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ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第二章 ガルディシア発展編】
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2_04.エステリア外交交渉開始

エステリア王国 ファンソン宮殿 227年5月15日 午前11時


ここエステリア王国ファンソン宮殿は、エステリア王国で最大の宮殿であり、古くから王族の宮殿として使用されていた。この日、ニッポンからの賓客が来るという事で、ファンソン宮殿で持て成そうと王宮で待ち構えていた国王ル=フェイヨン8世は朝から落ち着かなかった。


「未だか?未だ来ぬのか?」


「はっ、未だ無線に連絡は入っておりません。」


「エスダン、余は待ちきれない。その無線で、ニッポン人に連絡は取れないのか?」


「無線機が複数ありましたら、港に居るアンベールに連絡が取れると思うのですが…。」


「そうか。アンベールの奴め…羨ましいのう。」


日本から派遣したのは護衛艦あさひ単艦だった。

予定としてはエステリアのマールーン港に寄港した後、そこからSH-60Kで、指定の王宮に移動する、という手はずだった。その為、王の待つファンソン宮殿にはエスダン中将が、そしてマールーンの港には、アンベール准将とフェルメ大佐が待っていた。


『ザザ…こちら護…艦……さひ……答…います…』


「む。准将、ニッポンの船から連絡がありました。」


『…ザ…こちら護衛艦あさひ…応答願います…』


「おお、来ましたな。『こちらエステリア王国のフェルメ大佐です』」


『フェルメ大佐。こちらは日本国海上自衛隊の護衛艦あさひです。日本からの親善大使として参りました。宜しくお願いします。』

 

『こちらこそ宜しくお願いいたします。港内はボートの指示に従い入港して下さい。着岸場所までご案内します。』


無事に護衛艦あさひは指定の場所に到着し、艦長の北村一佐と外務省のから外交官の岡村が艦から降りてきた。


「どうも海上自衛隊護衛艦あさひの艦長北村一等海佐です。」

「外務省の岡村です、どうぞよろしくお願い致します。」


「ニッポン国担当アンベール准将です。宜しくお願いします。」

「同じくフェルメ大佐です。今日は宜しくお願いします。」


「それで、国王陛下はここからどの位離れた場所に?」


「陛下は内陸のファンソン宮殿に居ります。ここから北東に200km程行った先になります。」


「分かりました、それでは道案内を宜しくお願い致します。アンベール准将とフェルメ大佐は一度乗船願えますか?」


二人は護衛艦あさひの後部にあるSH-60Kに乗り込み、ファンソン宮殿へと向かった。ヘリに乗るのは2度目のアンベールは落ち着いて乗っていたがフェルメ大佐は年甲斐も無く燥ぎまくりヘッドセットに盛り上がり、ヘリが宮殿に向け降下する頃にはヘリの揺れに酔って青い顔をしていた。


「おおお、来たか!!あれがニッポンの飛ぶ機械!!随分煩いのう。遠くからでも音で分かるのぅ。」


「左様で御座いますな。」


エスダン中将は落ち着き払って見ていたが、内心はワクワクだった。何せ噂に聞いたニッポン軍の飛行機械だ。確かに遠くからでも聞こえてくる爆音だ…あの中に居たら、会話も何も出来ないな。一体、何キロ位のスピードが出ているのだろう。音が聞こえた時には随分遠くに見えたが…もうすぐ着くぞ。


着陸態勢に入ったヘリからはダウンウォッシュが周辺に吹き荒れた。地面に接地後、中の乗員を下しつつエンジンを停止された。降りた際に、フェルメ大佐が転がるように隅に行って吐いた。


「よう来た、よう来たな!ニッポンの方々!」


「此度はお時間を頂き大変恐縮です。日本国海上自衛隊護衛艦あさひの艦長北村一等海佐です。以後どうぞ宜しくお願い致します。」


「日本国外務省の岡村です。本日、陛下の御拝顔の栄を賜りまして恐悦至極に存じます。我々日本国は、貴国と国交を希望するものです。以後、どうぞよろしくお願い致します。」


「堅苦しい挨拶は良い良い。余は国王ル=フェイヨン8世である。余は貴国ニッポンとの国交は前向きに考えておるぞ。それよりもだ。余の我が儘を一つ聞いてくれるか?」


「我々に実現可能な事であれば。」


「うむ、簡単な事である。ニッポン海軍の戦艦に乗艦を希望する。何なら、その実力を見せて頂きたいのだ。出来るかな?」


「実力行使という事が今一つ小官には分かりませんが…乗艦に関しましては全く問題ありません。政府からもその様に申し付けられております。乗艦を直ぐにご希望でしたら、今直ぐヘリにて護衛艦に参りますか?私共は何時でも準備出来ております。」


「頼もしいのう、聞いたかエスダン?今直ぐだ。昨晩は楽しみで寝られなかったのだ。さあ、参ろう。さあ!」


全員を港から乗せて来たSH-60Kは、フェルメを降ろし国王を乗せた。そして再びマールーンの港に向かった。

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