お金とはなにか??~お金は負債の記録~
国債はお金の発行です・・・
これを理解するうえで、お金とはなにかを知らないといけません。
まず、みなさんが使っているお金は2種類あります。
①お札=紙幣
②銀行預金
これら2種類は、お金として、みなさんの手元に流通しています。
銀行預金がお金といわれると、しっくりこないかもしれません。
でも、銀行預金も、りっぱなお金の1種類です。
むしろ、現代では、お札よりも銀行預金のほうが利便性が高く、発行量も多いのです。
日本国内のお金の発行量は…
お札 200兆円くらい
預金 800兆円くらい
となっています。
預金というお金の方が、圧倒的に多いんですね。
では、お金とはいったいなんでしょうか?
お金はいろんな機能がありますが、いちばん大切なのは・・・
「お金は負債と資産の記録です」と、まさにこの一言につきます。
たぶん、みなさんの中には、
「お金は金や銀といった貴金属に裏付けされた交換手段」という見方をする人がいるかもしれません。
しかし、はっきり断言しますと、その説は真っ赤なウソなんです。
ウソというか、誤解でしょうね。
「お金が物々交換の決済手段で、価値は貴金属に裏付けされている・・・」という説を『商品貨幣論』といいます。
反対に、筆者がいうように、
「お金とは負債と資産の記録用紙」というのを『信用貨幣論』といいます。
人類4000年の歴史の中で、正しいのは『信用貨幣論』です。
むしろ、人類学的には『商品貨幣論』が正しいといえる証拠が、いまだに見つかっていないのです。
逆に、『信用貨幣論』が正しいというのは、古代文明からも発見されています。
では、「お金が負債の記録」とは、どういうことでしょうか?
これは、読んでその通りです。
たとえば、みなさんが握りしめる『福澤諭吉』は、日本銀行の負債という記録なんですね。
そのお金は、日本銀行の負債であることにより、みなさんが使っているお金になっています。
逆に、誰かの負債でないお金というものは、この世の中には存在しません。
誰の負債でもないお金は、この世に存在できません。
銀行預金は銀行の負債です。
社債は会社の負債です。
国債は日本政府の負債です。
お札は日本銀行の負債です。
みなさんもお金をつくることができます。
それが小切手です。
小切手を発行すると、こうなりますよね?
借方(資産) 貸方(負債)
みなさん 小切手
小切手の発行は、みなさんの負債として、この世に生み出されるわけです。
つまり、日本政府の国債は、日本政府の負債として生み出されないといけないわけです。
お札も、日本銀行の負債として生み出されないと、みなさんが使えるお金になれないのです。
したがって、お金の正体は「負債の記録」というのが真実なんです…
では、預金はどうやって生み出されているんでしょうか?
預金というお金も、日銀が発行しているんでしょうか?
答えは、日銀ではありません・・・
民間銀行が生み出しています。
それを『信用創造』といいます。
この仕組みを使い、日本政府も国債を発行することで、みなさんに預金というお金を供給しているんですね。
次回は、『信用創造』という現代の錬金術を説明します。