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2-9:あたしなりの理由

えっと、それこそ好き嫌いが思いっきり出そうなお話になっちゃいました。


とりあえずキュアリーちゃんなりの考え方ですね~


ルカちゃんはトコトコと嬉そうに部屋を走っています。

その様子を、みんなも釣られるように微笑みながら眺めていると


「あ、あの・・・・キュアリー様、治療費は時間がかかっても必ずお支払いします。本当にありがとうございました・・・」


サラちゃんは、目にいっぱいの涙を浮かべて、喜びを顔じゅうに浮かべながらお礼を言って来ました。


うわぁ~~って・・・後で一回話し合いましょう・・・なんか様付けされると暴れたくなりません・・・?


「うん、お礼は素直に受け取るね。でもお金はいらないよ、だいたい治療費っていっても値段なんてわかんないし」


「で、でも・・・・・・」


サラちゃんは戸惑った顔をして、あたしを見ています。ロダンさん、アリーゼさんは口を出す問題ではないって思っているのか、こちらを見て黙っています。


「別に、特別な事をしたわけじゃないし、たまたまあたしがいて、あたしが治癒が出来た。ただそれだけ。もし、サラちゃんがこの村にいなかったら、もしあたしがこの村にこなかったら、結局そういう事。つまるところ運が良かったんだね」


恐らく、治療費の相場っていうのはすごい金額なんでしょうね。でも、いついなくなるかわからないし、月々貰ったとしても意味はないしね


「あたしは、怪我が治って喜んでるルカちゃんを見られて嬉しい。ルカちゃんもサラちゃんも怪我が治って嬉しい。みんな嬉しいでいいんじゃない?それ以外は無粋かな」


「お姉ちゃん治してくれてありがとう!」


サラちゃんとあたしが話していると、ルカちゃんがあたしの傍にきてお礼を言ってくれました。すっごい綺麗な笑顔でした。あたしも思わず笑い返します。


「どういたしまして」


あたし達の話が一段落したのを見極めて、ロダンさんが嬉しそうに話し始めました。


「しかし、キュアリーさんが治癒士である事をみんなに話したら大歓迎されますね」


「あ、ごめん、あたしが治癒士だっていうのを村の人に言うのはやめて」


「え?」


ロダンさんは不思議そうな顔をしました。

でも、これは譲ることの出来ない境界ですから。


「あたしは、治癒士を商売にするつもりはありませんし、だから無関係の人を率先して治す気はないですよ?」


「いや・・・でもどうして?」


「一般的にあたしは、他人と関わることが好きではありません。他人に自分の行動を阻害されるのも好きではありません。だから、特に村の人と交流を深めようとは思っていません。それに、村の人もあまりあたしと交流を持ちたそうには見えませんでしたしね」


あたしの言葉にロダンさんもアリーゼさんも複雑そうな顔をしています。


「人は別に人族ヒューマンに限ったことではなくってですけど、自分に都合の良い考え方をするってあたしは思っています。たとえば、あたしが治癒をしても、間に合わず自分の最愛の人が死んでしまったら、おそらくその人はあたしを恨むでしょう。同様にもしあたしが出かけていて、その為に間に合わずに最愛の人が死んだら、その場合もあたしを恨むでしょう。感謝されることは多いかもしれません。でも、逆に恨まれることも多いかもしれません、あたしはきっと臆病なんでしょうね、だからあえて人と係わり合いを持ちたいとは思わないんです。今日の行動を見てると矛盾のように思われるかもしれませんけど、今日の事はあたしの気まぐれですし、あたしは自分のしたいと思ったことをするだけですから」


誰も、あたしの話に何も言いませんでした。


そうですよね、結構自分勝手に聞こえるかも、でもこれがあたしの本音ですし、もう他人に振り回されるのは嫌です・・・


「はふ、ご馳走になりました。そろそろお暇しますね」


「あ、あぁ・・・」

「大したお構いも出来なくてごめんなさいね」

「ルカ、帰るよ~~」

「うん」


あたしは、ロダンさんとアリーゼさんに就寝の挨拶をして、ロダンさんが暗いので明かりを用意するというのを固辞して家を出ました。


「ライト!」


明かりの魔法を唱えると、あたしの上に丸い明かりが浮かび上がって周囲を照らし始めました。


「うわぁ~~明るい~~」


ルカちゃんが光の玉に触りたそうにしてますけど、触るとどうなるのかわからないので、とりあえずスルーです。


「さぁ、帰ろうか」


あたし達は連れ立ってすぐ先に見える我家に向かいました。


家の手前で結界の気配を感じて、解除をします。


3時間くらいなら結界維持はできるっぽいかな?でも・・・・なんでしょう?結界付近に大小の石がポコポコ落ちてます・・・・行くときはなかったような?


あたしはそんな事を考えながらライトの魔法を消して家に入ろうとしました。

その時、背後に強い視線を感じて振り返りました。

わたしは視線を感じた方向をじっと見ましたけど、暗い闇が広がっているだけで何も見ることはできませんでした。

あたしは、今の視線を気にしながらもサラちゃんとルカちゃんが家に入ったのを確認して扉をくぐりました。そして、すぐに机の上に結界石を置いて魔力を注ぎ込みます。石が淡く光を発して起動した事を確認して、あたしはようやく一息つきました。

これは、屋外での野営時に野営場所を結界で包んで防御するものです。石の中に魔方陣が転写されていて、注ぎ込んだ魔力に応じて結界が発生します。何も無ければ朝までは余裕で維持されるのと、何か発生したときには結界石が赤く発光するので便利なんですよね。


さっきの視線はなんだったんだろう?・・・・試されているような、変な感じだったし、あまり良い気分じゃないなぁ


あたしは、そんな事を思いながら椅子に座ってサラちゃんは何をしてるのかな?って眺めました。


サラちゃんは、なにやら台所でパタパタしています。そして、釜戸に火を入れようとしているみたいです。


「あ、すぐにお茶をいれますので、ゆっくりしていてください」


「は~~~い」


あたしは、返事を返しました。


うん、良い子だなぁ


一生懸命に火を起こそうとしている姿をみて思いました。


ルカちゃんは机の上の結界石に興味津々のようです。でも、触っちゃいけない事は解っているのか机の端に頭を乗っけてじっと眺めているだけですけどね。


「これなぁに?」


「うんっとね、結界石っていってこの石が淡く光っている間はお家を守ってくれるのよ。落っことしたりすると壊れちゃうから気をつけてね」


「うん!」


あたしの言葉に素直にうなずきました。


う~~ん、可愛いなぁ、妹がもしいたらこんな感じなのかなぁ


あたしは、そんな事を思いながら机にひじをついて、ルカちゃんを眺めていました。

その後、サラちゃんが、お茶を入れてきてくれて、あたしは家の中の事、村での生活の話などをサラちゃんに聞きながら、ルカちゃんがまたもや頭をこっくりこっくりし始めたのでお茶会はお開きにして、寝ることにしました。


「色々聞きたいことはまだあるけど、とりあえず今日は寝ましょうか」


「はい、キュアリー様おやすみなさい」


あ、名前訂正させるの忘れてた・・・まぁ明日でも良いか


「うん、おやすみなさい、ルカちゃんもおやすみ」


「おやすみなさい~」


2階にあがり、それぞれの部屋に入ってからあたしは窓の傍に静かに近寄って外を見渡しました。

特に、何が気になるっていう事もないんですけど、でも、何か気になるので・・・


う~ん、ちょっと気にしすぎかなぁ、とりあえずもう1個くらい用心しておきますか


あたしは所持品の中から目当てのものを取り出すと、魔力を込め始めました。


何もないならないでそれで良いし・・・


その後、あたしはシステムウインドを立ち上げました。やっぱりというか案の定というかまだログアウトボタンはどこにもありませんでした。


ここにきて体感で8時間くらいかな?そうするとリアルでは2時間かぁシステム復帰するのもまだちょっと掛かるかなぁ・・・・明日にはもどれるといいなぁ


あたしはそんな事を思いながらベットに潜り込みました。

う~ん、まだ異世界にきて8時間しか過ぎてないんですね・・・

思わず、遅!って思っちゃいました・・・(書いてる人が何を・・・・)


あと、伏線がいっぱいあるので、無事刈り取り出来るでしょうか・・・

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