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ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第一章 ガルディシアと日本の接触編】
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1_26.…奇跡?

佐渡島 佐渡分屯基地 2025年4月16日 午前6時


大和田司令は両津港に住民脱出用として最低限の人員を配置した。それ以外の人員は、攻撃作戦開始前に犠牲者となった隊員達の遺体を全て回収し、安置所に安置した。犠牲者への黙とうを行った上で攻撃作戦の海域監視業務を行っていた。


流石にそろそろキツイな…

だが、亡くなった住人の方々や隊員は泣き言を言えないんだ。ここで俺達が踏ん張らなければ。


佐渡分屯基地の負担は相当な物であったが、それもこれもあの魔導士が原因なのだ。こいつを排除する為には今ここで攻撃を成功せねば。そんな決意と気力で持たせている状態の基地人員に衝撃が発生した。


…ん?遺体安置所で何かが聞こえるぞ??なんだ??


「何だ?一体何の騒ぎだ??原田3曹、確認してきてくれ。」


攻撃作戦は佳境に入っている。

第二次攻撃までは全く被害を与えられなかった。既に攻撃は第三次攻撃も終了し、依然として塔は健在…ん?…おおっ!!塔が突然に崩れ始めた!?ダメージの蓄積によるものか?!

と、そこに先程確認しに行った原田3曹が目を大きく開けて走って来た。


「司令!大和田司令!!来て下さい!遺体が!!」


「遺体がどうした!?」


「生き返りました!全員生き返りました!!」


「はぁ!?…落ち着け。そんな事がある訳がないだろ。」


「ともかく来て下さい!確認して下さい!!」


原田3曹と共に遺体安置所に行った大和田2佐は、信じられない光景をそこに見た。作戦前に沈痛な気持ちで集め、並べた隊員達の遺体…その全員が生き返っていた。起き上がり、怪訝な顔をして、自分が生きている事を再確認していた。再確認した後に、号泣している者も居た。


「原田3曹、至急メディックチームを呼び出して全員検査しろ。全員問題が無い事を確認する迄は、指定場所以外の出入り禁止だ。生き返ったのは幸いだ。だが未だ何が起きるか分からん。申し訳ないが安全が確認出来るまで、基地から出すなよ。」


「了解しました。」


「だが…良かったな。」


原田3曹は号泣しながら返事をした。


--

危機管理センター 午前6時


「まだ…駄目なのか…??」


「全弾、再びシールドに弾かれた模様です。」


「やはり弾道弾攻撃の方が有効ではないのか?」


「そもそも長距離対地弾道弾の開発を早急に行っていたら!」


「それは今言っても仕方が無い。無い物強請りだ…」


第三次攻撃が終了して尚そそり立っていた魔導士の塔に焦りの色を見せる航空幕僚長だった。が、突然に崩れ始めたのを見た危機管理センターの一同は一斉に歓声を上げた。と、そこで攻撃隊の航空管制を行っていたE2Cから緊急の連絡が入った。


「緊急!緊急!やはり塔の内部に人間らしき者が居た模様!!塔崩壊後、塔上部にあった部分から2名出てきました。こちらに向けて2名が手を振っています。第4次攻撃は如何致しますか?」


「攻撃一旦待て。ヘリか何かであの2名を確認可能か?」


「佐渡島から確認させます。分屯基地に連絡入れます。」


「まさかとは思うが、あの魔導士とやらの仲間かもしれん。第4次攻撃隊は待機、早急に2名を確認してくれ。」


「佐渡分屯基地より緊急連絡!!」


「おお、ちょうど太和田君にこちらも連絡したかった。繋いでくれ。」


「総理、お疲れ様です。佐渡分屯基地の大和田です。緊急の連絡、失礼します。輸送艦しもきたとの連絡が回復しました。」


「…な、なんだと!?すると、小木港で発生した被害は?」


「現在確認中です。今の所小木港が混乱中の為、お時間下さい。また、現在佐渡分屯基地にて安置していた被害者ですが……ええと…全員生き返りました。身体何も問題無い状態です。」


「は? …生き返った? 全員?」


いや待てよ。

原因の大魔導士が死んだので、リソースとして確保していた人間の何かが解放された。解放された何かは元に戻った。そして…こりゃ、所謂魂って奴なのか?オカルトだな。…ああ、異世界か。生き返った奴大丈夫か?ゾンビとかにならないか?


飯島総理は超高速で妄想を展開していたが、切り替えた。


「大和田司令、例の魔導士の塔に2名の人間らしきものが確認された。そちらから確認の為にヘリを急行する事は可能か?」


「了解いたしました、直ぐに確認の為、ヘリを派遣致します。1時間程で確認可能かと思います。」


「頼む。確認次第早急に報告上げてくれ。」


そして、アイナとミヨばぁの元にヘリがやってきた。

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