御見舞
菊池唯華ちゃんは従姉妹の菊池琴美ちゃんといっしょに、2人のパパたちのお母さん、入院しているおばあちゃんの御見舞に病院にきました。
明日手術するおばあちゃんの病室に、唯華ちゃんと琴美ちゃんはお歌を歌いながら入っていきます。
「「真っ赤なお花の〜花々は〜」」
おばあちゃんのベッドの傍で歌うのを止めた2人は、「「御見舞にきたよー!」」と子供特有のキンキン声で寝ているおばあちゃんに声をかけました。
2人は御見舞の花々が入った花瓶や鉢植えを、ベッドの脇の台の上に置きます。
花々は真っ赤な椿や菊に鉢植えの真っ赤なシクラメン。
真っ赤な花々で病室の中は明るくなったように感じます。
2人の声で目が覚めたおばあちゃんは真っ赤な花々を見て「ヒィ!」と小さな悲鳴を上げました。
そしておばあちゃんは2人を叱りつけます。
「あなたたち! そんな赤い花、それも菊や花が落ちる椿それに鉢植えのシクラメン、明日手術する私に対する嫌がらせかい?」
「「流石おばあちゃん良くお分かりで。
おばあちゃんが以前、私たちのママたちにやった仕返しだよ。
ママたちはおばあちゃんの御見舞なんて絶対嫌だ! って、いってるしー。
パパたちはそんなママたちの機嫌を取るのが忙しくて御見舞に来られないから、私たちが御見舞にきてあげたの」」
「なんて子たちだ! 親も親なら子も子だね、あんな女たちの血が流れてるからだね、もういい帰れ!」」
「「言われなくても帰るよ。
血って言ったらママたちの血っていうより、パパたちからもらったおばあちゃんの意地悪な血か悪いと思うよ。
あとひと言付け加えると、この花々がおばあちゃんに贈る最後の花だから、明日お医者さんがドジっても、抹香くさくなりたく無いからもう来ないからね。
じゃあね、おばあちゃん、永遠にサヨウナラ!」」
2人はおばあちゃんにお別れを言い病室から出て行く、入ってきた時と同じように「真っ赤なお花の〜花々は〜」とお歌を歌いながら。
唯華ちゃんと琴美ちゃんは、ママたちの復讐ができて清々しい気持ちて帰路につくのでした。