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2-1:ここって誰の家?

2章から副題入れようと思ったのですけど・・・ぜんぜん思いつきません><


相変わらずほのぼのモードってどこ?な状態が続いています。


ジャロに訴えられそう・・・・

システムウインドを一通り開き、ログアウトボタンが無いことが少しずつ、少しずつ実感されてきました。


ログアウトできない・・・・デスゲームなの?でも、佐光さんが何とかしてくれるよね?だって、傍にいたから直ぐに気がついてくれるよね?運営の人だし、それに、デスゲームなんてありえないって言ってたし・・・


あたしの頭の中は不安一色になってしまいました。

ログアウトできない、デスゲームかもしれないでもう何も考えられない、どうしよう、どうしよう、何も解決策が思い浮かばないまま時間は過ぎていきます。


どれくらい時間が過ぎたのでしょうか、1時間なのか2時間なのか、それとも5分や10分しか過ぎていないのか、そんなあたしは突然聞こえてきた怒鳴り声にびっくりして振り返りました。


「あなた、あたしの家で何をしてるの!あなた誰よ!」


声の聞こえてきた方を振り向くと、12歳くらいの女の子が扉の前に立ってあたしを睨んでいました。


え?誰?


あたしは、その子をじっと見ました。全体的に痩せすぎと言っていいと思えるほど痩せています。着ている服も決して綺麗とは言えない服です。


何?何かのイベント?


あたしは、多分色々な事が起きて、余裕が無かったのだと思います。普段では考えられないほど不機嫌な声で答えました。


「誰?何か用なの?貴方に構ってる暇は無いんだけど」


その子は、明らかに怯えた顔になりました。そして、今気がついたのですけど、その子後ろに更に小学生低学年くらいの女の子が、怯えた様にこちらを見ていました。


「こ、ここはあたし達の家だもの、あなた誰よ!出てってよ!」


「何を言ってるの?ここはあたしの家よ?」


あたしは、先程自分の状況を確認してた折、ここがあたしの所有になっている事を確認していました。

一応、再度システムメニューを開いて、今自分のいる場所を確認します。


”現在地:ラルク村 キュアリー・アギオ・アルモニアの家 ”


やっぱり自分の新しく移転した家です。それなのに、なんでこの子達は入って来れたんだろう?システムロックされて無かったんでしょうか?あたしは、家のシステムにアクセスしようとしました。でも、アクセスエラーが出ます・・・・・やっぱりプログラムがおかしくなってるんでしょうか・・・・。


パーソナルデーターも見れないし、家の設定画面にも入れないし、やっぱりプログラムの不具合かなぁ、それなら、修正されれば大丈夫よね?


あたしが、その子達を無視して自分の考えに嵌り込んでしまっている間に、まわりはどんどん動いていたようです。


「おい、ちびっこ、どうした!」


男の人の声で、また考えが中断されました。ちょっとイラッっときました。


「悪いですけど、ちょっと静かにしててください。中々考えがまとまらないじゃないですか!」


「おい、あんた誰だ!」


女の子達を後ろに庇いながら、40歳くらい?もしかしたらもう少し若いのかな?の男の人が前に出てきました。明らかに、こちらを警戒した、怖い声です。普段のあたしだったら怯えてしまったかもです。でも、あたしはまだ混乱してますし、こっちは忙しいのに何イベントが進んでるのよ!ってイライラしてました。


「何度も言わせないで、今遊んでる気分じゃないの!」


あたしの言葉に、男の人は凄い目で睨み返してきました。


何よ、このNPC?それともプレイヤーなのかしら?


あたしは、相手のステータスを確認しようとしました。けど、ブロックされてるのか、名前すら見ることができません。


「貴方なに?何か用なの?」


「おい、こっちが聞いてるんだ!お前誰だ!何でここにいる!」


めんどくさいなぁ、名前言わないと進まないのかなぁ。とりあえずこのイベント終わらせてから考えるしかないかなぁ・・・


「キュアリーよ、それと、ここはあたしの家よ、居て悪い?」


「はぁ?ここはこの子達の家だぞ!もう3年以上住んでるんだ、あんた何を・・・・・」


男は、話している途中で、何かに気がついたように話を止めました。


「おい、誰か村長を呼んできてくれ」


男は後ろを振り向いて、大きな声を張り上げました。入口に何時の間にか集まっていた人たちの中から、数人がどこかへ走っていく気配がしました。


う~~いつまで続くのよ!っていうかもしかしてこれチュートリアル?その割りに説明何にも無くって、疑問ばっかり増えるんだけど!


男の後ろでは女の子達が相変わらずこっちを睨んでいます。


これ、最悪!すっごい気分悪いですよ!戻ったら佐光さんに文句言ってやるんだから!


あたしの気分はどん底から更に垂直に落っこちて行きます。


うぅ~~あたしのMPもう0よ!


あたしは、もう訳がわからないことを頭の中で叫んでいます・・・・


すると、家の入口から、お爺さんが入ってきました。うん、好々爺って感じ?この人がもしかして村長?


「村長、わざわざすまない」


「ロダンよ、何だねこの人だかりは?何か揉め事かな?」


「あぁ、村長だったら覚えてるかと思ってさ、ここの家の名義人は誰だった?確か村長は会ったことあったよな?」


「ほう、懐かしい事を・・・・あの方の姿はそうそう忘れることは出来んぞ?」


「ただ、名前はのう・・・たしか・・・・」


う~んと、このお爺さんキャラに会ったことあったかなぁ?会ってたら覚えてると思うんだけどなぁ。ここの村に家を登録に来たときにあったのかなぁ?でも、あれって別にNPC絡まなかったし、ただ、村で空家に入って所有登録しただけだし?


あたしが、先日の移転登録をしたときの事を思い出していると


「おぉ、そうじゃ、確かキュアリー・神聖アギオ調和者アルマニア様じゃ、それこそ名前の通りのお姿じゃった、偉大な3つもの称号をお持ちの方でな、なぜ、こんな田舎に来られるのかとびっくりしたもんじゃ」


ロダンっていう男の人が、その名前を聞いて、あたしに向きました。


「あんた、キュアリーさんと言ったな。すまないがそのフードを外して貰えんかな」


あたしは、そういえば完全装備で賢者のフードしたままだったのに気がついて、フードを下ろしました。


「おぉぉ、キュアリー様じゃ、間違いない!なんと、わしがまだ存命のうちに再度ご尊顔を拝見できようとは・・・・」


村長さんは、どうやら感激してるようなのです。けれど、周りの反応は微妙?

最初は、みんな一様にポカ~~ンとした顔をしていましたが、そのあとすぐに複雑な表情をしました。

「エルフだ・・・・・・」

「エルフだぞ・・・・」


そんな囁き声が聞こえてきます。決して歓迎ムードの囁きではありません。


ロダンという人も驚きが収まると、微妙な顔をして女の子達を見ました。

そして、女の子達も、同様に驚きのあとで、こちらは真っ青な顔をしています。


「ちびっこ、ここはこの方の家だ・・・・」


ロダンさんは女の子の頭の上に手を置きながら言いました。

女の子は、ビクッっとしてロダンさんを見ます。


「え?なんで?ずっと住んでて・・・・ここが新しいお家だよって言ってたよね?ね?」


女の子はそう言いながらロダンさんを見て、村長さんを見て、周りの大人たちを見て、みんなの可哀想な眼差しや、なんとも言えず視線を逸らすのを見て、今にも溢れそうだった涙がついに決壊しました。


「あたしのお家だもん・・・グスッ・・・あたしの・・・うわ~~~~~~ん」


「お姉ちゃん・・・どうし・・・たの?・・・なんで泣い・・・てるの?」


後ろにいた子は、よく解らなかったのでしょう、同じように泣きそうになりながら、後ろから一生懸命姉の服を引っ張りながら、姉につられるように泣き始めました・・・・


(ちょっと待ってよ、どういう事?まるであたしが悪者じゃないの・・・・、それこそ、あたしが泣きたいくらいなのに・・・・)


女の子が泣いている横で、村長さんが説明してくれました。

あたしが、この村で家を構えたのはもう50年も前の事らしいです。そして、3年ほど前にこの国で戦争があって、その戦火に巻き込まれ逃げてきたのがこの姉妹だそうです。でも、この村も決して豊かではない為、誰もこの姉妹を養う事が出来なくて、でも、村のみんなで世話をしてあげようって事になったそうです。そして、住むところをどうするかっていう時に、無人のこの家をってことになったそうです。


「決して、貴方様を蔑ろにした訳ではなく、無人の家は早くダメになってしまいます。村の衆で定期的に掃除などはさせていただいてはおったのですが、この子達にとっても、家にとっても良い事だろうと・・・。また、勝手ながら、もうお戻りにはならないのではないかと・・・」


あたしは、その説明を聞きながら50年というズレを考えていました。


う~ん、上の世界は50年後から開始の設定なのかなぁ?wikiでもそんな事乗ってなかったっていうか・・・・年の概念なかったよね?


あたしが、再度考え事をしてる間に、みんなが家を出て行きます。


「今度は長期にご滞在なのですかな?」


村長さんとあたしが話をしている傍らで、村の女性らしい人数人が女の子と荷物を固唾けはじめました。

あれ?・・・あの小さな妹さんはいないなぁ・・・・あと、これって家を出る準備してるのかな?


「あ、まって。別に出て行かなくてもいいわよ、2階の3部屋のうち一つを空けてくれたらとりあえずそれでいいわ・・・・理由もわかったことだし」


たぶん、あんまりここには居る事はないだろうし、やっぱり村の中は人がいすぎ・・・もっと静かな所探そうかなぁ

あたしはそんな事を考えながら、彼女達にそう声を掛けると、その女の子と、女性達は戸惑った顔をしたのです。


その女の子は、周りの人達に慰められてようやく泣き止んで、でもまだ目は真っ赤にしています。


「あ、あの・・・でも・・・・・」


女の子は、何か言いよどんでいるのですけど・・・・VRのイベントって良くわかんないなぁ・・・でも、あのままだとあたし絶対悪者よね?なんかそれは駄目よね・・・・


「ん?今村長さんから聞いてたのだけど、ここを出てしまったら、住む所がないんでしょ?あたしは一部屋あればとりあえずいいから、別に気にしないなら一緒に住んでもいいよ?また、旅にでちゃうだろうし」


あたしの言葉に、迷うような素振りを見せて、隣にいる女性に問いかけるような顔をします。

その女性は、意を決したような真剣な顔であたしに問いかけてきました。


「ロダンの妻のアリーゼと申します。キュアリー様にお伺いいたします。キュアリー様は人族ヒューマンをどう思われていますか?」


「え?どうって・・・・・・人族ヒューマンでしょ?それ意外に何かある???あ、それと、様はいらないよ?あたし、様付けされるようなもんじゃないから」


あたしの言葉に、真意を見極めようとするようにアリーゼさんはじっとこっちを見つめてきます。


なんだろ?何か言いたいのかな?


あたしは、何が言いたいのだろう?って訳がわからず首を傾げました。

すると、アリーゼさんは、ほっとしたような表情を見せて、女の子に言いました。


「サラ、キュアリーさんもこう言ってるし、もしよければこのままここでお世話になる?ルカちゃんも住みなれている家のほうがいいだろうし、キュアリーさんも悪い方ではなさそうよ?」


う~~んと、あたし品定めされてた?


女の子改めサラちゃん、妹さんはルカちゃんね、でもそんなNPCいたかなぁ?まぁイベントキャラしか覚えてないですけどね・・・・


そう思いながら、あたしは女の子にとりあえず笑いかけた。笑顔は大事なんですよ!


「さっきはごめんね、ちょっと気が立ってたから強く言い過ぎちゃったね。サラちゃんでいいのかな?普段あたしは、適当に自分の部屋にいるか、外に出かけてるかだから、気にしないなら一緒に暮らす?」


サラちゃんはしばらく迷った末に頷きました。


「うん、これからよろしくね」


あ、そういえば・・・・


「ところで、あなたはNPC?」


サラちゃんも、村長さんも、アリーゼさんもきょとんっとした顔をしていました。


意味が解ってないって事はNPCよねぇ・・・・う~ん、よく解らないわ


そう思いながらも、いつの間にかログアウトできない事を忘れてしまっていました。あたしって・・・一度にいくつも考えられないのよね・・・・

主人公はすっごい鈍いですね~


VR未経験でも変だな~くらい思わないのでしょうか!

とりあえず、少しずつこれからほのぼのとしていきたいな~って思ってます。

異界には来たのですから、あとはどこで気がついて、開き直るかですね!(ぇ

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