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3-1:賑やかな訪問者?

3章から一気に登場人物が増えます。

そして、お話も進んでいく・・・はず?

あと、一人称ながら、同時進行で進めていくような書き方を試しています。読み辛いでしょうか?


(う~ん、ベットとふかふかのお布団って慣れてないからか体が痛くなる・・・)


あたしは、ベットからもぞもぞと起き上がって椅子に座りなおしました。

う~~~っと伸びをして、まずはシステム画面の確認です。


(まだダメかぁ・・・・・)


ちょっと気分は落ち込みます。


(昨日は、とりあえず自分の住む家を確保?しましたけど、これからどうしましょうか・・・まぁ帰れるまではとりあえず作業場作成ですかね。他に特にやりたいことは今はないですし・・・)


あたしが、そんな事を考えていると、ドアを遠慮がちに叩く音がしました。


「あの、キュアリー様、起きてみえますか?」


「あ、うん、入ってきていいよ」


すると、サラちゃんとルカちゃんが部屋に入ってきました。


「あの、あたし達はこれからロダンさんの処へ馬の世話をしに出かけますので、朝食は下に用意してありますのでお召し上がりください」


「ん?サラちゃんたちはもう食べたの?」


「はい、もう済ませました。食器は流し場において置いていただければ、後であらいますので」


「あ、うん、わかった~ありがとうね」


「では、いってきます」

「いってきます~」


「あ、待って!」


あたしは急いで所持品から水晶のネックレスを出すとサラちゃんに渡しました。


「これを持っててね。あたしの魔力が入ってるからこれで結界の出入りが出来るようになるから」


「あ、あの・・・高価なものでは・・・」


「そんな事ないよ、前に住んでたところの傍で拾った水晶に自分で加工したものだから。ただ、無くさないように気をつけてね、それがないと家に入れなくなるから」


あたしは笑いながらルカちゃんの首にも同様のネックレスを掛けてあげました。


「うわ~~綺麗!」


ルカちゃんは込められた魔力によって色が様々に変わる水晶に大喜びです。


「あ、ありがとうございます・・・では、行って来ます」

「いってきます~おねえちゃんありがと~」


あたしも二人を見送りがてら1階に降りました。

そして、机の上を見ると・・・・・


(うわぁ・・・・あのパンとスープだ・・・・)


昨日のパンが1個と、タマネギのスープ(今回はジャガイモ無しです)でした。


(むぅぅ、今日はまず食事の改善からだね!)


あたしは台所へ向かいながら、先日作ったフライパンを取り出しながら思いました。


◆◆◆


キュアリー様に出かける挨拶をしたあと、いつもの様にルカと連れ立ってあたしはロダンさんの家に向かいます。ロダンさんとアリーゼさんに昨日ご馳走になったお礼を言って、昨日帰ってからの事をちょっと話して、そして厩舎に向かいました。

2頭の馬に飼葉をあげて、寝床の藁を掃除しているとロダンさんが馬を連れに来ました。また近くの土地を農地にするために馬に鋤をつけて耕すのだそうです。少しでも農耕が可能な場所を増やさないと作物は年々収穫量が減ってういるそうです。


今日、あたしとルカは森の傍に薬草を探しに行く予定なのでロダンさんにその旨報告をして、村の入り口へと歩いていきました。

あたし達が村の門をくぐると、あたし達の前に突然複数の男の人達が立ちふさがりました。


「よう、サラ」


その男達の真ん中に立っているカイルのニヤニヤ笑いにあたしはとっさにルカを連れて今来た道を戻ろうとしました。そしたら、村の門の前も別の男達に塞がれて囲まれる形になってしまったのです。


「おいおい、逃げようとするなよ、気分が悪くなるぜ」


「な、何かごようですか?」


あたしは、怯えたルカがあたしにしがみ付いて来るのを庇いながら、カイルに聞きました。


「おう、お前の家に今エルフがきてるだろう、それでな、昨日行こうとしたら近くに近づけなくてよ、なぁどうすればあの変な結界を通れるのか教えてくれよ」


「そんなの知りません!」


あたしがカイルの質問に答えを返すと、カイルはニヤニヤ笑いを引っ込めて凶暴な顔つきであたしの腕をとりました。


「おい、嘘を付くとは良い度胸だなぁ、あぁ、お前が今日問題なく家から出て来るのをこっちは確認してるんだ!いいからさっさと教えろ!」


あたしは、腕を払いのけ、ルカの手を取って逃げようとしました。でも、腕を払いのけた瞬間、頬に激しい痛みを感じて転倒してしまいました。


「おいおい、こっちが優しくしてりゃぁ甘く見やがって。おい、あんまり強情な態度を見せるとルカが痛い目にあっても知らないぜ」


「お姉ちゃん!!!」


あたしが倒れるのに巻き込まれて、同じように倒れて泣き出したルカを男達が引きずりあげました。


「やめて!」


あたしが、咄嗟に叫んだとき


「あ~~~んパ~~ンチ」


そんな声が聞こえたと思ったとき、突然目の前からカイルが2メートルくらい吹っ飛びました。


「え・・・・・?」


呆然とするあたしの前で、今度はルカを押さえつけようとしていた男達が次々に吹っ飛ばされました。


「いやぁ団長、その技の名前まずいですって、色々と・・・・」


真後ろから聞こえた声にあたしが振り返ると、後ろにはいつの間にか鎧姿の大きな男の人が立っていました。そして、あたしの目の前には極彩色の鎧をつけた小柄な女の子が腕を空に突き上げるような格好で立っていました。


「ユパ!細かい事うるさい!」


その女の子はそう叫ぶと、突き上げた腕をぐるぐる回して周りを威嚇しています。


「な、なんだお前ら!邪魔するんじゃねぇ」


あたし達を取り囲んでいた男達は一瞬呆然としていましたけど、我に返っていっせいにその鎧姿の男の人と、女の子に殴りかかりました。


「あ~~んパ~~ンチ」


女の子は、再度叫び声をあげると、また一瞬で殴りかかってきた男を殴り飛ばしました。

鎧姿の男の人も、腰に装備している剣を抜く事もせず、次々に男達を殴り飛ばしています。


「あ・・・・・・」


あたしが気がつくと、周りに10人もの男達が殴り飛ばされて気を失っていました。


「ふん、成敗!」


女の子はもう向かってくる相手がいないのを確認すると、そう言い放ちました。


「団長、突っ走るのは良いのですが、他の連中が来てからにしてください」


「はぁ?ユパ、あんた頭おかしくなった?目の前で女の子が暴力を振るわれてて止まれるわけないじゃん!」


その女の子は、気絶して倒れているカイルをゲシゲシと蹴飛ばしながら言いました。


「あ、あの・・・助けていただいてありがとうございます」


「ん?あ、気にしないでね~あたしは女の子に手を出すような屑が嫌いなだけだから」


その女の子はあたしの顔をじっと覗き込みます。


「あちゃぁ、ほっとくと腫れちゃいそうだね、ユパ!エリーティアまだ戻ってこない?」


「はぁ、食べ物を確保しに行ってるのでまもなく戻ってくるかと」


「そんなのデュランに行かせとけば足りるのに・・・まぁいいか・・・・。あたしはハルカって言うんだけど、お名前聞いてもいい?」


「あ、サラと言います。この子は妹のルカです」


あたしは泣きながらあたしにしがみ付いているルカを優しく撫でながら答えました。


「うん、よろしくね~サラちゃん」


その人は、先ほどまでの男達への顔付きと打って変わって優しく笑いかけてくれました。


「あのね、サラちゃん。あたし達この村に人を探しに来たんだけどキュアリーさんっていうエルフのお姉さんしらない?」


あたしは、予想もしなかったキュアリー様の名前に吃驚しました。


「あ、あの・・・昨日この村に来られました・・・けど・・・」


あたしの返事を聞いて、突然ハルカさんはガッツポーズをしました。


「うんっと、あたし達以外にもう誰かキュアリーちゃんを訪ねてきた?」


あたしは、突然キュアリー様の呼び名がちゃん付けになった事に驚きながら、まだ誰も来ていない事を告げると、またもやハルカさんはガッツポーズを2回も行いました。


「おっしゃ~~~勝った!悪いけどサラちゃん、お姉さんをキュアリーちゃんの所に案内してほしいなぁ~」


「は、はい・・・・」


とてもお姉さんっていう感じはしないですけど、あたしはハルカさんとユパさんを連れて、やっと泣き止んだルカと一緒に家に向かいました。


ちなみに・・・殴り倒されて気絶した男達は・・・・誰にも介護されることなく道路の真ん中で放置されていました。


(ざま~~みろです!)

とりあえずまず登場したのはトモエさん達じゃなかったですね~

予定通りではあるのですけど(笑)


これから賑やかになっていきます。


それにしても・・・お爺さんに言われてたのにカイルは懲りないですね!

いい気味ですね~

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