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3-7:ゴタゴタは王都へ

うん、ほのぼのはどこ?


しかも・・・主役の座が遙さんに奪われそうな勢いですね・・・・


がんばれキュアちゃん!

「う~ん、こちらに一切何も言わず不意打ちでの攻撃、これは私が所属するイグリア王国への攻撃と判断してもいいのですよね?迷いの森のエルフさん達」


遙さんはまるでご馳走を前にしたような表情でエルフ達に尋ねました。しかし、彼らは一切の返答をする事無く更なる矢をつがえ攻撃をしてきました。


「殲滅せよ!」


「「「了解!」」」


ユパさんと遙さんが一気に前に出ます。それに併せてエリーティアさんが支援魔法を飛ばしています。そして、後方からデュランさんが魔法を発動しました。

ユパさんは、相手の攻撃をまったく意に介さないように無造作に突撃を掛けて相手の前衛に攻撃をしかけました。ユパさんは自分の背丈くらいもある巨大な剣を大上段から振り下ろします。その剣先に一瞬ですが魔法の盾のようなものが浮かび上がったのですが一瞬でその盾は消滅してエルフ一人を切り伏せました。

その隣では遙さんも同様にして一人のエルフを切り捨てました。

エルフ達は戦闘が始まると同時に20人全員が散会して、あたし達を包囲するように配置を変えようとしていました。しかし、あまりにもあっさりと二人のエルフが切り伏せられた為、動揺がはしり動きに迷いが生じました。そこにデュランさんの攻撃魔法が炸裂し、3人のエルフが吹き飛ばされました。正に一瞬の間に5名のエルフが無力化されてしまいました。


あたしは、突然の戦闘開始に戸惑いましたけど、エリーティアさんと同様に推定淑女ギルドのメンバーに支援魔法を掛け始めました。トモエさん、コジロウさんも遙さん達から一瞬遅れて突撃を開始しています。あたしはエリーティアさんに支援魔法を掛けたときにエリーティアさんと目が合いました。


(うぅ・・・一瞬エリーティアさんと目が合いましたけど・・・・どういう意味なのでしょうか・・・・)


あたしは、何が起こるかわからない為、エンジェルリングを発動しました。そしたら、まるでそれを待っていたようにエリーティアさんがあたしの横に寄ってきました。


(う~ん・・・トモエさん達から聞いてるのかな?・・・防護壁認定されてるわ・・・・・さっきのは早くエンジェルリング出せっていう意味だったのね・・・・)


なんか本来のヒーラーとはかけ離れた認定をされている気がするんですが、もう諦めました・・・


その後、トモエさん達推定淑女メンバーが5人、ラビットラブリーのメンバーが更に8人のエルフを倒して残り2名のなった時には逆にあたし達がその2名を包囲する形となりました。

エルフ2名はなんとか逃げようとはしたのですが、遙さんとトモエさんの剣に足を貫かれて逃げることが出来なくなりました。それにしても、すごい強さです、コンビネーションです。


「さて、指揮官っぽいのは真っ先にご退場いただいたからしょうがなくあんた達に聞くけど、どういうつもりかな?事と次第によってはあたしらの国と戦争になるけど?」

でも、エルフ達は口を閉ざしたまま何も語ろうとはしません。


「ふ~ん、それならそれでいいよ?うちの騎士団総動員で迷いの森のエルフ狩しましょうか。あんな結界壊そうと思えばいつでも壊せたけどあそこはエルフ領との事で手を出さなかっただけだからね。ユパ、ラビットラブリー全員にここへ集結させるように指示をだして。それと、秋津洲国王陛下にエルフ領を壊滅させる許可を取ってきて。うちだけで可能だと思うから陛下もすんなり許可してくれるとは思うからさ」


遙さんは嬉しそうに言い、ユパさんに指示を出しました。


「久しぶりの殲滅戦ですね」


「うん、禍根を残すと拙いから、一人残らず殺しなさい。この者達は自分が引き起こした代償を見届けてもらいましょう。それまでは死なせないように!」


「了解しました、すぐ王都へ転移しラビットラブリー総動員を掛けます。」


あたしは、二人のやり取りに恐怖を覚えました。多くの命を奪う事になんの躊躇もないその姿は、普段の二人からは想像もつかなかったのです。それと、今目の前で倒れているエルフ達から流れる血の臭いに気分が悪くなってきました。


ユパさんはエリーティアさんに王都までの転移陣を発生させるよう指示しました。

その時、エルフの2名のうち1名の小柄な女性のエルフが掠れ掠れの声で言いました。


「ま、まって!誤解だ!わたしたちは契約に従ってこの村を守ろうとしただけだ!」


(・・・・村を守る?)


その言葉の意味がわからずあたしは違和感を感じました。

その時です、村の人が突然走ってきてそのエルフを切り伏せようとしました。

でも、コジロウさんがその前にその人の剣を弾き飛ばしました。


「おいおい、突然何をするつもりだい?こっちの大事な証人を勝手に殺そうとするとは油断できないねぇ」


「くぅ・・・・・」


剣を弾かれた衝撃がよほど強かったのか、男は剣を持った手を押さえながらコジロウさんを睨みつけました。

コジロウさんは、その男を睨み返すと蹴り飛ばしました。


「ふふ~~~ん、どうやらこのエルフさんに話されると拙いことがありそうね。楽しみだなぁ」


「おい、エルフのお嬢さん、こんな奴らに義理立てしても損だぜ?どういう事か話してくれよ。悪いようにはしないぜ?そうでないとまぁ迷いの森はコルトの森の二の舞だな」


「ちょっと待ってくれんかね、この村で起きたことは村長であるわたしに決定権がある。お手数だがそのエルフはこちらで取り調べるのでお渡し願おう。これは自治権にも関わってくる。それとも、イグリア王国所属のこの村も滅ぼされますかな?それこそ国に対する反逆だと思いますがな」


そういうと村長は村の男達に指示をして、そのエルフ2名を引き立てて行くように指示しました。


今までの笑い顔が嘘のように無表情で遙さんは村長を睨み返しています。

そして、村の男がエルフに触ろうと手を伸ばしたとき、遙さんは無造作にその腕を切り飛ばしました。


「ぎゃ~~~~~~~~~~~~~~」


男が腕を押さえ転がりまわるのを村長も、村の男達も呆然と見詰めていました。そして、ロダンさんとアリーゼさんが武器を構えて前に出てきました。


「おい、どういうつもりだ?正直敵うとは思えんが、こっちも村の仲間がやられて黙って見ているわけにはいかないんでな。理由を聞かせてもらえんか?」


「ロダン、何をしておる!そいつらからエルフを奪うんだ!」


「村長、無茶を言わんでもらいたいな、俺とアリーゼ二人掛りでも一瞬で殺されちまうだろうぜ、強さの次元が違うって・・・」


あたしは、今までの展開で、事の首謀者というか黒幕は恐らく村長さんなんだろうなぁって思いました。そして、遙さんが先程気にしていた税金の不正流用も村長さんで間違いないと思いました。でも、なぜエルフがこの村を守らないといけないのか、又、その契約の内容は?っと疑問を持ちました。


(エルフを嫌っている村人、でも、エルフに契約で守られている村・・・・すっごい変です)


「あのさぁ村長さん、あんまりうちらを舐めてもらうと困るんだよね?村の自治?決定権?何馬鹿な事を言ってるの?なんでそれがあたしよりそっちのが上なのさ?悪いけどさ、あたしに対して命令出来るのは国王のみなんだけど?ユパ、この二人のエルフを王都へ護送する。あわせて、国家反逆罪にて村長を拘束、同様に王都へ連行する。村長の拘束容疑は税金の不正着服及び他国への内通容疑!」


「はっ!直ちに拘束、連行準備」


「ば、馬鹿な!何の権限が!」


「あのさぁ、頭悪いの?さっきから言ってるじゃん、あたしら国王直属なんだって」


動揺する村長にデュランさんが拘束の首輪を掛けました。

村の人達は、どうしていいのかわからないまま、ざわついています。


「あ、ロダンだっけ?あんた通達あるまで村長代理ね」


「は?俺?」


「うん、他よくわかんないし、まぁあんたも一味っていう可能性もないことは無いけど、まぁ一味ならあたしらが戻ってくるまでにどっか逃げといて、面倒だから」


「すっげぇ雑だな・・・・」


ロダンさんが呆れたような顔で遙さんを見ます。遙さんは笑いながら倒れているエルフを一人一人確認します。


「ふむ・・・エリーティア、キュアちゃん、悪いけど倒れてるエルフ全員にヒールしてあげてくれるかな?今のところ全員まだ死んでないからさ」


「え?あれで死んでないの?」


「まぁね、一応麻痺系の武器使ってるし、それに状況わからないまま流石に殺すわけにはいかんでしょ?それこそ国家間の問題になっちゃうからね。あたしでも一応そこは気にしてるさ。という事でこんなに輸送できるほど馬車の空きもないからこの村の馬車を徴収させてもらおう」


ざわめきはより大きくなりましたが遙さんの次の言葉で静まり返りました。


「税金が国の規定に戻れば楽になるんだからいいじゃん、借りるだけなんだし」


その後、馬車の準備をして、屋根なしの荷台に重傷者を乗せて、軽傷の者は鎖で繋いで馬車で引っ張ります。

あたしはまりすさん達留守番組と合流して状況説明と、まだ安全が確保出来たのか不明な為にサラちゃん達を連れて行く事にしました。本人達もついていきたがっていますし。


ユパさんがエリーティアさんの転送陣で先に王都に戻りました。王様に報告に行くそうです。


「あの、みんなも転送すればいいのではないの?」


「ここにいるみんなが王都に行った事があれば問題ないけどね、そうでないと無理!」


「あ、そうかぁ・・・・じゃあ応援をこっちに呼べないのはラルク村に来たことが無いから?」


「うん、まぁ数人は恐らくこっちへ寄越されると思うけどね。うちも伝言たのんだからダイブツが来るよ」


あたしは納得をして、王都行きの準備をしました。そして、昼過ぎにダイブツさんとラビットの人2名を追加してラビット5名、淑女5名、あたしとサラちゃん、ルカちゃんで13名とエルフさん20名+村長1名の大所帯のキャラバンが完成!出発しました。

すっごい不安満点な道行きですね。

村で何が起きているのかはまだ放置ですね・・・


まず王都へですけど、道中にも問題が起きるでしょうねぇ・・・


誤字訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

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