2-10:知らない出来事
やっと2-10になりました。
色々と速度を速めて物事は進んでいく・・・・といいなぁ
あ、あと、誤字のご指摘ありがとうございます。
名前の間違えた箇所修正しました~ご指摘ありがとうございます
適時訂正させていただいております。
あたし達が、ロダンさんの家で食事をしている時、幾つかの事が同時に起こっていたようです。
まず1つ目は村長さんの家に数人の若い男の人が押しかけていました。
「村長!まさかこのままあのエルフを村に住まわせるつもりじゃないだろうなぁ」
「ほう、おかしな事を、あの方はお前よりもずっと昔からこの村の住人だが?」
「冗談はやめろ!エルフなんか認めんぞ!」
「そうだ!」
「エルフなんかと一緒に暮らすつもりは無い!」
男達は、村長につめより威圧しています。でも、村長は何処吹く風といった様子で飄々としています。
すると、男達の後ろから一際体の大きな男が前に出てきました。
「だいたい、迷いの森を作って俺達を締め出したのはエルフの方だ。そのせいで俺達は苦しい生活をしている。
それなのにのうのうとあっちは村に住もうっていうのか?それは虫がよすぎないか?」
男達の代表っぽい男が村長に皮肉交じりに言いました。しかし、その目は決して笑っていません。
「カイル、お前かこの騒動の首謀者は」
村長は、突然気配を一変してカイルを睨みつけました。
「おいおい、怖い顔するなよ爺さん。おれは間違った事を言っちゃいないと思うがね。エルフに恨みがあるのは俺達だけじゃないと思うぜ」
「ふん、ワシの威を借りるしか脳の無いくせにえらっそうな言葉を吐くものよ。あの息子にしてか・・・まぁあんな息子にした責任はワシにあるがのう」
「五月蝿えよ、このクソ爺・・・・碌に村にもいなかったくせに親父の事を口にするんじゃねぇ!」
カイルは暗い怨念の宿ったような目つきで村長をにらみつけ、そして・・・不意にニヤリと笑った。
「まぁ、家が無くなっちまえば住むも何もないがな」
「お前達・・・・何かしたのか?」
村長が問いただすが、カイルも周りの男達もニヤニヤ笑うだけで何もいう気配は無い。
村長と男達が睨み合っているとき、外から新に2人の男達が家に飛び込んで来た。
「カイル!駄目だ、火を付けるどころか家に近づく事すらできねぇ」
「試しに石を投げても見たが途中で跳ね返されちまう」
男達の言葉に、村長はカイル達が何をしようとしていたのかを察した。そして、男達の行いによって起きたかもしれない可能性について考え恐怖を感じた。
「お前達・・・・火を付けようとしたのか・・・・何って事を・・・・」
カイルは男達を睨み据え黙らせると村長に向かって答えた。
「おいおい、人聞きの悪いことをいうなよ、証拠はあるのかい?まぁ最近は空気も乾燥しているし、何かの拍子で火事が起きてもおかしくはないがな」
「馬鹿なことを!貴様ら村を滅ぼすつもりか!あの方はかつての武闘大会の覇者のお一人だぞ、それがどういう事か理解しているのか!あの方がその気になればこんな小さな村を焼き滅ぼすことなど造作も無いぞ!」
男達が村長の言葉に動揺する中で、馬鹿にしたような顔でカイルは言った。
「おいおい、耄碌爺。いくらエルフだからって言ってもあんな小娘一人にそんな事できるわけ無いだろうが・・・俺達を止めたいならもっとマシな嘘を言いな」
「相手の実力も測れない素人がほざくな!小娘だと!あの方は少なくとも70歳は越えておるわ!エルフが見た目通りの年では無いことなど常識だろうが!」
男達に更に動揺が走りました。
「わしや、ロダンですらおそらく相手にもならん、一瞬で殺されるじゃろうな」
かつては冒険者として名を成した事もある村長の言葉に男達は黙り込みました。
◆◆◆
2つ目は村の人も誰も気がつかない間に静かに動き始めていました。
あたしの家の周りで、村の男達が家に近寄ろうとして近づけず、石を投げつけて結界の位置がわかると、思い思いの武器で結界を叩きますが一向に壊れる気配がありません。
「くそう、ぜんぜん近づけねぇ・・・・」
「腕が痺れてきたぞ・・・・」
「あのエルフがいない間に家を燃やそうと思ったのだが、そう甘くはないか」
「駄目だな、とりあえず俺はカイルに報告してくる、お前達は今日の所は解散しろ、別に焦る事じゃないからな、近寄れないなら別の方法を考えればいいだけだ」
その中で男達が思い思いに解散していく様子を遠くの物陰からじっと観察する2組の視線があった。
お互い気配を消しており、相手に気がつくことなくあたしの家をじっと監視しています。
「ふむ、どうやらエルフが現れたのは間違いが無いようだな、問題は・・・それが誰かという所か・・・・とりあえず団長に報告だな」
そういうと男は気配を殺したまま、静かに闇の中に消えていきました。
「森の木々が騒ぐから来て見ればエルフがあの家に住み始めるようね・・・」
そのまま、家を観察していると、人族の子供と連れ立って歩いてくる人影が見えた。
「あれかな?ふ~ん、遠目ではよく見えないけど、とりあえず試してみるかな」
「サーチターゲット!」
ターゲットのステータスを確認する魔法を発動し、確実に手ごたえを感じたのだけど、肝心のステータスは何一つ見ることができなかった。
そして、魔法を感知したのか、突然こちらを凝視してくる。
(うわ~~まずったわ・・・・これはあたしよりぜんぜんLvが高いね。とりあえず長老に報告かな)
こちらも同じように気配を殺しながら慎重に後退りをし、闇の中へと消えていった。
◆◆◆
そして、こちらはラルク村に向かっている一台の馬車
「ねぇマスター、そろそろクエスト消化しないと期限がやばそうだよ?」
「そうだよな、この辺はMOBをぜんぜん見ないからなぁまじめに探さないと見つからないぞ?」
「う~~~だってさぁ、MMOじゃぁそれこそラルク村近辺そこらじゅうにいたじゃん!なんでこっちでは居ないのさ!詐欺だよ!!!」
「まぁそうですねぇ・・・もしかしたらエルフの森への立ち入りが出来なくなっているっていう所に関係があるかもしれませんね、とりあえずラルク村で情報収集をしましょう」
「もともとラルク村へ向かうついでに受けたクエストですし、まぁまさか1匹も見かけないとは予想もしていませんでしたけど」
尚もぶちぶちと文句を言う少女を周りは宥めながら、賑やかにその集団の乗った馬車はラルク村へと速度を速めました。
やっと2章が終了しました。
これから3章に入ってキャラも増え、ドタバタしていく予定です。




