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バーティー・グーンのファンタジア  作者: 目安ぼくす
序章:ワールドスワップ
17/22

エンディングロール

遂に序章も終了。エンドロールが入って第一部に移行します。

「それで、無様に逃げ出してきたと。天晴れですな、将軍。」


 ガントロ・バストンは、フバースが嫌いだ。


 いつもなら怒鳴って喧嘩を始めるところだが、ガントロはうなだれて、復活したフバースの叱責を受ける他なかった。


「ネメアライオンは行方不明の上に、王子には逃げられるし、主命は果たせず。全く御方様になんと報告すれば良いか…」


 フバースは、頭を抱えてうなだれた。


 その姿は、同じく黙って下を見ているガントロと瓜二つ。


 骸骨兵たちが運ぶ神輿の上の天幕で、彼らはやはり二者同一だった。


 つまり良く似ている。


 似ていないのだが似ている。


 奇妙な腐れ縁の二人だった。


「とにかく御方に連絡せねば…」


「その必要はない。」


 ゴンっと鈍い音がして神輿が揺れ、骸骨兵がメキッと潰れる。


 予期していなかった揺れに、ガントロとフバースはもんどりうって倒れる。


 さらに、ランプが割れて天幕に炎がつく。


「マハーバラジャ…」


 ガントロは呟いた。


「久しいな、ガントロ。幾百年ぶりだ?」


 そして、現れたのはガントロ以上に巨大な、黒い影だった。


「俺様が思うに八百年です、大王閣下。」


 ガントロは、ゆっくりと起き上がって、マハーバラジャと呼ぶ者に向かって跪いた。


 その様はまるで主人とその従者。


 マハーバラジャとは、一体誰のことだというのか?


「御方がお前を寄越したのか、ラーヴァナ?」


「呼び捨てにするな!閣下に対して不敬だぞ!」


 元気になったのか、ガントロが久しぶりに吠える。


「良い、ガントロ。我とその面妖は同志、仲間である。多少の狼藉は我が許そう。」


 そう邪険にするなと、ラーヴァナ・マハーバラジャはガントロを窘めた。


 だが、その目は笑っていない。


 二人は気づかなかったが、ラーヴァナはかなりの苛立ちを抱いたようであった。


「め、面妖とは!?貴様あ!」


「まあ、落ち着け。御方からの命を告げる。」


 ドライブクレイジーな発狂フバースを脇にやりながら、ラーヴァナは懐から葦の巻物を取り出す。


 その葦は茶色く萎びて、紫が点々として非常に毒々しい。


 さらに紫の点はブツブツとして円を構成する。

 

「我が血泉(けっせん)を糧にその呪言(ことほぎ)をここに記せ。起動せよ。【魔導方陣】」


 葦紙に描かれた、歪な数珠のような円はどす黒く光って、赤黒く染まる。


 それは、ラーヴァナの掌から溢れる赤い煙によって、より一層輝きを増す。


 そこから出でたるは黒い闇の旋風——


「冥界は、広がる。生死は、繋がる。刮目せよ、余は全ての父である。」


 黒の中心は無、否…


 赤い単眼—


 真っ赤な血走り。


「任務は失敗したが、使命は終わらぬ。よって再発令を行う。百鬼夜将全員に命じる。」


 憎しみが、憤怒が、愛が、狂気が、色とりどりの紅、赤、赫、朱、緋に現れた。


「何人たりとも生かして還すな。死こそが救済にして躍進。」


 野太く、深く、しゃがれた名状しがたい悪夢が—


「全てを破壊せよ。」


 やってくる。


 序章:ワールドスワップ終


御方登場。新キャラ投入。展開はこれまで以上に派手に…なるといいですねえ。

次回は登場人物と用語、伏線をまとめて解説。

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