3-12:エルフの街で一夜を過ごそう
とりあえず今日のお話を・・・可能な限りは更新がんばります。
お話は・・・相変わらずのスピードで進行してますね・・・
夕食後、あたし達はそれぞれの部屋に案内されました。男性と女性に部屋分けをして女性陣は総数7人で一部屋でした。ベットは大き目のダブルベットが4個も置いてあります。
(よくこんな部屋があったなぁ・・・)
あたしはそんな場違いな事を思っていました。
遙さん達はベットの割り振りを決めています。7人だと一人だけ余るっていうか得をする?んですよね、でも、論点は間逆で誰と一緒に寝るかでワイワイと騒いでいます。
「サラちゃんとルカちゃんは一緒でいいから、あとはどうするかですよね?無難なところで遙さんとエリーティアさん、トモエさんとエリィさん、で、あたしでいいのではないでしょうか?」
(あたしだけ一人で寝るのはずるいかな?)
あたしはちょっと後ろめたい思いをしながらも一応提案してみました。でも・・・
「あ、それはダメ~~面白くないから!」
「うんうん、せっかくだし違うメンバーがいいかなぁ」
「ですね、トモエは寝相悪いし・・・・」
「あ、遙さんだって歯軋りするんですよ!」
「「・・・・・・・」」
案の定、反対意見と爆弾発言が飛び出します。
「エリィ!あんただって寝相良くないじゃん!」
「エリーティア、あなたも自分の抱きつき癖直してから言いなさいね~あたしは抱き枕やぬいぐるみじゃないんだからねぇ」
(うん、なんか雲行きがあやしくなってきてないかな・・・・)
あたしと、サラちゃん達は蚊帳の外でワイワイを通り越しちゃってギャンギャンって感じでみんさん言い合ってます・・・・
(そっか・・・・エリーティアさん普段はそんな過激な・・・・・・、えっと・・・あれってそうだったんだ・・・・)
みんなの言い合いはすでに、言い合いから暴露大会へと変質しています。
色々と興味深いお話がいっぱいあります。
(そっか・・・エリィさんはあの人が好きなんだね・・・・、え!トモエさんって・・・・)
あたしは、じっとみんなの話を聴いていました。みなさんのお話は大変参考になります・・・メモ取ったりしたら怒られるでしょうか?
そんなあたしを不意にみんなが振り向きました。
「キュアちゃん、明日にはお別れなんだからさ、どうせなら恥は掻き捨てよね?」
「だねぇ、キュアちゃん・・・どうよ?誰かかっこいいなって思う人とかいないのかな?」
突然の鉾先転換にあたしはびっくりしました。っていうかみなさんじりじりとにじり寄って来ます。
「えっと・・・・そろそろ夜も遅いから寝ないとだよね?ほら、サラちゃんやルカちゃんもいるし」
「大丈夫!ほら二人も興味津々って顔してるから」
あたしは言われて二人を見ると・・・・あたしをじっと見る二組の視線にぶつかりました。
「おねえちゃんは誰がすきなの?」
「あ、あたし・・・ユパさんとか素敵だなって思います・・・・」
「え!サラちゃん・・・・それはどうかと・・・・」
あたしの言葉に周りからも一斉に同様の意見が飛びます。
「うん、ユパって一見すると落ち着いてるけど、あれは落ち着きすぎっていうか・・・若年寄?」
「え~~ユパさん割と隠れファンとかいそうじゃん、外面いいし!」
「うんうん、子供受けしそうだよね~一見優しそうだし、まぁ一見だけどね・・・」
それぞれに意見が飛び交います。サラちゃんは必死にユパさんを弁護してますけどそれは火に油を注ぎこむようにしか見えないですね・・・
(うん、ユパさんごめんね、あとサラちゃんありがと~~~でも、サラちゃんはファザコンかもしれないなぁ)
あたしはユパさんの話題のおかげで危機を脱しました。そして、肝心のサラちゃんそっちのけで知らず知らずにユパさんは幼女趣味があるかないかなど話題はどんどん飛びまくってます。あと、いつの間にかみんなの手の上にお酒が握られています・・・
(いつのまにお酒を用意したんですか!って・・・・これは危険です!)
あたしは部屋の一番隅っこのベットにサラちゃん達ともぐり込みました。
「サラちゃん、あそこは危険だから急いで寝た者勝ちよ!」
結局あたしはサラちゃん達といっしょに3人でベットに寝ることになりました。
(急いで眠んなきゃ・・・・)
あたしは、そう思いながらもやっぱり疲れが結構あったんでしょう、焦って寝れないかもって思っていたのにあっというまに眠ってしまいました。
◆◆◆
次の日の朝、目が覚めるとあたしは目の前の光景に呆然としました・・・・
(あ、あの・・・・何があったのかしら?)
そこには半裸で一つのベットに団子のように眠るトモエさん達4人の姿がありました。
そして、床には無数のお酒の空瓶がころがっていて、部屋中にお酒の匂いが立ちこめています・・・
(・・・・・と、とりあえず換気しないと・・・・)
あたしはサラちゃん達を起こさないようにしながら、部屋の窓を開けました。
すると、そこには朝日に輝く木々の青葉や鳥達の囀りなど自然の輝きが目に飛び込んできました。
(うわ~~~綺麗!)
それはまさに幻想的な風景でした。いままで都会でしか暮らしたことのないあたしには、まさに憧れの風景に近かったです。
そして、窓から流れ込んでくる涼しい風を顔に浴びて、あたしは清清しい気分に浸っていました。
「ヘクシュン・・・」
突然聞こえてきたクシャミの音で、あたしは現実に引き戻されました。そして、後ろを振り返ると、ベットの上でボ~~~っとトモエさんがこっちを見ています。でも、まだ明らかに目が覚めてないです。
「あ、おはようございます、ごめんなさい起しちゃいました?」
「う~~~ん・・・・キュアちゃんだ・・・・・・」
そういうと、トモエさんはコテッっとまたベットに倒れこんで寝息を立て始めました・・・・
(えっと・・・・寝ぼけてたのですね・・・・・・)
あたしは、みんなを起さないように静かに扉から廊下へと出て、1階へと降りていきました。
すると、そこにはすでにユーナさんが待機していました。
「あ、おはようございます」
あたしは、ユーナさんに朝の挨拶をしました。
「あ、キュアリーさんおはようございます。早いですね、もう少ししたらご飯が運ばれて来ますからもう少しまっててくださいね」
どうやらご飯は外で作って持ってきてもらうみたいです。あたしは、ご飯が来るまでの間ユーナさんにこのエルフの街の事や、最近の出来事などを話してもらっていました。
少しして、朝ごはんが運ばれて来ました。なんと吃驚した事にコーヒーにマフィン、ジャムなど正統派の朝ごはんです!
「うわぁ~~すごいですね、あたしリアルでもこんなご飯食べたことないです」
「あは、一応私達が日々改善してますからね、何せ来たときはほんとに料理の種類が少ないし、味付けは変だしで苦労したんですよ、それはどこの国の人達もだと思いますけど」
ユーナさんは笑いながらそんな事を話してくれました。
(ご飯は普通に美味しかったです。うん、今度はあたしもマフィン焼いてみようかなぁ?)
コーヒーの匂いに誘われてか、コジロウさん達が続々と一階へ降りてきます。でも、女性陣で降りてきたのはサラちゃん達二人だけです。二人は普段から早起きですから。
(みんなきっと晩くまで起きてたんだろうなぁ、あとお酒も入ってるし・・・・)
あたしは、とりあえずコジロウさん達に他の人は多分しばらく起きてこないと思うことを伝えました。
すると、あたしの言葉にどうやら昨晩の出来事に薄々気がついたようでした。
「あ~~~、しかたねぇなぁ、まぁとりあえず俺達で出発の準備しとくか、そうでないと今日中に出発出来そうにないからな」
コジロウさん達はそう言って席を後にしました。
(あたしも旅立つ準備しないとかな?)
あたしがそんな事を考えていると、突然サラちゃんがあたしに話し掛けてきました。
「あ、あの・・・キュアリー様、ありがとうございました」
突然、お礼を言われてあたしはびっくりしました。
(えっと・・・なんのお礼だろう?)
「あの、あたし達の今後の身の振り方まで考えていただいて・・・」
あ、そういえば昨日、サラちゃんも交えて今後サラちゃん達をどうするか、そして、サラちゃん達はどうしたいかを話し合いました。そして、二人の希望も踏まえてトモエさん達が王都へ連れて行ってくれて、更には二人の後見までしてくれる事になったんです。
(トモエさんには敵わないなぁ、サラちゃん達もエリィさんに一番懐いてるしね)
あたしは、昨日の話し合いを思い出してそう思いました。
「いいよ、それにあれはトモエさんのおかげだし、あたしは何もしていないよ?」
あたしは、そう二人に話して、そしてふと思い出して二人に二つのネックレスを渡しました。
「これ、二人にあげるね、幸運のメダリオンって言うの。二人がこれからも幸せに暮らせるように、まぁおまじないにすぎないけどね」
(LUK+2のアイテムですけど、これがどう作用するのかはわからないですけど、二人がこれからも幸せに暮らせるといいなぁ)
あたしは、それからユーナさん案内をしてもらって街のお店を見学することにしました。
サラちゃん達はこのままトモエさん達が起きてくるのをまつそうです。
「コルトの森までの道中で必要なものを一応買っておかないとなので、すいません、案内をよろしくお願いします」
「はい、そうするとまず雑貨屋さんがいい?それとも食べ物屋?」
ユーナさんとそんな事を話しながら、あたしはエルフの街のお店巡りに向かいました。




