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3-3:お菓子を作りましょう

お菓子の作り方にどこまで凝ろうかちょっと悩みました。


でも、セオリー通りこっちではお菓子がまだあんまり発展していないという予定でいます。


あと、団長ことハルカさんですが、本人はハルカって言っていますがMMO時代は遥というキャラクターでした。あとで、そこらへんの説明も入れる予定です。


サラとルカを見送って、あたしはフライパン片手に台所に来ました。


「う~~ん・・・・物が置いてある場所がわかんない・・・」


まぁ住んでいた訳じゃないし、とりあえずフライパンは調理台において、周りをゴソゴソします。

で・・・・あまりの物の少なさに愕然としました。


(うわぁ~~玉葱3個とお塩しかないわ・・・・)


調理器具も何かすっごい使い込まれた、悪く言えば錆が所々に浮いているフライパン、そこの浅い鍋が各1個のみです。木で作ったお玉がありますけど、あと菜箸とかは無いです。まぁお箸は使わないっぽいですからあたりまえでしょうか。


とりあえずどうしようかなって悩んで、前に作った料理はどうなってるんだろう?って所持品枠から呼び出してみます。


「おぉ~~~普通に暖かい料理が出てきた!」


あたしが、昔作った鳥肉シチューは湯気を立てて目の前にでてきました。

便利は便利なんですけど・・・・何か納得できないような複雑な気分です。


(でも、所持品から出したら腐ってて異臭を放っていたらって考えるとこっちのほうが良いよね・・・)


あたしは怖い考えを振り払って、まずそのシチューを口にしてみました。


「うん、普通に美味しい!」


あたしは、NPCが作ったものとはいえ、サラちゃんとルカちゃんに愛着が沸いてきていたので申し訳ない気分でタマネギのシチューを悩みながらも捨てさせていただきました。

せっかく作ってくれたんだから、何かに使おうかとか、我慢して食べようかとか悩んだんだけど、どうしても口に合わなかったんです。

色々と悩んだんだけど、上手く思いつかなかったのです。

せっかく作ってくれたんだし・・・でも、ってすごく悩みました


そして、パンを鶏肉のシチューに浸しながら朝食を済ませました。


所持品からハーブティーを取り出して、これからどうしようか考えます。そして、先のシチューでの罪悪感もあって、二人に何か食べさせてあげようって思いました。


(まずは、サラちゃんとルカちゃんが帰ってきた時に何か食べさせてあげたいな。っていうと・・・お菓子かな?甘いものは好きそうですし)


あたしは地下に降りて、道具箱から料理用のアイテムを取り出しました。


(えっと、クッキング帽と、エプロンと・・・・新妻の服は調理マイナス補正だっけ?)


あたしは、まず装備を調理ブースト補正付きに変更して、そのあと食材を取り出します。


(卵、ミルク、バター、砂糖、薄力粉・・・うん、材料は足りるかな、問題はオーブンだけど、魔法でなんとかなるのかなぁ?調理スキルにあるスポンジ作成やケーキ作成がVRだとどうなるんだろう?)


とりあえずはと材料を台所に持ち込んで、まずはテストも兼ねて、シフォンケーキの作成を開始しました。


「よし、シフォンケーキ作成!」


あたしがスキルを発動したとたん頭の中に作業手順が浮かんできました。

まず、黄卵と砂糖を良く混ぜて泡立てて・・・・油とお水を入れて・・・薄力粉をいれて・・・

作業方法以外にも、あ、これくらいでいい、次はっていう感じで加減までわかります。

そして、型を取り出して、出来上がった生地を流し込みました。


その後、どうやって焼き上げるんだろうって思っていたら、目の前にある料理用の石で出来た釜に入れて、その後その中にある紋章に魔力を込めるみたいです。


(この魔力量によって火力が変わるのかぁ・・・・)


ただ、定期的に覗いて火力調整をしないとみたいなんですけど、でもこれがオーブンの役割をしてくれるみたいです。この釜は魔力のある人向きで、魔力のない人には火炎石を使った物もあるみたいです。そっちのほうは高価みたですけどね。


(うわぁ、これは便利だわ・・・・でも、サラちゃんはここに普通に薪をいれてたような?)


あたしは、昨日お茶を入れてくれたサラちゃんの様子を思い出していました。

シフォンケーキが上手に焼けたので、次はクッキーを試してみました。何か今までMMOでは実感できなかったお菓子作りが今はダイレクトに体験できるので、つい調子にのっていくつものお菓子を作成してしまいました。


気がつくと、机の上にはシフォンケーキ、クッキー、チーズケーキ、フルールタルト、そして、今クリームを塗っているショートケーキ(イチゴ抜き)がありました。


(う~~作り始める前に苺が無いのに気がつくべきでした・・・)


とりあえずスポンジの間にはイチゴジャム(前に作ってあったもの)を塗ってありますけど・・・物足りないなぁっと思っていると、サラちゃんとルカちゃんが帰ってきました。


(あれ?帰りは夕方になるって言ってなかったっけ?)


あたしはそんな事を思いながら今完成したショートケーキもどきを手に持って机に向かいました。

机の上のお菓子に嬉しそうな声をあげている二人に、思わずこちらも顔をほころばせてしまいます。


「あら?サラちゃん、ルカちゃんお帰りなさい。聞いていたより早かったね~」


あたしが二人に聞くと


「あ、ただいま帰りました。あ、あの・・・これってお菓子でしょうか?」


「あ、うん。見たことなかった?ちょっとお菓子を作り始めたら調子に乗って作りすぎちゃった」


あたしは、そう話しながら手に持ったショートケーキもどきを机に置きます。


「座ってていいよ、今紅茶を入れるから一緒に食べよ?それともお腹すいてない?」


「食べる!」

「た、食べます!」


ルカちゃんが元気よくお返事をしてくれました。サラちゃん声を弾ませてお返事してくれました。

あたしは、台所で手持ちの紅茶を取り出して(目の前で所持品から出すのはなんか躊躇われたので)コップと一緒に机に戻りました。

サラちゃんも取り皿と木製のフォーク3個持って机に並べていきます。


「戻りは夕方ごろって言ってたから、もう夕方なのかとびっくりしたわ」


あたしが、椅子に座りながら言うと、サラちゃんが慌てたように言いました。


「あぁ~~!あ、あのキュアリー様、お客様です!今、家の外で待っていただいています」


「え?」


あたしは、ちょっと吃驚して窓から家の外を覗きました。


(あれ?どこかで見たような?)


あたしは、外にいる4人の人を眺めました。そして、とりあえず扉を開けて外に出ました。


「あ、キュアちゃんだ~~~やっほ~~~」


やたらと派手な鎧を着た女の子が手を振って来ます。


「あれ?もしかして遙さんです?それにエリさんも・・・」


あたしはMMOのキャラクターでしか見たことの無い知り合いが目の前で立っている事にびっくりしながらも、その派手な鎧でまず間違いないのではって思いました。


「うん!とりあえずお家に入れて~~プリ~~ズ」


あたしは、一旦家の中に入って結界石を停止しました。そして、改めてみんなを家の中に招き入れました。


「「「「おぉ~~~ケーキだぁ~~~!」」」」


家の中に入るなり、四人は一斉に叫びました。


「あ、はぁ・・・とりあえずお茶を用意しますけど・・・・椅子がっていうか机のスペースも足りないですね・・・・」


遥さん達4人とわたしたち3人。でも机には4人しか座れません。詰めれば6人分は置けるかもですけど、椅子が4脚しかないしであたしが、そういうと


「あ、問題ないよ~~」


と言っている間にユパさんとデュランさんが所持品から携帯用?の小さな机と椅子を取り出しました。


「ふっふっふっ・・・・何って運が良いのでしょう!丁度ケーキが出来たときにお邪魔出来るだなんて、さすが私!」


何か自己陶酔に浸って見える遙さんを置いといて、あたしはエリーティアさん達にご挨拶をしています。


「みなさんもこちらに来られてたんですね」


「ええ、私達もキュアリーさん達の優勝した武闘大会から数えて5回前の大会で優勝しまして、それでこっちに」


「キュアリーさんは来たばっかりですよね?」


「あ、はい、昨日の夜にINしたばかりです、でも、突然システムの不具合でログアウト出来なくなってて困ってます」


あたしが、苦笑まじりに答えると、エリーティアさん達は戸惑ったような顔で遥さんを見ました。

そして、遥さんはいつの間にかケーキを取り分けようとしていたナイフを止めて、あたしを見ていました。


◆◆◆


「うわぁ、やっとラルクの村が見えてきたぞ!」


「結局目標のモンスター探すのに迷いの森のすぐ傍まで行かないとダメでしたから、予想以上に時間かかりましたねぇ」


「うぅ~~~誰よ、ラルク村にいくついでだからってこんなクエスト請けたの!」


「いや、それマスターだから・・・・」

「うん、トモエさんよね~」

「報酬安いし、意味無いって言ったのにね・・・・」


「うわぁみんなあたしに押し付ける気!」


「「「いや、押し付けてないし!」」」


「ハモルなお前達!」


そんな騒ぎの中、馬車はラルク村の門のそばまできました。すると、門の前に何やら男達が倒れています。


「ん?」


「何だこいつら?」


「あまりガラの良くなさそうな人達ですねぇ・・・」


「邪魔だなぁ・・・・道の脇にどかしといてよね~」


そう言いながらも巧みに綱を捌いて男達を避けて行きます。

その男達をじっと見ていたトモエは


「やばい・・・・・遙が来てる!」


「は?遥ってラビットラブリーの北山遙?」


「うん、さっきの連中の倒され方が遥っぽい」


「まずいですねぇ、先越されましたか・・・・」


「とりあえず急いで!」


そう言うと馬車はスピードを上げて村に突入していきました。

トモエ達も出てきました。


あと、ついにキュアリーちゃんに真実が伝わる?


作中でスープを捨てる事はわたしも悩んだんですけど、本人はVRを良く知らないためリアルとゲームでの境が曖昧になっています。

そして、それで美味しくないし、捨てようって思う心理の中に、まだサラとルカがNPCだっていう意識がどこかにあるんです。っていう設定です。


わたしもどっちにしようか悩んでたのでいたので、ここに設定の説明をいれさせていただいて、少し文章を変更しました。


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