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バーティー・グーンのファンタジア  作者: 目安ぼくす
序章:ワールドスワップ
3/22

団子よか花

今日も今日とて更新中ヽ(・∀・)ノ

 朝であった。


 あけぼのがバーティーの顔を照らし、むずかゆさに彼は思わず起床する。


 もはや寝てなどいられなかった。


『早起きだな、少年。』


 ネプチューンはバーティーを見やって、見やる素振りを見せて、身体をバンバン揺らしてみせた。


「背中が痛えよ。動かないでくれ。」


 バーティーはムスビを食べた後、そのまま食後の昼寝と称して寝ていた。


 結局、朝まで起きなかったことに、ネプチューンは少しばかり腹を立てているのだ。


 こういう時に、勘の鈍くて空気の読めないバーティーは、それに気づかず文句を言う。


 すかさずネプチューンはムスビを召喚し、少年はムスビの雨に打たれて、呻き声と同時に歓声を上げる。


「やったぜ、メシだメシ!」


『お前は本当にそれだけだな。他に興味はないのか?』


「ない!今はメシに集中なんだよ!」


 再びムスビにむしゃぶりつくバーティーに、ネプチューンは呆れて大げさにため息を漏らす。


 しかし、ご飯のことしか頭にない彼にとって、そんな事はどうでもいいのだ。


 白い米の甘味は、少年を捕らえて離さなかった。


 これにはネプチューンも思わず、メシをくれてやったのは誤算だったと後悔する。


 結局、一刻ばかり食事に時間をかけて、ようやくバーティーはネプチューンの話を聞く気になった。


「で、ゲップ。これからどうするんだ?」


 食べ過ぎて膨らんだ腹をさすりながら、少年は尋ねた。


『言ったであろう。世界を救う。それがお前の野望への最も近い道筋だ。そうであろう?』


 当然とばかりにネプチューンは聞き返す。


「一体何のことやら。俺は馬鹿だから分からねえぞ。それより契約ってなんだよ、契約って?」


 そして当然とばかりにバーティーは己の無知を誇りながら、ネプチューンに聞き返した。


 木槌に口があれば、ネプチューンのそれは、開いて塞がらなかっただろう。


『私はお前にメシをやる。お前は私のために働く。簡単な契約だろう?』


 と、ネプチューンは適当に答えた。


 契約について言っても分からないだろうと馬鹿にして。


「おぉ、ソイツはいいな!俺はアンタのために働くぜ。それで、メシを食うには何をすればいいんだ?」


 単純なバーティーは、その話に食いついた。


 メシの話だけに。


『世界を救うための第一歩は、救世主として認められることだ。そのために…お前は救出する必要がある。』


「誰を助ければいいんだ!?俺は人助けは大好きなんだぜ!!」


 単純で単細胞のバーティーは、人助けというトピックにも飛びかからんばかりに食いついた。


『この先にいる、亡国の王子だ。嵐のように救え、風の如く走れ。何故なら奴の命は…風前の灯火だからなア!フハハハハ!』


「そいつは大変だ!俺が今行くぞ!」


 バーティーは居ても立っても居られず、重い木槌を背負って、脱兎を狩る狐のように素早く、獲物を見つけた狼のような執念に駆られて走り出した。


『おい、反対側だぞ。王子がいるのは。』


「おっと、いけねえ。」


 バーティーは方向転換して、急いだ。

この物語にもいよいよ新しい展開が…

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