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まず、手始めに
主義を持たない人間がいるとしよう、果たしてそれは人間といえるのだろうか。
別に、主義をもたないこと自体が一つの主義だ、などという話ではない。ただ単純に、芯を持っているか否か、選ぶ勇気があるか否か。
ないはずがない、選択を繰り返すことが即ち、生きていることだから。逆をいえばそれも然り。
無主義で無価値で無意味で無機質で無味無臭な僕は、果たして真実生きているのだと、言えるのだろうか。
これはそんな僕が、皆様が溢れんばかりに持っているであろう、愛という名の未確認物質を探し求め、理解し得ることで少しでも価値を得れるのではと。ふと思い、なんとなく動き始め、どこかサンチマンタリズムだが、ロマンスの欠片もない、どうにかしようとし、やはり方法の片鱗もない物語である。