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箱庭の国 side.R  作者:
第一章
1/7

その国には、古くから伝わる伝承がある。


世が乱れたとき、何処からともなく現れるという、聖者の存在。

何処から来るのか、誰も知らない。


()のひとには、不思議な力が宿っている。

それは、癒しの力。

彼のひとにしか使えぬ、唯一無二の力。


癒しを与える彼のひとは、只人とは思えぬ輝きを纏っているという。

いや、実際、人に在らざるのか。

力を尽くした彼のひとは、光の粒子となって、空へ還るのだ。


彼のひとを繋ぎ止める方法は一つ。

彼のひとと『(えにし)』を結ぶこと――。

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