第17話「プライド・バトル」 Part9
「……おい、しい」
「でしょ?」
トリファーとの戦いから数日、4人は改めてアルキテクを訪れていた。
「…………」
「クロウ?」
「おかわり」
「おおハマったねぇ」
今回こそは何も面倒なことのない、私服での平和な休日。
サイネリア姉妹が前回訪れた店をその姉が猛烈に推したことから、まず手始めにそういった既知の場所から回っていくことにした。
〔ミックス☆フレッシュ☆フルーツゼリーのおかわりです、どうぞ〕
「すごいよね、人間みたいな声!」
「給仕ロボット……あれから更に進化しているとは驚きだ」
機械都市アルキテクの技術革新は止まることなく、毎度新鮮な驚きを彼女達に与える。
店の奥でも、人足りてなかったから助かる、という呟きが聞こえた。
「どう?ユウさんオススメスイーツのお味は!」
「オススメというか設定に書かれただけで……トマトゼリーは合わなかったけど」
「こっちは?」
「んむ…ストック、研究お願い」
「あまり期待はしないでおくれよ?」
しかしスイーツへの舌鼓を打ち終え、次の場所を検討し始めた頃にまたも面倒に巻き込まれることになる。
「クロウ!ナノハ!」
「?」「え」
そこには3機のテックマトンを背に並ぶハリー、オリヴィア、そしてトリファーの3人が待ち構えていた。
「このテックマトンと勝負しろ」
「待った僕達は今回武器なんて……」
「いいや今回はこれだ」
トリファーは大きな球体を取り出す。
テックマトンに合わせたような、およそ人間向きではないボール。
「球技。もう場所も借りてある」
「めんど」
「クロウ、付き合ってあげてはどうだ?」
「ストック!」
「話は決まったか?ほれ、メッセージで送るから先に行ってるぜ、じゃあな!」
3人はそれぞれのテックマトンに乗り込んで、空を飛び去っていく。どうやらクロウにこういった受難は、付いて回るもののようだ。
「……仕方ない。腹ごなしついでに、行くかぁ……。ストック!」
「ああ。横腹を傷めないようにね」
「カンナも行こう!」
「いっぱい応援するよ!」
二人もテックマトンゼロをウインドウ内に持ってはいる。
しかし、きっとそういうことではないと移動用のマボーグで追いかける。
この勝負がセント・オーディナスの外に与えた影響については別の話。
重要なのは、次の行き先に迷っていた一行を実質的なスポーツ・アクティビティへの誘いが導いたこと。
これも彼の野望のための挑戦の一つだったのだろうが、今はただクロウ達の出先の楽しみの一つとして、その休日に予期しない色を添えるのであった。
~第17話「プライド・バトル」~
――――――――
工場:「用」
単語:「お?」
工場:「あるんでしょ?」
単語:「まぁね」
工場:「一段落してるから入って」
単語:「だってよ。ほら、行こう」
クロウエア:「あぁ、お邪魔します……」
重装備:「鎧を収納…と」
(カシャッ!キュイッ!バラバラ!ガシャンッ!ドドドドガガガガドガドガガッシャガシャァーン!!!!)
――オリヴィアの鎧を一度で収納しきれず大きな音が連続する――
Canna L.:み、耳が……
重装備:これもっといい方法ないんですかぁ……?
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ゼリー大好きクロウさん
最初トリファーはもっとマッドな感じにしようと思ってたけどなんやかんやこうなった
というわけでいつぞやのアークと被りかねないしこれでいっかと思い突き進んだ
ハリーとオリヴィアの本来の戦闘スタイル披露はいつにするかなぁ