表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第一章 ガルディシアと日本の接触編】
3/327

1_02.不死の王

 不死の王は独りごちた。


「これで漸く研究材料には困らぬな。」


 不死の王が住まう骨の塔は中央ロドリア海中心に位置し、周辺は雷雲を纏い、常に吹き荒れる嵐と高波が来る者を拒む。それは偶然の遭難者を遠ざけ、彼の知識欲を満たす事が出来ない。


 彼奴ら人類が無防備な時代では何千キロも離れた大陸に魂を狩りに行く事も容易だったが、最近では彼奴らは科学技術とやらを手にしている。長距離遠征を行った先で不意を衝かれた場合など、二千年以上を不死の王として存在してきた彼としては詰らない事で消え去りたくは無い。

 

 彼の存在を確立する彼の魂の核は骨の塔最上部に隠しているが、塔の周辺に纏う雷雲がある程度の侵入者を遠ざけるとしても、万が一に彼が不在の時に侵入者がそれを破壊するとも限らない。とはいえ、この塔最上部に至る経路は普通の人間には到達し得ない。何故ならば、通路という物が存在しないからだ。


 ともあれ300年程から彼はある方法を取るようにしていた。

 骨の塔周囲に嵐の結界を張り、周辺を彼奴等が近づけないようにした。そして結界内に他の世界から島ごと召喚するのだ。突然に異世界に召喚された島の住人は、何が起きたのか理解する事も無く魂を、肉体を彼の研究材料として消化されるのだ。


如何に不死の王と雖も島ごとの召喚には大変な準備が必要だったがその日、百年もの年月をかけて構築した術式が遂に整った。


早速彼は術式を起動させた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ