国債は借金ではない~国債で信用創造がおきてお金が発行される仕組み~
前回まで、民間銀行の信用創造について説明しました。
ここまでのポイントを整理すると・・・
① お金はそもそも『負債』だよ。負債として、この世に生み出されている。
② 信用創造は民間銀行のお金の発行のシステム、現在、無限にお金を発行できる。
ってことでしょうか。
これから導き出されるのは、
「国の借金1000兆円(国債)は借金でありません!」
ってことなんですが、なかなか、このイメージがつきにくいと思います。
ですので、これから、その仕組みを説明したいと思います。
まず、お金が負債というのは、なんとなく、つかめてきたかと思います。
簡単にいえば、お金が負債・・・つまり、借金でないお金はない!ってことですよね。
あなたが握りしめている福沢諭吉は、誰の借金でしょうか?
そう、日本銀行の借金(債務)なわけです。
したがって、お金というのは、本質は、借金(=負債)なわけです。
では、国債は日本政府の借金となります。
ってことは、誰かの資産になってるはずです。
お金は借金(負債)であり、反対に、誰かの貸し付け(資産)になっているのですから。
この世に存在する人すべてに、この『負債』/『資産』という原則は逃れることはできません。
お金は『負債』である・・・と同時に・・・『資産』でもあるのです!
この論理にしたがっていくと、日本国債は、政府の負債であると同時に、誰かの資産になっているわけですね。
そう、みなさんの資産になっているんです!
この仕組みは、簡単にいうと、以下の通りです。
◇国債によるお金(預金)の発行のしくみ
①日本政府が国債を発行します。
②その国債をもとに、日本政府は日銀当座預金を借ります。
③そして、日銀当座預金を担保にして、政府小切手を発行します。
④その政府小切手を、事業者に代金との支払いとして渡します。
⑤事業者は、受け取った小切手を、銀行にもっていきます。
⑥受け取った銀行は、事業者の口座に、小切手分の代金を『信用創造』します。
かりに、代金が1億円ならば、事業者の口座に、1億円というお金(預金)が信用創造されていることになります。
なぜ、1億円が、この世に生み出されたのでしょうか?
それは、日本政府が国債という負債で、1億円というお金を生み出してくれたからです。
厳密にいうと、いまは、日本政府は政府小切手を発行していません。
銀行預金を振替する形で、事業者に、お金を振り込みします。
ですが、信用創造される原理は変わりません。
国債という政府の負債により、民間の事業者にあらたなお金が生み出されているわけです。
しかも、じつは、この流れは無限にループできます。
つまり、日本政府はなにも失うことなく、事業者に1億円を何回でも発行する事が可能となります。
(旧作品で解説しているので、ここでは深くふれません)
したがって、日本政府は、信用創造(キーボードマネー!)で、いくらでも、みなさんにお金を供給する事が可能です。
え、みなさんの手元には生み出されてないって?
そんなことはないでしょう。
たとえば、公務員の人は給料はどうでしょうか?
すくなくとも、これまで、国債により給料は支払いされているはずです。
ただ、みなさんの手元では、お給料口座に預金として振り込まれていますがね。
この流れを信じるも、信じないも、たしかに、みなさんの自由です。
ただ、信じない人に、こう問いたいです。
なんで、日本はGDP比率200%の債務残高になっても、国債は超低金利で発行され、世界一安全な資産として運用されているのでしょうか?
なんで、日本は財政破たん(債務不履行)しないんでしょうか?
これを明快に説明できますか?
筆者はできます。
なぜなら、上記の通り、日本国債は借金ではないからです。
単なる、お金の発行だからです。
さらに、日本国債はお金の発行だと、日本国民以外は分かっているからです。(厳密に言えば、海外の投資家や、財務省官僚でしょう)
逆に、国債を返済(償還)してしまえば、日本のお金の流通量は減少していくことになります。
つまり、国債の償還=日本政府の負債の現象は、反対には、みなさんの資産が消えていく事を意味するんですね。
だって、そうですよね?
日本政府が負債として国債を発行して、預金というお金を生み出すことで、信用創造されて、民間にお金が生まれているわけです。
すいません、いっきに、進みすぎたと思います。
はっきりいって、この仕組みを極めつくした筆者としても、書いてて、この仕組みは理解されないだろうなと思います。
ただ、これは真実なのです。
なぜか?
当たり前のことです・・・
お金は誰かの負債であり、誰かの資産であるんですから、
「負債と資産という双子はこの世に生まれて、かなしいかな・・・
めぐりあったときに、この世から消えてしまう・・・それがお金の人生・・・」
というポエムでいったんしめくくります。