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ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第一章 ガルディシアと日本の接触編】
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1_03.第7艦隊旗艦アレンドルフ 午前2時

「何かが艦を揺らしてる!!」


「波による横揺れ発生!とても強いです!」


突然大きな衝撃が発生し、警報が鳴り響き、総員警戒態勢となった。大きな空気の塊が一方向から艦隊にぶつけられた様な衝撃だった。その衝撃が去った後、大きな横波が艦隊を襲った。寝台の中で強かに身体をぶつけ、安らかな眠りの世界から引き戻されたグラーフェン中佐は慌てて艦橋に向かった。


「各艦、被害状況を報告せよ。」


急ぎ各艦に発光信号を送り、旗艦アレンドルフの被害状況を確認した。当直以外の乗員は全て休息していた為、皆寝台の中に入っていて衝撃による怪我などは発生していなかったが、当直員の一部に転倒による怪我が発生していたが、任務に支障が出る状況では無かった。なお、艦自体に損傷は発生しなかったのも幸いだ。


「駆逐艦エッシャー、損害軽微」


「駆逐艦リンゲン、怪我人発生」


「輸送船ローダッハ、損傷軽微、怪我人発生」


次々と発光信号により艦隊の被害状況が分かってきた。

航行に支障があるレベルでの被害は出なかったものの、怪我人の状況次第では、交代要員の必要もあるだろう。その為、夜が明け次第、再度被害状況を確認して近隣の港に寄港するか否かを決める。そうグラーフェン中佐が艦隊司令であるアルスフェルト伯爵に報告をした所、アルスフェルト伯爵に問われた。


「グラーフェン中佐。今の衝撃は一体何かね?」


「提督、原因不明にて調査中であります。」


「まあいい。どうせ中央アドリア海からの怪異であろう。詰まらん事に時間を割くよりも一刻も早く第4艦隊との合流に注力する。怪我人は快速の駆逐艦に集めて近隣の港に輸送。我が艦隊は第4艦隊と会合の為、引き続き北上を継続せよ。」


「了解いたしました。操舵手、コース 0-0-0 継続。」


「コース 0-0-0 ようそろ」


各艦に送達した後に、グラーフェン中佐は衝撃波が来たと思われる中央ロドリア海を艦橋から眺めていた。相変わらず雷が荒れ狂う遠くの暗い海の向こうに、仄かに嫌な予感がしていたのだった。

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