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第11話「メディカル都市S.O.S.」 Part6

 ――フシュケイディアでの長い一日は終わった。


 医学に長けたリーヴによりアーク撃破後一晩で解毒剤は完成、指導者を失ってもなおインプットされた命令を実行し続ける洗脳バスターは大声で一か所に誘導され、薬を盛られた時と同じやり方だというスプリンクラー散布にて正気に戻った。


 後遺症も操られていた間の記憶も無かった彼らだが、誰かのために素晴らしいことをしていた、という感覚は残っており、リーヴからの説明を受けた時には困惑の声が多くみられた。


 その後元洗脳バスターの協力により他の被洗脳者も治療し次第にフシュケイディアは本来の営みに戻っていった。しかし――


「死亡者は……20人、ですか……」

「はい。重傷ながらも一命をとりとめた人達もいますが、彼らは……」


 ナノハは多くの洗脳バスター、そして洗脳されたがバスターではない者を迎撃したが、中にはそれによって死亡した者も発生していたようだ。

 生き残った重傷者を含めずともその数は多く、これが“医術の街”で起こったという事実に誰もが衝撃を隠せずにいた。


「せめて手厚く葬りましょう。セレマの住人に最初の死亡者が確認された際もそうしたと聞きました」

「そう……ですね」


 公には「襲われた際、迎撃するしかなかったためにそのバスターが交戦した結果」「組合長リーヴ・エイドスでも手をこまねくしかなかった戦力」とフォローしている。


 しかし既に、事情を鑑みない一部民衆はアークではなく迎撃で多くの死傷者を出したバスターを探し出して断罪しようと言いまわっている。

 当然ナノハの名前は公開されていない。



「貴方も、自分を守るために戦い犠牲を出してしまったバスターへの不処分…納得いきませんか?」


 リーヴは傍で報告する組合職員にそう訊いた。


「……それだけ聞けば、状況の異常性もあって咎めないことが正しいと思えます。ただ――」


 職員は犠牲者の方に向き直り、こう続けた。


「こんな残虐なやり方ってないでしょうに……!!」



 書き留められた名簿には怪我の状態や死因が記載されている。


 多くは骨折類や裂傷、打撲のようなものだったが、中には“ねじれ”、“消失”、“不明な手段による圧迫”といった奇っ怪なものも多分に含まれていた。

 しかしそうでない怪我にも、箇所以外はどう表せばいいかわからないといった記述の躊躇による空白が見られる。


「魔法による攻撃にも様々なものがあります。特に、プレイヤーによって(クリエイト)作られたスキル(スキル)ともなれば、想像もできない効果を持つかもしれません」

「それも大変革、という事件の影響ですか?」


 憤りの滲む投げかけにリーヴが答えようとした時、別の職員が彼女を呼び出した。


「組合長、アーク・ミンツの遺したと思しき各種資料を1ヵ所に纏めました。お時間あればこちらへ……」



 その職員の案内で、アークがモニタリングすると言って降りたかの部屋へ向かう。

 一方に巨大な機械が敷き詰められた部屋は元は資料室だったようで、多数の書物が保管されていた。

 そしてそれとは別に、アーク自身がしたためていたと思われる文書が職員の言う通り纏められている。


 リーヴはクロウが追った時は亜人イゴルスの治療を行っていたため、入るのは初めてである


「こんな部屋が……」

「どれも見たことのない機械ばかりで、おそらくアルキテクの技術でしょう。独自の記号ばかりで我々にはとても扱えません。情けない話ですが」


 コンピューター的機械には都市内では見ないような文字が使用されていた。

 この世界では英語の文字が書類や看板に多く使われていたが、普段使いしている言語は日本語がベースだ。

 しかしそれらとも重ならない言語、ロスマギを作った世界に存在する別の文字なのかとも予想される。


「いえ、苦労をかけました。それで……これですね」


 リーヴは文書の一部を手に取り、付近に用意された椅子に腰かけ(ひもと)く。


 文字は人の手で書かれたと思えない正確さ、印字である。

 フシュケイディアにはタイプライターは存在するが、ライターではなくすぐ後ろの機械からもしかすると出てきたのではないか?とリーヴは予想する。



「……なるほど、彼は言った通りバスターの創造を目指していたようですね」


 リーヴが読み解いた記述はバスターの創造、その中身は実験により現時点では不可能と判断したため人間や特異な体質の亜人を利用した改造へ切り替えた、というまさしく別の次元にいるとすら思える冷酷なものだった。


「施術と実験による死亡者……処分。くっ……」


 命が文字の中で軽々しく扱われることに心を痛めながら読み進めていく。

 次の書類に手を伸ばすと、内容は都市運営のことへと変わっていた。これもアークが自ら話した通り。


 更に進めていくと、印字ではない走り書きのような文字に切り替わる。



「『大変革後推定42日目、突然現れた亜人らしき人物が自分を普通にするように依頼してきた』」



……――――――――――――


その人物は大柄な女、ピンク髪に多くの不可視の付着物→取り外せない 固定されている?

いくつか興味深い特徴有り。

実験協力を取り付けたがサンプルの途中非協力的に その後マナ定着化注射の時脱走


マ法とウインドウ(赤い)の行使かく認→亜人型のP.C.?

マ法は多分無ぞく性、他に使えるか不明

つかまえれば研究大幅に進むか

名まえ…エクス(たしか)

 

――――――――――――……




 次第に簡略的な表記を織り交ぜた、走り書きというよりは書き殴るような字体になっていくメモをなんとか読み進めていく。


 すると、リーヴはその中に胸騒ぎのするような不穏な内容を見つけた。



「『気配を消せる能力』?『常キをいっした魔法』……『充てたついせき部隊が帰らない』……」


 メモから見つかった「エクス」という名の亜人の女性。

 記述から強大な力を持っていることが分かったが、常軌を逸した魔法というのは奇怪な傷を負ったバスターのことを連想させる。


(逃げきれたのならそれで終わるかもしれないけど、嫌な予感がする……)


 突如発見された「エクス」という名前。

 もしこれまでのフシュケイディアを怖がってしまったのなら、安心させなければならない。そして、実験で負ってしまったであろう心身の傷を癒さねばならない。


 すぐに尋ね人として一部職員に捜索依頼を託しながら、その人物の無事を祈るのであった。


~第11話「メディカル都市S.O.S.」~


――――――――


縛っていた縄以上に脱出できない洗脳バスターの力、これまでかと焦るクロウの前には横一閃を目論まされた愛剣。


独裁者:「罰を受けろ」

菜の花:「とりゃああ~~~~~!!」


ドゴォオオン!!

突然鳴り響いた巨大な音に、全員が気を取られた。


菜の花:あれっ、とりゃっ!ん?んっ!ぐっ!でりゃあああああっ!!

クロウエア:……

形相:……

菜の花:爆薬持って来てー!

クロウエア:やめて!!


――――――――



バスターは感情により力が大幅に増す。もちろん、力を抜く以外に落ち着いたりすることで加減も。

ただし感情なら何でもいいというある意味ブッ飛んだ能力でもある。


アークが使った洗脳の薬は、経口はもちろん皮膚吸収まで効果発現範囲の優れモノ。

忠誠心に関わる部分を☆↑↑ブチ上げ↑↑☆つつ自由意思を含むそれ以外を抑制することで、最初に見た・指示してきたなんか偉そうな目立ってる人からの刷り込み現象を誘発、命令のみに忠実ながらバスター本来の力を十二分に、それも護るべきもののために戦う勇者のような状態なのでこれ改めてとんでもねぇ薬だな

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