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3-9:エルフの長老?

すいません、思いっきり遊びました・・・・


なんかもう・・・はちきれてました・・・・

あたし達は、そのまま道を逸れて迷いの森に向かいました。迷いの森は結界が張ってあるため、それぞれにあたしの侵入防止用水晶のようなアイテムを渡されます。

あたしは、その水晶をちょっと鑑定してみたんですが・・・・


・迷子のお守り Lv1 方向感覚補正用アイテム


えっと・・・・これってなんでしょう?

迷いの森って確かに森の中で迷子になるんですけど、それの対策アイテムがこれって・・・・うぅ~~どういう物なのか調べてみたい・・・・ばらしてみたい・・・・えっと・・・・ボルト&ナットガイの気分です!


材料は普通の小水晶です。水晶を留めてるのはウルフの皮かな?スキルサーチを使って構成魔法を調べてみました。


(う~んと・・・探索スキルと自動記録オートマッピング、現在地把握スキルで代用できそうな?

アイテム作成スキルだと何を掛け合わせればいけるかなぁ?でも、もしかしたらあたしここ迷わないような?だって、あとは森の木々からも声が聞こえるし、そもそも頼めば道作ってくれそうだし・・・)


なんか根本的に対人用侵入防止の結界発展系ではないみたいです。すっごく肩透かしをした気分ですね・・・


(でも、一応この事は言わないほうが良さそうですね・・・・下手に知られてもめるのも嫌ですし)


あたしは、とりあえず首からネックレスを掛けて森へ入る準備をしました。


あたし達が森に入ると、森のあちらこちらで木々の囁き声が聞こえ始めました。


(あ、これが噂の?森の声なのかな?木々の声ってこんな風に聞こえるんだ)


よく小説などではある設定ですけど、実際に木々の声を聴けるというのはすっごい感動です。


「・・・コルトのエルフが帰ってきた・・・・」

「・・・うれしい・・・コルトの同胞に伝えよう・・・・・」

「・・・うれしい・・・コルトのエルフが帰ってきた・・・・」


だいたいそんな感じの囁き声がほとんどです。


(コルトのエルフは多分あたしの事?でも、同胞に伝えるっていうことはコルトの森はまだ残ってる?)


あたしは、もしまだコルトに森が残っているのなら、もう一度行ってみようって思いました。あそこは、あたしの故郷みたいなものですから。


森に入って2時間くらい過ぎたとき、突然目の前が開けました。そして、その先に大きな木を利用した様々な家が見え始めました。あたしが予想していた物より遙かに大きくて、ずっと先のほうまで同様の家が立ち並んでいます。


「うわぁ~~予想してたよりずっと大きい」


あたしは、かつて訪れた事のあるMMORPGのエルフ族始まりの村を想像していました。でも、ここはそんな小さな村ではなく、遙かに巨大な街を形成していました。


「むぅぅ、これは聞いていたエルフの規模より桁違いに大きいな、これほどのエルフがここに集まっていたとは・・・・」


コジロウさんが驚いています。もともと長命な代わりに子供の生まれ難いエルフという設定のため?エルフの村の規模はあまり大きくないのが常識だと思っていました。


「いやぁ参ったよね、こんなにエルフの国力が回復してたのは予想外だったね・・・まぁアルルさんが何か企んだんだろうけど、それにしてもすごいね」


トモエさんが言いました。

案内役?のエルフさんがこっちをチラチラ見ながらちょっと・・・・自慢げに見えます?


(うん、ぜったいそう!でも、当たり前なのかな?これだけの街を築いたんだから)


あたし達はそのまま村の中に案内されます。それまで一緒に同行していたエルフ達は、先導役のエルフさんと10名ほどを残して、怪我をしたエルフさん達を引っ張ってどこかへ行ってしまいました。


(う~~ん、あんまり急いで病院にって感じじゃないなぁ・・・なんか罪人あつかいっぽい・・・)


引っ張られていく襲撃組エルフさん達は相変わらず破魔の鎖で繋がれたまま引っ張られていきました。

馬車もその後をゴトゴトと突いていきます。


(なんかドナドナが聞こえてきそう・・・・)


あたしはそんな変な事を思いながらも先導されながら街の中心へと入っていきました。

街に入ったときも感じていたのですが、意外なことにあまり敵対的な視線は感じませんでした。それよりも明らかに好奇の目で見られているように感じます。

どちらかと言うとあたしよりも他の人に向けられている気がします。


(エルフ以外の人が珍しいのかな?でも、敵意が感じられないのは良い事よね?)


でも、決してこっちには声を掛けてはこないので、あたし達は多少居心地悪く感じながらも中央に聳えるように立つ一際大きな木の家に入っていきました。ちなみに、木の家っていうのは木で作った家ではなくって木をそのまま利用して作られた家です。


「長老!お連れしました!」


案内役のエルフさんが家の中で叫ぶと、木の上のほうから一人のエルフっぽい人が降りてきました。


(う・・・教えてはもらいましたけど・・・本当にエルフに見えない・・・・)


一見すると、まるでドワーフのようなずんぐりむっくりした体型です!横に前後に太いです!


(うわ~~~~、認めたくない!まん丸な、お腹の大きいエルフなんて・・・ビジュアル的に・・・見たくない、しかも・・・お顔が・・・・ガンダウルフみたいな髭なら許せるのに、なんでちょび髭なの!苛めですか!エルフへの憧れへの冒涜です!)


あたしは、もう只管に頭の中で悶えています。はっきり言って目は虚ろです・・・

その人は、そんなあたしにもちろんお構いなしに、最後は目の前に飛び降りました。そして・・・お腹が波打ってます・・・・弩級の破壊力です!


あたしは、その光景を目の当たりにして、膝から崩れ落ちました。知らず知らず目から涙が流れています・・・


「むぅぅ、お~~マイシスター!どうしたというんだ!何をそんなに涙する!」


あたしの前に跪いて、その人は心配そうにそっとハンカチを差し出してくれます。


(あぁ・・・よかった・・・・声はまともだ・・・・)


あたしは、初対面の人にそんな失礼な事を思いながら、でも妖精王オペロンのような低い渋い響きの声に、唯一あたしは安堵しました。


「アルルさん、相変わらずですね、真面目にそのキャラで通したんですね・・・」


「ギルマス、いやぁ相変わらず濃いいですね~久しぶりに見るとまた強烈です・・・」


「え~~っと、ギルマスお久しぶりです・・・・えっと・・・うん、丸いです」


「ふ、わたしのエルフへの愛を思えば当たり前のことだ!」


トモエさん、コジロウさん、そして、エリィさんが挨拶をされます。でも、特にエリィさん・・・なんか挨拶が変です。目が泳いでますし・・・・。あと・・・アルルさん・・・どこら辺にエルフ愛があるんでしょう?

どうやら最後の疑問をあたしはつい口に出していたようです。


「ん?わたしのエルフ愛がわからないかね?むぅぅ、まだまだわたしも修行が足らんな!そういえば初めましてかな?マイシスター、わたしの名前はアルル・エルフラブだ!」


なんか背後に どど~~~ん って効果が出ていそうな雰囲気です。あたしは、思わず周りに助けを求めて視線を彷徨わせますけど、みんな目を背けます・・・・、あ、案内してくれたエルフさんが目頭を押さえています・・・・


「長老、エルフ愛もいいのですが、話が進みません・・・」


ため息混じりにエルフさんが助け舟を出してくれたのですけど、それは逆効果だったようです・・・


「うむ!エルフ愛はいいものだ!見よ、彼女の可憐な姿を!スラリとした肢体、銀色にたなびく長い髪、慎ましやかに輝く銀色の瞳!甘く色ずく唇!慎ましやかな胸!うむ、美しい!美しすぎる!!!」


あの・・・あたしの手を取って立たせながら熱く語らないで欲しいです・・・みんながじっと見ます・・・


(あぅぅ~~~やめて~~~みないで~~~~、しかも慎ましい胸って・・・うわ~~~ん)


あたしは顔を真っ赤に染めながら、とっさにトモエさんの後ろへ逃げ込みました。


(胸は、夢を追いたかったのですけど、ついそれが出来なくてリアルに近いのに・・・それでも、少しはデーターいじったのに・・・)


あたしは泣きました。


「ふ、恥ずかしがりやのマイシスターだな、まぁ良い、おお、我が師でもあるコジロウ殿ではないか!久しいな!」


あたしは、精神的ダメージが大きく、ただ、ぼんやりとコジロウさんを見ました。


「うわぁ、コジロウってアルルさんの師匠なの?」


トモエさんが疲れた声で、なんか機械的な声で聞きました。うん、まるで、ただ話を逸らすために、でも、それも失敗だったと思います。


「うむ、コジロウは愛する種族は違えども、注ぎ込まれる愛の強さは私以上だ!コジロウはすごいぞ!かつて、猫耳を愛する男達が地下組織を作った・・・しかし、コジロウはそこへ単身乗り込み、そして、猫耳だけを愛することの空しさ、猫娘は猫耳のみにあらず、尻尾も最重要、肉球も捨てがたい!など真の猫娘愛を語りその地下組織を壊滅させ、猫娘を愛でる会へと昇華させたツワモノだ!わたしは、その逸話を聞き・・・・感動し滂沱の涙を流したものだ!」


滔々と語るアルルさんはうん、ぜんぜん空気読めてないですね・・・KYですね・・・

あたしを含め女性陣のコジロウさんを見つめる目が・・・・えっと・・・・うん・・・コジロウさんもだんだんと無表情になっていってます・・・・


更に、コジロウさんがいかに偉大だったかを滔々と語るアルルさんにコジロウさんが、バスターソードを引き抜き、大上段から振り下ろしました。


「ぬぉぉ~~~コジロウ!何を照れておるのだ!ツンデレか!いや、ヤンデレか!」


(あの・・・アルルさん・・・もう少し空気読もうねっていうか・・・思考がぶっとんでますよね?)


「アルル・・・・頼む・・・・俺の平穏の為だ・・・・死ね!」


(うわぁコジロウさんの目が・・・・・怖いです・・・・マジです・・・・)


あたしはお互いに剣で語り合ってる二人を見ながら・・・こんな人が長老をしてるエルフの街って大丈夫なんだろうかって思いました。それにしても・・・・アルルさんも流石に強いですね、コジロウさんの攻撃をすべて受け止めてます。

それにしても、また濃い人が出てきました・・・・

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