17/28
蛙の合唱 パート 2 (200文字)
歩調を整えて 呼吸を合わせて 未来を見据えて
握った手から零れ落ちていったものは何
足元に石ころ 先には大壁 背後には原野
夢を描いて 掴もうと開いた掌から
飛んでいってしまったのは何
唇を噛みしめれば 紅の味
言葉を呑みこめば 灰の味
瞼を閉じたのなら 黒の味
流れに逆らって 上流を目指せば 増えるのは疵ばかり
無限に感じる痛みの正体は何
蛙の合唱が生きれ生きれに聞こえ
前に進めばいいんだと 囁かれている気がしたから
それだけで生きていける