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5-4:ナイガラ攻防編4

なんか書く時間が取れなくてすっごい日にちが過ぎてしまいました。


もう少し小まめに書けるように頑張りますっていうか頑張りたいな・・・


誤字訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

目をさますと、いつの間にかフカフカのベットの上でした。

起き上がると、体中がギシギシと強張っているようです。


う~~、体中が痛い・・・これって・・・寝すぎの時ににてる・・・


そんな事を思いながら周りを見回すと、ベットのすぐ下にルンが寝ていました。

そして、あたしが起きた事に気がつくと、むくっと起き上がって顔中を嘗め回します。


「うわぁ、ルン、まってまって」


あたしは、急いで起き上がってパジャマの裾で顔を拭きます。


「ヴォン!」


ルンは、嬉しそうにベットの上に前足をかけて尻尾をぐるんぐるんさせています。


う~~、顔中ベタベタだよ~~


そんな事を思っていると、ルンの泣き声に呼ばれたかのように、部屋の扉がノックされました。


「エリーティアです。入りますね」


そう言うと、扉が開いて、エリーティアさんが入ってきました。

そして、あたしがベットで起き上がっているのを見ると、ほっとしたような顔をしています。


「よかった、目が覚められたのですね」


エリーティアさんは、そういうと手に持った水差しをベット横の棚の上に置いて、あたしの顔色を確認します。


「あ、おはようございます」


あたしは、戸惑いながらもそう挨拶をしました。


「ふふ、キュアリーさん、もうお昼過ぎですよ?」


「あ、そうなんですか?あたし寝すぎたの・・・・あれ?」


あたしは、そういえば戦場にいた事を思い出しました。そして、今にも殺されそうな場面だったはずです。そして、身代わりになってしまった魔術師の人のことも思い出しました。


「あ!戦争はどうなったんですか?!それと、あたしはなんで此処に寝ているんでしょう?」


あたしは、エリーティアさんに思わず尋ねました。


「ふぅ、そうですか、覚えてみえないのですね?」


「え?」


あたしは、エリーティアさんの言葉に、あのときの事を思い出そうとしました。

でも、あの魔術師の人が剣に貫かれている場面以降を思い出せません。


「あの、みなさんが助けてくれたんですか?」


あたしは、混乱しながらも、エリーティアさんに尋ねました。


「いえ、あたし達がナイガラへと戻ったときにはもう終わってました」


「それじゃぁ、あたしはなんで?」


あたしの困惑に対し、エリーティアさんは困った顔をされます。


「説明は後にして、とりあえず体調はいかがですか?」


「あ、特に問題は・・・・あの、あたしを庇った魔術師さんの事とか解らないですよね?」


「・・・ごめんなさい、誰の事を指しているか解らないです・・・」


「そうですよね・・・変なこと聞いちゃってごめんなさい・・・」


あたしと、エリーティアさんはしばらく黙り込んでいました。


「あの、今回の戦いで、どれくらいの方が亡くなったのでしょう?」


「そうですね、一応公式な見解は出ていますが、それは後にしましょう。その辺は副団長が説明してくれると思います。それより、まずは着替えて食事にしませんか?長く寝ていたのでお腹が空いていませんか?」


エリーティアさんに言われて、少し自分に気が回るようになりました。そして、


「えっと・・・まずおトイレ行って来ていいですか?」


うわ~~格好がつかない、でも、なんか突然トイレ行きたくなったんです・・・


そう思いながらも我慢は体に悪いです。あたしは、エリーティアさんに付き添われてトイレに行きました。


なんか立ち上がると、足元がフラフラしてて危なっかしかったんです・・・


その後、着替えまで手伝ってもらって、食堂に向かいます。

そういえば、廊下がヌイグルミで溢れていたのには吃驚しました。なんでも、戦場からあたしに付いて来たそうです。


おかしいなぁ、そんなに長い間魔力が続くはずないんだけど?


◆◆◆


その後、食堂でご飯を食べています。

まだ、胃が活動を始めていないのか、食欲が沸かないのでお粥を作ってもらいました。

そして、スプーンで少しずつ食べていると、なんか周りの人たちの視線を痛いくらい感じます。

あたしが、何だろ?って感じで視線の元を辿ると、すぐに視線を逸らされます。


なんか感じが悪いですね・・・


「エリーティアさん、なんかすっごく視線を感じるんですけど・・・」


あたしは、向かいであたしが食事を食べ終わるのを、紅茶を飲みながら待ってくれているエリーティアさんに思わず尋ねました。


「う~~ん、まぁ致し方ない事だと思うけど、その説明も含めて副団長がしますね、あたしが、あまり前情報を入れないほうが良いと思うので」


何か含みが満載のご回答をいただきました。


う~~~食べ辛い・・・


そんな事を思いながらも、なんとかお粥を食べ終わりました。


あたしは、エリーティアさんが何を気にしているのか判らないまま、ユパさんの執務室へと向かいました。でも、その間にもすれ違う人達はやっぱりあたしを見つけると、真剣な眼差しで見詰めてきます。

敵意があるわけではなくって、なんかすっごい複雑な感じの視線です。


「ねぇ、やっぱりみんな変だよね?」


「ええ、そうですね、ちょっと変ですね」


そう笑いながら話すエリーティアさんは、絶対理由を知っているっぽいです。


あたしは、悶々とした気持ちで、やっと執務室に到着しました。


「エリーティアです、キュアリーさんをお連れしました」


「ああ、入ってくれ」


執務室の中から、ユパさんの返事が聞こえてきました。

そして、執務室の中へと踏み込むと、そこにはユパさんと、なんとコヒナさん、アルルさん、そして、ユーナさんがいました。


「おお、マイシスター!久しぶりだな」


「アルルさんはどうして此処に?」


「うむ、エルフの森でユーステリア軍を撃退するつもりでいたのだが、こちらより先に、このナイガラに向かったとの情報が入ったため、様子見に500名程連れて来てみたのだ」


「まぁ、道すがらユーステリアの敗残兵がちらほらと居たんで、それを狩りながらナイガラに着いたのです。そうしたら、戦争は終わってるし、変なオークやゴブリンが街を取り囲んでるしで焦ったわね」


アルルさんと、ユーナさんの説明に、あたしは首を傾げました。


オークやゴブリンの集団?


何か、あたしが倒れていた間に、戦闘は想像以上の展開をしていたようです。


「で、ユパよ、原因は聞いたとおりでいいのかだな?」


「そうですね、それと、キュアリーさんの反応を見ている限りでは、あの時の状況を覚えていない可能性が高そうですね」


ユパさんの発言と共に、みんなの視線があたしに集まります。

はっきり言って、すっごく居心地が悪いです・・・


「あの?あたしが何か?」


「はい、キュアリーさんは戦場で倒れられた時の事を覚えていますか?」


ユパさんの言葉に、あたしは首を横に振ります。


「そうですか、エリーティア、キュアリーさんの体調はどうですか?」


「長く寝てみえたので、最初は足腰に力が入らない感じでした。ですが、それも少しずつ回復してきてはいます」


「ふむ、西の城壁まで歩いていっても問題はありそうですか?」


「問題は無いと思います。むしろ少し歩かれた方が良いとは思います」


「そうですか、それであれば皆さん、西の城壁まで行きましょうか。取り急ぎ護衛を数人見繕いますのでお待ちください」


ユパさんは、そう言ってコヒナさんに指示をだしました。そして、コヒナさんが扉から出て行った後、ふと部屋の隅にかたまっているあたしとユーナさんに気がつきました。


あたしは、ユパさんと、アルルさんが話しているその間に、ユーナさんと情報交換をしていました。

ユーナさん曰く、ユーステリアは初めっからナイガラを目標にしていたそうです。

その為、エルフの森でユーステリア軍を撃退をする予定だったエルフと、援軍にきていた王都の冒険者チームは肩透かしにあったそうです。ただ、これが陽動の可能性も否定できないとの意見もあり、とりあえずユーナさんが先発してナイガラの様子を見に来たそうです。ただ、なぜか長老であるアルルさんも引っ付いて来たそうですが・・・


「ユーナさん、それってアルルさんがユーナさんを心配したからじゃないの?」


「え?そ、そうかなぁ・・・」


あたしの問いかけに、ユーナさんがちょっとニマニマします。


「うん、きっとそうだって!アルルさんもしかしたらユーナさんのこと好きなんじゃない?」


「わ!やっやっぱり?あたしもそうなんじゃないかなぁ~って思う時も・・・」


「あ、嫌じゃないんだ?」


前から思っていたんですけど、ユーナさんって言葉や態度の端々でアルルさんに対して好意のような言動や態度が見えてたんですよね。それで、ちょっと鎌をかけてみたんですけど、思いっきり正解だったみたいです。


「ちょっと変な所もあるけどさ、基本的に優しいし、本当のすっごい稀にだけどカッコイイなぁって思うこともあるし・・・」


うわ~ユーナさん・・・こんなに綺麗なのに趣味が斜め上ですね・・・ってこれは失礼かもです・・・


「えっと、でも・・・アルルさんって丸いよ?真ん丸のプニプニだよ?」


「そうなの!丸いの!可愛いの!」


駄目です、何かユーナさんの琴線に触れてしまったみたいで、アルルさんがいかに丸いか、可愛いかを滔々と話してくれます・・・。


「も、もう告白したら?」


あたしは、ユーナさんの勢いを止めるために、最後の札を切りました。もうこれしかないですよね!


「え、でも、まだそうって決まったわけじゃないし・・・」


途端にユーナさんの勢いが弱まりました。


「え~だってユーナさん綺麗だし、可愛いし、文句なしですよ!あたしだったら絶対好きになりますよ!」


あたしの言葉を、ユーナさんは顔を真っ赤にしながら、パタパタと手を振って否定をします。


「でも、それならもし告白されたらどうするの?」


「え、そ、それは・・・・みぎゃ!」


「ん?」


ユーナさんは突然あたしの後ろを見て悲鳴をあげました。

ユーナさんの視線につられて後ろを振り向くと、そこにはユパさんとアルルさん、そしてエリーティアさんが立っていました。


「え、えっと・・・お話は終わったのですか?」


「ええ、今終わりました。ただ、お二人にも参加して欲しかったなぁと思ったのは内緒ですよ?」


ユパさんはそう言って、ニッコリ笑いました。

その後ろでは、エリーティアさんが苦笑を浮かべています。そして、更にその後ろにはアルルさんがニヤニヤ笑って立っていました。


「あ、あの・・・・聞かれました?」


ユーナさんが、ちょっと上目使いにアルルさんを見つめます。


反則技ですね!普段のギャップもあって威力倍増です!


あたしは、アルルさんの反応を期待しながら、ちょっとアルルさんのニヤニヤ笑いに不吉な気持ちになりました。


「うむ、しっかり聞いていたぞ。で、ユーナはどうするんだ?」


「え!え!・・・・そ、それをこの場で言えと?」


あまりに突然な事に、ユーナさんは顔を真っ赤にして黙り込みます。

そして、目を左右にキョロキョロさせます。


「うむ、せっかくキュアリーさんがお前に告白したんだ、返事は早いほうが良いだろう」


「はぁ?」


ユーナさんは、キョトンとして、アルルさんとあたしを交互に見比べます。

あたしと、エリーティアさんは溜息をついてアルルさんを睨みつけますが、アルルさんはまったく気にせず知らん顔をしています。


そこへ、コヒナさんが数名の兵士を連れて部屋に入ってきました。


「さて、みなさん一先ず西の城壁へ視察に行きます。移動しましょう」


ユパさんは、そう言って率先して歩いていきました。

キョトンとしたままのユーナさんは、ショックが大きいのか、それともホッとしたのか、エリーティアさんに手を引かれるままに連れられてついて行きます。


う~~大丈夫かなぁ・・・あたしが原因みたいになっちゃったし・・・


あたしは、ユーナさんを急いで追いかけます。でも、アルルさんの横にすれ違うときにボソリと呟きました。


「意気地無し」


アルルさんは、ちょっと苦笑気味にこちらもボソリと呟きました。


「まぁ、勘弁してくれ」


そう言ってあたしの後に続いて部屋を出ます。


でも、勘弁なんかしてあげません、あとで絶対お説教してあげますよ!

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