アレルギーとおねしょ
療養所の最初の診察で訊かれたんだ。次の4月から院長になる医師でした。
「おねしょしますか?」と。
6年生の冬に1度したことはあるけれど、布団は無事だったので、パジャマは自力で乾かして、下着は前日のものに履き替え、汚したものは洗濯機にねじり込みました。
だから無事だと思っておりました。
それがいけな・・・いことはありませんでした。
ずっと無事でした。
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夜尿症の人数分布は、同学年で3人、後はその下の学年にそれぞれ1人でした。女子寮の方はわかりませんが、布団が干してあるのを見かけたことがあります。中学生になると「このままおねしょしていてはいけない。このまま治らないんじゃないか?」という焦りがあるのでしょうか?
看護婦さんの中にも「寝る前にお祈りしなさいよ」とか言って焦らせる人もいました。
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小学5、6年の頃って男子よりも女子が大きかった記憶はないでしょうか?
私たち喘息男児は中学2年になっても小さかったです。膀胱が育っていない子もいたことでしょう。前に述べた通り私の膀胱容量は600ml以上ありました。尿が作られ過ぎても取り敢えず溜めておけます。
次に、アレルギー体質だと交感神経と副交感神経とのバランスが崩れます。気管支の拡張、収縮のみならず、鼻の過剰反応なら鼻炎に。お肌なら湿疹、アトピー、カビなど。睡眠時に抗利尿ホルモンが作られにくい状態にもなるのです。
膀胱が小さい、おしっこが作られ続ける。尿意で目が覚めないと大変ですね。
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みんな把握しておりました。敷布団に撥水シーツ、その上に吸水マット。それをシーツで覆ってあるのです。
処置室の処置簿にも記載があり、気の効く看護婦さんはその欄を折り曲げてありましたが、そうでなければ丸見えでした。
「看護婦さん、よるにょうって何ですか?」
「(バカ者、それは夜尿って読むんだ!)」
「見ないでね」
だったら折り曲げておけよと。夜尿(○・×)という記載があり、朝の結果が書かれてあるのでした。
今日では紙おむつで濡れを感じさせず、睡眠をたっぷり取って膀胱や神経を育てた方が良いとされておりますが、当時の医療がどうだったかはわかりません。途中で目覚めさせる、トイレに起こす、叱るのは良くないでしょう。
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夜中にシーツ交換をしている所で起きたこともあります。そちらの方を確認してからまた眠りに就きました。
翌朝、「月尊、薄目開けて寝とったで」だと。だったら、起きてトイレに行ってから1階まで茶を汲みに行けば良かったか?
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夜中に起こされてみんなについて行ったことも。4学年下の子がパジャマの下も下着も付けずに寝ていました。余計なことで起こすな!!
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どうして女子だけあんなに成長が早かったのでしょう? 薬ばっかり飲んでいるせいでしょうか? それはおかしい。こちらだって同じ食事をして薬だって飲んでいる。5年生で胸が育っている子が当たり前。
そういや入院するまで女子の胸なんて気にしたことなかったな。
学生時代に小学校の林間学校写真を見せられ、成長の早い子は胸が育っていました。
6年生の時、プール前にクラスメイトの胸を見ていましたよ。
みんな隠すからその存在を知らなかったのかもしれません。