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ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第一章 ガルディシアと日本の接触編】
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1_10.佐渡島 佐渡分屯基地 午後12時

佐渡島 佐渡分屯基地 午後12時


佐渡島で住人が大量に不審死をしているとの連絡を警察から受けた。

その上で、佐渡市市長から自衛隊にも派遣要請を受けたのだが、佐渡分屯基地は航空自衛隊の基地である為、直ぐに何かを打てるという手段は少ない。本土からの応援部隊を要請したものの、警察や近隣住人からは、直ぐに何らかの調査をこの基地部隊が遂行してくれるという

空気が漂っていた。


「大量に住人が死亡…って。何だろう、BC兵器かな?」


「BC兵器なら、それなりの装備しないと俺達もやばいだろ。」


「だから応援要請は出しているけど、この風じゃあなぁ…。」


住人が何千人ものオーダーで死亡した事を考えると化学兵器の類か?と考える。佐渡分屯基地は出来る事は警戒任務が主である為、生物化学兵器に暴露された場合の対処は必要最小限でしかない。とすると、迂闊に現場周辺に装備も無しに近づくと、二次被害に遭う可能性が非常に高い。第一発見者の警察官達は、状況を確認した後に直ぐに撤収し今の所は体調不良も無い様だが、一応の隔離が必要だろう。


しかし、だからと言って陸自の対応部隊が応援に来るまで、このまま何もしないという選択肢もまた無い。佐渡分屯基地の大和田基地司令は悩んだうえで決断した。


「化学防護服を可能な限り集めてくれ!それと情報収集及び連絡班以外は、全員司令室に集合。被害地域の状況把握チームを編成し、当該地域に派遣する。チームの編成は石原2等空尉に任せる。残りは基地警備を増強。状況不明だが、BC兵器による攻撃を受けた可能性がある。早急に現状を把握し、対処を開始する!」


--

骨の塔 午後12時


骨の塔に辿り着いた不死の王は独り言ちた。


これほど慌てる事は無かった。感知したあの船は、随分と船足が遅い。この島に辿り着くまでにあと数刻は掛かろう。

 

この塔に辿り着く前に、日本という国の方に流されるかもしれない。いや、あのままの進路なら我が塔に行く前に日本に行くだろう…もしあの船がこの島に近づく様であれば…


あの日本の小さな島に行く途中で、船の連中の魂を収穫しよう。言うなれば誤差のようなものだが、多いに越した事は無い。先ずは収穫の成果である小さな島で回収した魂達を収納壷に収める事を優先するとしよう。


それにしても、だ…

僅か数刻の間に三千以上もの魂を収穫出来ようとは幸先が良い。これでこそ百年を費やして構築した召喚の成果というものだ。さぁ、収穫した魂達よ。然るべき場所に移ろふのだ。


骨の塔は背のとても高いキノコのような形状をしていた。

キノコの傘部分は小さな部屋があった。しかし、塔にはこの小さな部屋への階段も出入口も無かった。不死の王は霊体である事から、階段も出入口も必要としない。ただ彼のコアを保管する為、高い場所に部屋を作って安置した。このコアの隣には、魂の収納壷が置かれていた。1日でこうまでの数を収穫したのは不死の王にとって久しぶりだったが、収納壷がどれだけの数の魂を納められるのかは彼自身知らなかった。今後の事を考えると、複数の収納壷が必要かもしれない。


さて、どうしたものか…。死なぬあの老婆を使役するべきだったか。何れまた死なぬ人間に会うであろう事を考えると然程の問題では無い。

死の王は収穫した魂を収納壷に灌ぎ続けた。

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