団子よか花
今日も今日とて更新中ヽ(・∀・)ノ
朝であった。
あけぼのがバーティーの顔を照らし、むずかゆさに彼は思わず起床する。
もはや寝てなどいられなかった。
『早起きだな、少年。』
ネプチューンはバーティーを見やって、見やる素振りを見せて、身体をバンバン揺らしてみせた。
「背中が痛えよ。動かないでくれ。」
バーティーはムスビを食べた後、そのまま食後の昼寝と称して寝ていた。
結局、朝まで起きなかったことに、ネプチューンは少しばかり腹を立てているのだ。
こういう時に、勘の鈍くて空気の読めないバーティーは、それに気づかず文句を言う。
すかさずネプチューンはムスビを召喚し、少年はムスビの雨に打たれて、呻き声と同時に歓声を上げる。
「やったぜ、メシだメシ!」
『お前は本当にそれだけだな。他に興味はないのか?』
「ない!今はメシに集中なんだよ!」
再びムスビにむしゃぶりつくバーティーに、ネプチューンは呆れて大げさにため息を漏らす。
しかし、ご飯のことしか頭にない彼にとって、そんな事はどうでもいいのだ。
白い米の甘味は、少年を捕らえて離さなかった。
これにはネプチューンも思わず、メシをくれてやったのは誤算だったと後悔する。
結局、一刻ばかり食事に時間をかけて、ようやくバーティーはネプチューンの話を聞く気になった。
「で、ゲップ。これからどうするんだ?」
食べ過ぎて膨らんだ腹をさすりながら、少年は尋ねた。
『言ったであろう。世界を救う。それがお前の野望への最も近い道筋だ。そうであろう?』
当然とばかりにネプチューンは聞き返す。
「一体何のことやら。俺は馬鹿だから分からねえぞ。それより契約ってなんだよ、契約って?」
そして当然とばかりにバーティーは己の無知を誇りながら、ネプチューンに聞き返した。
木槌に口があれば、ネプチューンのそれは、開いて塞がらなかっただろう。
『私はお前にメシをやる。お前は私のために働く。簡単な契約だろう?』
と、ネプチューンは適当に答えた。
契約について言っても分からないだろうと馬鹿にして。
「おぉ、ソイツはいいな!俺はアンタのために働くぜ。それで、メシを食うには何をすればいいんだ?」
単純なバーティーは、その話に食いついた。
メシの話だけに。
『世界を救うための第一歩は、救世主として認められることだ。そのために…お前は救出する必要がある。』
「誰を助ければいいんだ!?俺は人助けは大好きなんだぜ!!」
単純で単細胞のバーティーは、人助けというトピックにも飛びかからんばかりに食いついた。
『この先にいる、亡国の王子だ。嵐のように救え、風の如く走れ。何故なら奴の命は…風前の灯火だからなア!フハハハハ!』
「そいつは大変だ!俺が今行くぞ!」
バーティーは居ても立っても居られず、重い木槌を背負って、脱兎を狩る狐のように素早く、獲物を見つけた狼のような執念に駆られて走り出した。
『おい、反対側だぞ。王子がいるのは。』
「おっと、いけねえ。」
バーティーは方向転換して、急いだ。
この物語にもいよいよ新しい展開が…