして、その為に記憶がないといっても良いのかもしれません」


「そうですね。わたしもそう思います。それに、種族を変えるなんて普通の魔法やスキルじゃありえないですから。まるでGMまたは運営でしか行えない変更だと思います」


「GMや運営ですか、この世界で言えば神ですかね?」


その発言に何かしら不安にさせる響きを感じます。そして、それは当事者のあたしも同様です。

ましてや、記憶がないまま操られているのかも知れないのですから。

そして、神の手駒のまま知らず知らずに何かを行っているのかもしれません。

あたしは、そんな事を思って黙り込みました。

そんなあたしを、みんなは心配そうに見つめています。


「一つ言える事は、わたしが発表した事は、あながち間違いではないって事ですかね?」


その場の重々しい雰囲気を打ち消そうとするかの様に、ユパさんは殊更明るい声で言いました。


「発表した事ですか?」


「ええ、貴方の事をこの世界の神に選ばれた巫女という事にしました」


「み、巫女ですか!」


あまりの事に、あたしはスットンキョな声で聞き返してしまいました。


「ええ。そうしないとちょっと不味い気がしたので」


「ですね」

「だな」

「あの場ではそれが一番安全でした」


みんなの発言の傍らで、一人理解が追いつかずに呆然としたままのあたしに、ユパさんは逆に質問をしてきます。


「キュアリーさん、もし人間を魔物に変える存在がいるとしたら一番に何を想像しますか?」


「えっと・・・・魔王・・・・」


あたしは、その質問でユパさんが何を言いたいのか理解しました。人を魔物に変える存在、それって普通に考えたら神様じゃないですよね?どう考えても魔王です。そして、みなさんもそれを一番理解しているのだと思います。


「はい、わたしもそれを一番に恐れました。キュアリーさんが魔王という事ではなく、人々がそう思ってしまうことを。それで、今回の事は、驕り昂った人族に対し、この世界の神がキュアリーさんを通じて行った神罰だ。っということにしました」


「ユパの発表は、幸いにもナイガラの人たちに受け入れられました。なぜなら、一般の兵士達は傷を癒され、命を取り留めた者が多数居ましたから。そして、わたしは見れなくて残念でしたけど、あの場にいたキュアリーさんは光り輝いてまるで女神のようだったそうですよ?」


エリーティアさんは、そう言って微笑みました。

でも、あたしは頭がパニックでそれ所ではありませんよ!


「えっと、あたしはどうすれば好いのでしょう?」


「そうだな、この後どうするかだな。あの者たちを人間に戻せる可能性すらわからん」


アルルさんはあたしの問いかけに、真剣に悩み始めました。


「そうですね、今は大人しくしてますが、今後はどうかまでわわかりませんし」


「はい、元の姿に戻ろうと何をするかわかりません」


「当面は要警戒って所だな、まぁあと数日もすればゲートも復活するから王都から人も呼べるだろう」


アルルさんのその発言に、みんなが頷きます。そして、しばらくはあたしの周りの警護を厚くするといった方向で会議は終了しました。

でも、なんら解決策が出てきていない気がするのはあたしの気のせいでしょうか?

あたしは、思わずそう呟いていたみたいです。あたしの呟きを聞いたユーナさんが


「でも、解決策なんてあるの?あるとしたらキュアリーさんが人種変換?の方法を身につけるしか無い気がするよ?」


するどい突っ込みをしてくれるユーナさんに、あたしは泣きそうな顔をしました。


「キュアリーさん、とりあえず今日は飲もう!色々あったし、まずは気分転換だよ?あたしも何かすっごい飲みたい気分だし・・・」


そういうユーナさんの視線は、アルルさんに注がれます。


「あ、そういえばユーナさんも色々あったのよね、うん、飲もう!」


「あ、飲むならわたしも入れてほしいです」


エリーティアさんから参戦希望がきました。もちろんOKですよ!

でも、あたしってリアルでは高校生ですし、お酒飲んだことないのです。

未成年ですけど、こっちではそんなの気にしなくていいですよね?

次は、ご想像通り女子会です。しかも、お酒が入ってます。

しかも、お酒を飲んだ事のない主人公付きです。


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