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ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第一章 ガルディシアと日本の接触編】
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1_07.混乱

航空自衛隊 佐渡分屯基地 午前6時


「おかしい…地形がおかしいぞ??

 北西距離150kmに島がある。島の直径3km程度。

 こんな島あったっけ?大和堆のあたり。」

 

「無いよ。いや、おかしいのはそれだけじゃない。

 日本海の先に何もない。ウラジオストックも朝鮮半島もだ。

 なんだ。一体どうなってるんだろう?」


「分からん、日本海方面の地形がめちゃくちゃだ。」


「取り合えず、この暴風雨じゃ船も出せないと思うが、一応警報出しておいた方が良いですね…」


「上にも報告上げとけ。既に把握しているとは思うが…」

 

分屯基地は混乱していた。

だが、混乱は分屯基地だけでは無かった。


--

総理官邸 午前6時


「総理、全ての衛星の信号をロストしています。依然として電話もインターネット回線も海外への回線が繋がりません。」


「なんとか海外への連絡方法を確保しろ!」


「試みましたが…引き続き試します。」


昨晩、突然発生した暴風雨の中、当初各地の災害状況を確認したのちに対策本部を立ち上げようとした官邸であったが、その災害の異常性と連続して入る異常な状況に、総理官邸もまた混乱していた。まず、暴風雨が日本全国万遍なく襲っている事が異常だ。しかも気象衛星と連絡が取れない故に、どこに何がどう起きているか把握出来ない。他国に連絡しようにも、衛星電話も国際電話も繋がらなくなっている。総理官邸の地下に設けられた危機管理センターでは、発生から情報を収集開始しているが、自然災害の類の連絡は来ていない。緊急事態法発令しようにも情報が足りないのだ。


防衛庁情報本部では、情報本部地理部には観測衛星からの情報が途切れた段階でアラートが出ており、担当は全て回復への対処を行っていた。

しかし依然として衛星への通信は回復しなかった。


--

佐渡島 午前8時


アイナは暴風雨の中、彼の寮に向かって走っていた。何人かの知り合いが同じ寮に住んでいたが、全員連絡は付かなかった。彼らが住んでいる相川は、ここから4km以上ある。何度電話をかけても相川の交番にも連絡がつかない。相川に向かう県道を進むも一台の車も相川からは来なかった。


30分程歩くと、後ろからパトカーが1台やってきた。

直ぐにパトカーに乗っていた警官から声をかけられた。


「こんな暴風雨にどこに行くんですか?すぐに戻って下さい危険です!」


「いや、友達と連絡がつかなくなって…」


「なに!?もしかして相川の方か?」


「そうです…」


「むぅ、相川で一体何が起きているんだ…」


「え?お巡りさんも相川の人と連絡取れないんですか?」


「そうなんだ。連絡つかないので確認しに行く所なのだが…」


「コウサクイン、って奴ですか?」


「工作員、か…」


警官はここでコウサクインという可能性に初めて行き当たった。いや、工作員なら地域全体が連絡が取れない状況を作る程の人数なら、来る前に察知出来るだろう。逆に警報がこっちに来る筈だ。

これは何か別の出来事だろう…

おもむろにアイナは電話が切れる直前の事を思い出した。


「そういえば、電話が切れる直前で『黒い何かが来る』って叫んでそれっきり電話が繋がらなくなっちゃったんです。それと、彼の所に黒い何かが来る前に、他の部屋にも来てたみたいです。」


「黒い何か?なんだろう…

 ともかくその黒いのが何かは分からないけれど、このまま相川に行くとその黒い奴と出会うかもしれない。一旦街に引き返そう。

 君も自宅まで送る。あちらに行くのは危険だ。」


二人はパトカーに乗って街に引き返した。

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