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4-11:ナイガラ滞在編11

誤字のご指摘ありがとうございます。訂正しました。

あの後、工房に向かう途中で、あたしはご飯食べて無いじゃん!って事に気がつきました。

なんってことないのですが、お腹がぐ~~~って鳴ったんです。

で、工房へ行く前にご飯を食べに向かいました。


「う~~ん、美味しい!」


出来立てのクリームシチューに焼きたてのパンすっごい幸せです。

あたしの横で、遙さんは紅茶とミートパイを食べています。そして、向かいの席では秋津洲さんと、フィリスさんが同様にコーヒーを飲んでいます。


「あ、そういえばこっちの食事って美味しいですね。ケーキとかも普通にあるし」


「そんなことは無いですよ?私達が来たばかりの時は結構悲惨でしたね」


「だね、いまだに砂糖なんかは安定供給できてないから高価だし、ましてやカカオはまだぜんぜん生産量が少ないからね」


「ですね、このコーヒーも実際の原料はコーヒー豆じゃないですしね。似たような豆で作って似せているだけですから。まぁここまで味が近ければ問題ないのですけどね」


秋津嶋さん達がそう教えてくれます。


「あ、そうするとケーキとかは大変なんだ」


「うん、材料がね~」


その言葉に、これからお菓子つくる材料は大事にしないとって思いました。


お菓子は作れても、お菓子の材料の作り方なんてわかんないですから・・・


食事を終えて、まっすぐ工房に向かいます。


「そういえば、1個の装備に30分くらいかかるので、みなさん来られても時間暇になりますよ?」


「む、結構かかるんだな」


「そうですか、わたしの番は3時間ほどあとですか、時間が空きましたね」


「は?お前は6時間後だろ?」


「何を仰るのやら、陛下は急いで王都に戻って仕事をしてください」


「はぁ?」


何やらまた剣呑な雰囲気になってきました。

とりあえず、揉め出しそうな二人をほっといて、遙さんの装備の耐久回復を行いますね。


・・・・流石です。フェニックス装備なんてはじめて見ました。でも、ペイントが変えられててなんか極楽鳥か孔雀雄みたいですね・・・目にいたい原色ばりばりです。


受け取った火炎石を炉に入れて火力を上げ、修復用の粗材を溶かします。


ここまでは判るんですけど、なんでこっから金槌で叩くと修復できるのでしょうか?どう見ても直してるっていうより壊してる気がするのは気のせいなんでしょうね。

その後、研磨石で綺麗に研磨して作業を完了すると、光が辺り一面に広がって綺麗なフェニックスの鎧が完成しました。


「うきゃ~~~~!ペイントが無くなって真っ赤に戻ってる~~~!」


修復が終わった装備は本来の色に戻るみたいですね、ペイントしてる装備の耐久回復したことが無いのでしらなかったです・・・


「えっと・・・・がんば?」


「うぅぅ、ありがと~~悲しいけど嬉しい~~~」


遙さんは、耐久回復出来て嬉しいのに悲しいといった複雑な表情で、涙を流しています。

あたしは、次のフィニックスのグリーヴを先程と同様に修復を始めます。その横で、遙さんはせっせと鎧のペイントを始めました。


「ペイントってこっちですると手作業なんですね・・・・」


「うん、あたしも今知った・・・・」


ペタペタ、ペタペタ・・・


せっせと金槌を振り下ろすあたしの横でペイントしている遙さんが、不意に手を止めてあたしを見ます。

なぜかその顔色は、なんか青白いですね・・・・


「キュアちゃん・・・なんか気持ち悪いかも・・・・」


言われると、あたしも部屋の中の空気がすっごく濁っている気がして気分が悪くなってきちゃいました。


「・・・・言われると・・・そんな気がするかも?・・・なんかすっごい空気が悪い?」


「なぁ・・・ここって換気はどうなってるんだ?」


「まじめにこれ拙くない?頭痛くなってきたわよ?」


その言葉に、一応換気用の煙突を見ます。


う~~ん、でも、一応換気はされているのか煙は中に入っては来ていませんよ?


そう思っていると、傍らにいたルンが部屋の外に駆け出しました。


「ルン?」


「わたしが見てきます!」


あたしは、まだ作業の途中なので、変わりにコヒナさんがルンを追いかけてくれました。

そして、その後に続くように、秋津洲さんとフィリスさんが追いかけます。

作業を続けるあたしの横で、遙さんは手を止めて風の魔法で部屋の換気を始めたみたいです。


「う~~~一酸化炭素中毒ってこんな感じかなぁ?」


「どうなんでしょう?」


遙さんとそんな話をしていると、ルンが戻ってきました。

そして、その後に続いて秋津嶋さんとフィリスさんも戻ってきましたけど、コヒナさんは戻ってきませんでした。


「あの・・・何かありました?」


「うむ、まあな」


「まぁキュアリーさんはお気にされずに」


何かあったみたいね、なんだろ?


二人の言葉に余計に何があったのか気になります。あたしは、ルンを見ますがルンもあたしの傍らで先程と同様に寝そべって眠り始めました。


「ねぇ、何かあったの?」


あたしの声にルンは顔を上げ、そしてしばらく扉の外を見つめました。ただ、その後はまた眠り始めました。


う・・・・気になるよ~~~


そう思いながらも作業は半オートで着々と進んでいきます。

部屋の空気は、先程の遙さんの魔法で換気したおかげで気にならなくなりました。


「遙さんありがとうございます。でも、さっきのなんだったんでしょう?」


「何だったのかねぇ」


遙さんもそう言って二人を見ますが、残念ながら二人は静かに壁際で座っているだけで教える気はまったく無さそうです。

そうこうしている内に、無事2個目の耐久回復が終了しました。


「はい!」


「ありがとう~~、これもペイントし直しだなぁ、結構大変!」


そう言いながらもせっせと色を塗っていきます。


うん、いい暇つぶしになってるっぽいですね。


結局、残り4箇所の装備回復を含めてやっぱり3時間掛かりました。


「キュアちゃんありがとうね~~。やっぱりこの装備が一番安心できるわぁ」


遙さんは嬉しそうにフェニックス装備を身に付けてお披露目をしてくれます。


「ふむ、このまま続けても時間的には厳しいですね。わたしの装備と素材はキュアリーさんにお預けしておきます。終わったらユパに言っていただければ結構です」


「そうだな、わたしも同様に預けておきます。今度王都のお菓子でもお礼に届けさせますので、もちろん遙の倍で」


秋津洲さんと、フィリスさんはそう告げて、装備と素材をあたしに渡してくれました。


「あ、そういえば先程空気が変になったのは何かあったのですか?コヒナさんも戻って来ませんし、気になってたんですけど」


あたしがそう聞くと、二人は複雑そうに顔を見合わせました。


「まぁあったといえばあったかな・・・」


「そうね、この地下への入口が塞がれていた。その所為で空気の流れが阻害されていた」


「え?」


「何を意図していたのかは不明。コヒナが今それを調べているな」


「塞がれていたって・・・扉なんか無いですよね?」


「ええ、結界の改良版ね。ただ、あっさりと破る事ができたので、ほんとに何がしたかったのかしら?」


「でもさ、それって行政府内で起きたっていう事のほうが問題なんじゃない?」


遙さんの指摘に、二人が難しい顔をしている理由がわかりました。


「それって・・・行政府の中にもスパイがいるっていう事ですか?」


「まだハッキリした事は判っていない。しかし、油断は出来ないな」


秋津洲さんの言葉に、みんなが頷きます。


「目立つことの無いように、地下への入口に警備は配置していなかったが・・・・今後はそうもいかんだろうね」


「狙いが私なのか、それともエルフであるキュアリーさんなのか、それすら判らないがとりあえず私とフィリスは王都に戻ったほうが良いというのがユパの判断だ。そして、わたしも同様の判断をした」


「早々遅れをとるつもりは無いですけど、このような時期ですから用心はしておかないとね」


「一応、二人の装備の修理が終わるまではあたしが残るからね。それと、ラビットからもう10人ほどこっちに来させるように指示をだしたしね。なんかきな臭いんだよね・・・」


遙さんの発言に、みんな黙り込みました。


「キュアリーさんには申し訳ないが、継続して耐久回復を御願いしたい。ラビットからくる10人も同様に耐久を減らしている者を優先させてもらった」


「はい、元々そのつもりですから」


「すまないね、とりあえず御願いする装備と素材を渡しておこう」


「はい」


そして、装備一式と素材を渡した二人は足早に帰っていきました。

ちなみに、渡された装備を確認すると・・・・バニーセットとゴスロリセットも一緒に渡されていました・・・・


どうしろというのでしょうか・・・・

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