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☆ヲタ活、ラストワンの号哭☆

作者: 香久山瑠色

 タイトル見て「オイ」って思った人、気持ちはわかる。だがとりあえず開いたんだ、見ていってくれ。

 一番くじデビューして一週間で一番くじの極地に到達してしまったヲタクの姿を……


 ちなみに私の一番くじデビューの話は以前書いたので割愛させていただく。まじできっかり一週間の出来事だったよ……速いな。

 私には下心があった。そりゃヲタクなら推しが出てる一番くじあったら誰しも抱く下心じゃろうて。

 推しが引きたい!!

 調べたところ、推しのフィギュア、C賞だかD賞だったんだけど、私が初一番くじ引いたときにはもうなかったんで、それはそう、と思った。私の推し、今シーズン一番活躍したもん。元々ルックスもいいし、アニメ放送を期に推しに昇格した人たくさんいただろうな。むふふふ。

 しかし、一ヲタクとしては複雑な気持ちである。みんなに推しの良さを知ってほしいという気持ちは当然あるものの、推す人が増えるとグッズ戦争が凄まじいものになるんだよね……アニメバフかからん状態で、人気キャラランキング三位だもん。そもそもライバル多いのに、アニメで増えたら、ああああーってなります。

 というわけで、二回に分けて引いたところ、推しのグッズは一応手に入ったのですよ。この辺は前回のヲタ活で書いているんですけど、いやあ、意外と活躍してるのが、ラバーコースターっすね!

 コースターってことはコップやカップの下敷きに……? 推しを……? って宇宙猫顔したんですけど、ちょうど当たったのと同じ数タンブラーがあったので、秒でコースターにしました。私こういうとこあります。

 まあでも紙や布よりは抵抗ないんですよね、ラバーマットって。破けたり汚れたりもしにくくて、汚れても水でさっとできちゃうので、アクキーよりもラバーキーホルダーの方が好きです。堀込も欠けにくいですし、曲げすぎると形が崩れますけど、その辺気をつければ、わりと長持ちするグッズなんです。おすすめですよ、ラバー系。

 で、ラバーコースターがどうだったかと言いますとね……なんと、タンブラーを持ち上げるたびに隠れていた推しの美貌が出てきて、テンションぶち上がります。

 当初は、タンブラー持ち上げるたびに推しがこっち見てたので(幻覚)「ひえっ」ってガチの悲鳴上げてたんですけど、推しは健康に良いし、精神衛生にも良いので、苦手な水分補給をするのが楽しくなりました。夏なので水分補給は大事!

 ちなみにうちは父と好みについて語らうタイプなんですが、たまに私がグッズ見て「推しがこっち見てるヨォ!」って錯乱すると、父は「はいはい、推しくんは別に君だけを見てるわけじゃないからね」と諭してくれます。

 最近は「よかったね」と微笑んでくるのですが、もしかして引かれてます……?

 そんな父と飯を食うために外出した帰り、父が様々な要因からよれよれの私を労い、一番くじをやっているコンビニに行くことになりました。

 するとですね、こないだまであったフィギュア二つがなくなり、フィギュアはラストワン賞の一つになっており、景品も数える程度に。ラストワン賞は私の推しのフィギュアである。

 それを見た父、財布を持ち上げ、

「ラストワン賞、行っちゃう?」

 悪魔の囁き! 効果はばつぐんだ!

「待って、待って、一回景品の数数えて、無理のない量だったらね……」

 私の理性が総動員で悪魔の囁きに抗う!

 景品が十個以上残っていたら、やめようと思って数えたらですね、九個なんですよ……

 それでも私の理性が抗い、

「七五〇円を九個で何円!? 何円!? 待って、今計算するから!!」

「いや、十個で七五〇〇なんだから、そこから七五〇引けばいいでしょ」

「そうか! 七五〇から五〇〇引いたら二五〇だから、七〇〇〇から二五〇引けば……いや何円!?」

 ヲタク、もう算数もできない。

 父は呆れた様子で七〇〇〇円出しました。何円だろうと七〇〇〇円超えないので、お会計はそれが正解なんですよね。

 ちなみに、私は二回目引きに行ったとき、三〇〇〇円で四回引けるので×二して六〇〇〇円で八回引いた頭のいい子でした。つまり、六〇〇〇円に一回分の七五〇円足せばいいので、答えは六七五〇円です。

 推しは健康にいいけど、推しと対面すると私滅茶苦茶頭悪くなるので、推しの摂取はほどほどに。

 というわけで景品買い占めて、ラストワン賞ゲットだぜ!

 ……と、現実はそんなに爽やかじゃありません。もうヲタクパニックです。

 だってラストワン賞ですよ!? 一番くじというだけでテレビの中のアイドルのようだと思っていた私が一週間で辿り着くラストワン賞。もう情緒がジェットコースターですよ。

「うわおおおおん」

「落ち着け」

 ってなってました。蝶よりも花よりも丁重に扱って車へ運びます。

「あと何か欲しいもんあるか? こないだ言ってたクリアファイルはいいのか?」

「まず景品の開封の儀していい?」

「おう」

 俺の心が俺に追いついてないからまずは景品開封の儀。

 ラバーコースター四つ、分厚いアクキーが一つ。ちなみに残りはハンドタオル四枚なので、キャラはわかっています。

 ラバーコースター一つ目。

「のぴだ!」

「おお」

 のぴ(仮名)は推しの次に推しなので普通に嬉しかったです。今期は出番少なかったけどね。

 ちなみにのぴに関してはエコバッグを持っています。私はヲタクですが、比較的実用性を重視するタイプのヲタクなので。でものぴのエコバッグは自分で手に入れたんじゃなくて、父からもらったものです。懐かしいな。レジ袋が無料じゃなくなった頃の話ですよ。

 二個目。

「じゅこちゃんだ!!」

 推し作品のヒロインが出ました。私メインキャラより推しを引くことが多い豪運の持ち主なので、珍しい引きだなー、と思っていたら、横合いから父が、

「もしかしてかまぼこ揃うんじゃないの?」

 なんて言ってきました。かまぼこは主人公、ヒロイン、のぴ、妹の推しのメイン四人組のことを呼ぶ非公式名称です。

「四つしかないのに、四人揃ったらさすがに神すぎるって」

 おわかりいただけただろうか。私のこの発言を見事に「フラグ」とするレベルで私の運はやべえのである。

 三つ目。妹の推し。「黄色い少年」というとみんなぴんとくるかもしれない。

「リーチじゃん!?」

「マジかよ」

 でも、まさか、さすがに、ねえ? と思いながら最後の一個を開封。

「あ……ああああ、あああー!! 長男んんんんんんんんんん!?」

「嘘だろ」

 最初に揃うかもとか言った父も絶句。マジでメイン四人が揃った。ジョークのつもりだったのに。

「お前、相変わらずだな……」

「ハイ……」

 私は何も悪くないのだが※

 ちなみに分厚いアクキーは長男(主人公)でした。今期の三枚看板キャラのアクキー共々、現在は私の家の鍵を守ってくれています。

 ハンドタオル四枚の内訳に妹の推しと母の推しがいたので、それぞれの推しを与えました。妹も母もただのハンドタオルなのに絶叫してました。マジで「血」を感じます。

 ちなみに一番くじは対象年齢十五歳以上なので、妹に「あなたは十五歳以上ですか?」と一応確認しました。妹、高二なので、どう考えても十五歳以上なのですが、発達障害で数字が苦手らしいので、たまに数字関係の問いかけした方が良さそうです「~以上」の意味がわからなかったらしく、私はハンドタオルを渡すために宇宙猫顔の妹と算数の話しました。

 で、この話のタイトルについてなのですが、私が考えた言葉ではなく、天然の気がある父がラストワン賞を引いて、「おおおおおおん」と慟哭する私に「これがラストワンの号哭か」と言った話から来ています。

 私はカラオケ狂いなのでよく父とカラオケに行くんですが、そこで歌っていたボカロ曲のタイトルを言ったつもりだったらしいです。「それはロストワンの号哭!」とツッコんでおきました。

 そんなこんなで、ラストワン賞の推しを手に入れた私。組み立てなきゃならないんだけど、部屋片付けるまで、ちゃんと大事に箱ごと保管する所存です。

 それにしてもお金出してくれた父が豪気で……家のこともっと頑張ろうと思います。

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