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序 クライング・ガール
こんばんは。瑚乃場茅郎です。
ふと思い立ちまして、こんな物語を書いてみました。
長編小説ははじめてなので、色々とぎこちないところもあろうかと存じますが、
ご覧いただけたら幸いです。
ではまた、後ほど。
少女は泣いていた。
その小さな身体を跪かせながら。
目の前には一面に拡がった真っ赤な血と。
そして無数に散らばる大小様々の肉片。肉片。肉片。肉片。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!
…うわあああぁぁぁぁぁぁ…!!
やがて少女の嗚咽は号泣へと変わる。
彼女は泣いて許しを請うしかなかった。
たとえ、それがどこまでも無意味でしかないことであっても。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!
どんなに謝罪を重ねた所で、肉片は肉片。
もう、元には戻らない無残な塊。それでも少女は謝り続ける。
いつまでも、いつまでも。
ぽん。
少女の肩に、優しく添えられる手があった。
それはほっそりした、まだ若い女の手。
“だいじょうぶ”
女は少女にそう言った。
少女は振り返り、女を見上げる。
そこには少女のよく知っている、あの微笑みがあった。