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ヴァルケン大公




「ようこそゲファール横丁へ」


 謎の女性が双子を先導した先は、一番奥まった所に張られた小さなテントの前だった。

 女性に促されて双子が近づくと、その中には齢70は下らないだろう老人が厚い絨毯の上に座っていて、手を上げて双子を出迎えてくれた。

 背筋が伸び、声にも張りがあるところから、かなり元気なご老人のようだ。

 しかしまわりに控える人達の多さと態度から、この場に似つかわしくない、かなり偉い人だとみてとれた。

 強引に押さえつけられそうな雰囲気に、双子はあわててその場に膝をつくと、頭を下げた。

 これは、ヤバイ。

 以前に会った、お貴族様の上をいく。

 そんな相手が国にそうたくさん、いるワケがない。

 とんでもない人物の前に引き出されたと、双子の背に冷や汗がつたった。


「初めて御目にかかります、御前様。ハルと申します。こちらは弟のアキ」


 正座ではなく片膝つきの状態で、頭は下げすぎず、視線を合わせない程度に留める。子供にしては生意気な態度に映るだろうが、こちらは相手から名乗られていないのだ。その場合、あまりへりくだり過ぎてもマイナス評価になるので、実に加減が難しい。

 ちなみに「御前様」は地位の高い人や組織の代表を務める相手への古い敬称で、双子は雇用先の老会長に使っていた。正式に紹介を受けていない相手や、直に名を呼ぶことが憚れる場所で使うことがお薦めだ。


「ほうほう。話のとおり、よく学んでいる子達だ。よいよい、こちらに来て楽になさい」

「ご老公様」

「茶を頼めるかの。できれば熱くて濃い茶がいいのう」


 咎める側使えに用を言いつけ、老公はニコニコと双子を手招いた。

 ここまで双子を連れてきた女性はしたり顔で、双子に靴を脱いで、老公の前に座るよう指示する。あきらかに、彼女はこの事態を予想していた。

 女性は老公から見て左手前に座った。これは日本なら、最上位の臣下の位置だ(天皇様の左手には必ず側近がついている)。

 果たして日本とこの世界がどこまで同じかは謎だが、彼女が老公より多大な信頼を得ているのは確実だろう。

 こういった時の決まりで、アキは常にハルより半歩引いた位置につく。双子であっても兄弟である以上、序列があり、古い格式に馴染んでいる人は特にそれを重視する。そう双子に諭したのは前述の老会長だった。

 双子が落ち着くまで、しっかり観察していた老公は嬉しそうに頷いていた。


「そなた達はワシが誰か知らんのだろう?」

「恐れながら、存じ上げません」

「知らずともその態度か。実によく出来た子らよのう。弟御もよい、近くへ」

「恐れ入ります」


 タイミングよく側使えがお茶を運んできて、老公、女性、そして双子にも振る舞った。

 双子からすれば、できれば無視して欲しかったところだ。

 自分たちが知っているのは、あくまでも社長や会長といった一般的なお偉いさん相手の作法でしかないのだ。

 果たしてビジネス会話集で、どこまで至高の相手に通用するのだろうか。


 老公は大ぶりのカップを無造作に手にとった。見たところ、とくに茶道のような作法はないようで、密かに双子は安堵した。

 老公が一口すするのを見届けて、女性が飲み、そこでようやく双子も湯呑みを手にする。中身は麦湯(熱い麦茶のこと)で、双子は数年ぶりに飲む懐かしい味につい和んでしまった。幼少の頃お世話になった老婆が、この麦湯を好んでいたのだ。

 ただ日本の麦茶と違って味も色も濃く、ややコーヒーに近い。それでも、二人にとっては馴染み深い味に変わりはなく、双子の緩んだ表情がそれを物語っていた。


「麦湯を嗜んでいるとはのう。やはりそなた達は、良き生まれと見受ける」


 老公の言葉に、双子は吹き出すところだった。

 そして思い出す。

 今でこそ、麦茶は日本の庶民の日常品だが、かの昔は裕福な人々の飲み物だったことを。何しろ食料である大麦を使った嗜好品。落穂ですら大切に食する貧しい農民の子供が、日常的に飲めるものではないのだ。

 まさか麦湯ひとつで素性が疑われるとは、さすがの双子も予想外だった。


「ご老公様」


 女性が老公をたしなめる。


「そうであった、こちらとて名乗っていない身、そなた達の素性も聞く訳にはいかんのじゃった。つい問うてしもうたことを許せ」

「そんな、恐れ多いことです」

「だがまったく知らぬでは話にはならぬ。のうエンデ」


 老公の意を受けて、女性が頷く。


「こちらにおわす御方は、このゲファール横丁の発起人にして、世話役を担ってらっしゃいます。

 冒険者は国にとって必要な存在ではありますが、かといって国が表立って庇護することは色々と問題になるのが現状です。各国とも苦慮していますが、これは当分変えようがないでしょう。したがって、このような体裁が取られました。ご老公様はその故あって、御名を明かせません。

 ここゲファール横丁は今言った通り、冒険者への支援を目的に秘密裏に置かれました。憧れと夢しか持たぬ冒険者もどきは、この場所までたどり着けません。冒険者たるもの、清濁併せ呑む者でなくては務まりませんから。

 表では受けられない、様々な恩恵をここで得ることができましょう。真の冒険者としての第一歩はここから始まるのです。

 また貴方たちが一人前の冒険者となった暁には、かっての貴方、新人冒険者への支援を乞うこともありましょう。それはここで恩恵を受けた者の義務ですので、どうかお忘れなきようお願いいたします。

 以上、ご理解いただけたでしょうか?」

「は、はい!」


 思わず熱意ある口調に絆されそうになったが、双子はこの演説で彼らの狙いを確信してしまった。

 この場所が自然発生したものならいいが、”国”により造られ管理されていること。そこがポイントだ。

 どんなに綺麗な言葉で言い繕うと、こういった場所で”冒険者の一員”として土地に馴染んでいくこと、それは流れ者や食い詰め者が出自に多い冒険者を、庇護し育て、国に帰属させるためのシステムなのだ。


 要は、冒険者取り込み大作戦。


 最初から国に帰属し、親兄弟の支援で冒険者になるような者は、こんな場所にくる必要などないのだから。

 この街の表通りがあそこまでお上品なのは、きっと作為的だ。個人バザーの集まりはここ以外、すべて潰されているとみていい。

 ゲーム時と似て非なる冒険者の扱いに、双子は愕然としていた。

 確かに、育成を手がけずとも自発的に向上し、いずれ常人離れに強くなる冒険者がいたら、どの国だって欲しいはずだ。だが国同士が牽制しあい、表立っては士官させられないため、裏で秘密裏に確保がなされている、というのが現状だろう。


 おそらくは、この老公はあらゆる所に”目”を持っていて、二人を監視していたに違いない。でなければエンデの登場はタイミングが良すぎる。

 どこの時点で目をつけられたのかは不明だが、年齢から組みやすしと見られたか。もし双子が見た目通りの精神年齢だったら、思惑通り、ものの見事に取り込まれていたに違いない。


 今回はあくまでも顔つなぎだったのか、横丁の内部の説明などを交えた会談は、そう経たずに終わり、双子は退去を許された。





「のうヤンよ、さきほどの茶だが、ワシと同じものをあの子らに出したかの?」

「はい、ご老公様。そうお望みと察しましたので」


 側使えの応えを聞き、エンデが口を開いた。


「あれほどの麦湯、私でさえ初めて頂きました」

「あの濃さを出すには高価なモンド麦と、焙煎に倍の手間が必要だ。王宮以外ではそうそう飲めぬ逸品よ。通常の薄い麦湯しか知らぬのなら多少顔に出るものだが、それをあの双子、さも当然と飲み干しおったわ。だがその価値までは、理解しておらなんだ。……ますますもって、わからぬ」

「慣れた立ち振舞からして、身近に高貴な方がいらした様子。その方があの者たちを側において仕込んだのでは? 庶民の生活について疎いのも、それならば納得できます」

「そうだとしたら、我が国が出自ではないのう」


 暗に、国内のことでこの老公が知らぬことはない、という口ぶりだ。


「いずれにしろ、取り込むにはもう少々、調べる必要があるかと」

「そなたに任せる。見極めがこれほど難しい相手に出会えた事は、存外の喜びぞ。どのように育つのか……いや、育てるか。このワシに、歩ませる道筋を見定めることが可能か。しばし熟考しようぞ……」





 老公のテントから離れた双子は、とりあえず広場の端っこ、家畜たちの売り場近くの小さな井戸で喉を潤した。二人とも緊張しすぎて膝がガクガクだ。

 ここなら人はいない。飼い葉桶をベンチ代わりにして、休憩がてら密談するのにはもってこいだ。


「まさか麦茶でハメられるとは」

「日本人なら誰でも飲んでるよって返したかったよ、ほんと。香茶があるのに、あえて麦湯持ってくるあたり、狙ってたね」

「おエライさんはこれだから嫌なんだよ。タチわりぃ」


 双子は後で知るのだが、香茶はその名の通り香りが強すぎるため、子供や高齢者には向かず、特に裕福な高齢者には麦湯の方がお茶として好まれていたりする。だからこの時の麦湯はそう変なチョイスではなかったのだ。

 とはいえ、実際に老公には思惑があったので、二人の憤りも間違いではない。


 アキがハァ、と重い息を吐いた。


「ヴァルケン大公だったよな?」

「僕が知る限り、こういう事する王族って他にいないし、そうなんじゃないかな」


『アルタートゥームの幻想竜』におけるヴァルケン大公とは、リンドバウムの先々代の王の兄、現王の大伯父にあたる人物で、ゲーム上には名前だけが登場し、主に彼の手足となるキャラクター達が各種クエストを発生させていた。

 生まれつき体に障害があったため、長子でありながら廃嫡された後も、その類まれなる頭脳とカリスマ性でもって国を背後から動かしている存在。

 言うなれば、リンドバウムの影のドン。

 その行動理念は過激なまでの愛国心で、目的のためなら手段を選ばない人物としてクエスト上では描かれている。双子は彼の名が登場する高難易度クエストを設置したことが何度もあり、そのあたりは熟知している。

 正直に言って、あまりお近づきになりたい相手ではない。

 ちなみに、王家には他にテンプレな王子と姫がいるのだが、それはまた後日。


「金払いというか経験値的に報酬が破格な分、とんでもない依頼してくる相手だったよね」

「おかげで、廃人どもが嬉々として群がってたけどな。実際にあれをやれと言われたら、俺は御免だな。命がいくつあっても足りゃしねぇ」

「だね。さてと……必要なものさっさと買って、ここを出よう。今日はもうお腹いっぱいだよ」


 双子は装備はあきらめ、魔法に絞ることにした。

 しかし広場の店は中古の装備を扱うものが多く、魔法の巻物らしきものは見当たらない。

 よくよく見ていたら、エンチャント付きの魔法武器や防具すらも見当たらず、二人は道具屋の前で途方にくれていた。

 魔法関係の道具すら、ほとんど見当たらないのだ。

 ふと、ハルはとんでもない事を思い出した。


「そういえば、冒険者ギルドの説明会でも、魔法職っぽい人は見なかったね。みんな前衛みたいなガチガチ装備だった気がする……」

「リンドバウムで魔法が使えないとか、ありえねぇ!」

「お前さんたちの言い分は、まぁわかるがな」


 道具屋のオジサンが、苦笑しながら二人に教えてくれた。


「この王国は、この大陸随一の魔法大国。従って、他のどの国よりも魔法研究が盛んであるし、多様な魔法が開発されている。だがな、強力な魔法なんてのは、国の大事な切り札さ。だから魔法は王国の一部の者にしか教授されず、特に驚異にならない下級魔法を買うにしても法外な値を払うしかないのさ。我々下層の冒険者は、偉大なる魔法使い様の助力を請い、攻撃の身代わりとして肉壁となるしかない。

 だがそれこそ、一部の魔法使いだけが魔法の恩恵を甘受できる所こそ、いかにも魔法王国らしいだろう?」

「確かに……」


 オジサンの痛烈な皮肉に、双子も苦笑するしかない。

 リアルに魔法があって、それを戦力にできるなら、どの国だってそうする。

 ゲームのようにすべてが無償で手に入るなんてことは、それこそ夢物語でしかない。


「まぁアレだ、お前さんたちが金持ちの子供だったら、魔法学園に入学する、という手もあったがね。あれは子供しか入れないんだ」

「魔法学園……お金さえあれば平民でもいいのですか?」

「ああ、そのへんはだな、学費を払えるほど金持ちなんて、平民ではそういないと、そういう寸法だ」

「それ実質、貴族限定じゃないですかっ」

「一応いるぞ? 平民出で入ってるヤツ。まぁ大抵はワケありだがな。例えば勇者の末裔って噂の」

「勇者?」


 双子が揃ってポカン、と口を開けた。

『アルタートゥームの幻想竜』において「勇者」というクラスはなく、またそう呼ばれるNPCも存在しない。なぜなら、プレイヤーすべてが”勇者たりえる者”というのがゲームの建前だからだ。

 

「おうよ。真実のほどは知らんが、巷じゃあけっこう噂になってるぞ。なんでも、まだ成人前の小僧が、誰に教わったわけでもないのに上級魔法をぶっぱなしたんだと。その威力はまさに伝説級だったらしく、きっとかの昔に活躍した勇者の血筋だろうってんで、ほとんど強制的に学校に放り込まれたって話だ。

 まぁ出てくる頃には御国大事を骨の髄まで叩きこまれた、いっぱしのイケスかねぇ魔法使い様になってるだろうがな」


(洗脳学園……なにそれコワイ)


 双子は魔法学園行きの案を、速攻で取り消した。


「あ、ありがとうオジサン。勉強になりました」

「いいってことよ。それよりどうよ、この世界樹の樹液! これをひとなめで体力大幅回復の優れものだぜ! 回復魔法なしでもこれなら安心よ。新人さんには多少安くしてやるぜ?」


 小指ほどの小さなビンに入った、ほのかに紫がかった琥珀色の液体をみせられた。

 アキはそれをチラリと見て指摘する。


「……それ、紫カエデの樹液だろ。色は似てるけど違うな。魔力の回復が少々ってとこだ」

「な、何言ってんだよ、これは本当に……」


 狼狽する店主を尻目に、双子は早々に店先から逃げ出した。




 その足で横丁を出た二人は、食料調達のため市場へ向かうことにした。

 胸がいっぱいで食欲はないが、毎日外食する気はサラサラない貧乏性の二人だ。節約は自炊してこそ、というのが持論である。


「そういやぁ、さっきの樹液見てた時、カードが震えてたな」


 何気なくアキが手の甲のギルドカードを確認すると、スキルの欄に新規表記があった。


「スキル:鑑定(初級)だって」

「えっ! いつのまに!?」


 ハルも慌てて自分のを確認する。


「あ、僕にもある。気づかなかったー。いつだろ?」

「……ちょっと待てよ。もしかしたら……ほら、あの黒蜥蜴の時だ。ハルはアレを言い当てた時だなおそらく。女将が言ってたよな、”町中で何気なく覚えちゃったりする”って。そういうことだ。この世界では、鑑定スキルは本を読んで覚えるんじゃなく、物を見定めることで会得するものなんだ」


 二人はここへ来る前に質屋でいくつか装備を見ていたし、ここではアイテム類を見ている。おそらく、これらを見てその真偽を知ることこそ、スキル会得の方法なのだろう。


「てことは、図書館でダメだったスキルは全部、実体験しないと会得できないというワケだね。うわぁ、メンド……いやいや、タノシミダネー」


 多数のスキルを最速で会得できると思っていたのだが、そうは問屋が卸さなかったようだ。

 あまりにもゲーム時と仕様がかけ離れているため、ただでさえ低い双子のアドバンテージが、もはや地を這う勢いだ。

 気分はもう、既存のゲームが自分たちの知らない間に、丸ごと新装リニューアルしちゃった感。


「あれでも、そうすると次元魔法は?」

「そうだよな……。下級魔法の本はアウトだったのに。なんでだ?」


 二人してうーん、と首をひねる。

 あ、とアキが何かに思いあたった。


「まさかなー、とは思うんだが……この世界には元々、次元魔法は存在しないんじゃないかな」

「え、どうして?」

「だってさ、次元魔法は1年前のアップデートで導入した、追加スキルだろ?」


 アキの予想外な発言に、ハルは目を丸くした。


「そうだった! 忘れてたよー。うん、アレは確か開発チームがゴリ押しでイロイロ加えたものだった。パクリだなんだで悶着起こすわ、監督がボイコットするわで……できるだけ忘れるようにしてたから、すぐ出なかったよ」

「あの時はブラックどころの騒ぎじゃなかったもんなー」


 アキの記憶が正しければ、次元魔法はもともとあった転移魔法がショボイだなんだと因縁つけられバージョンアップ、というカンジだった。

 似たような経緯で神聖魔法の上位に天陽魔法、暗黒魔法の上位に死霊魔法が導入されたが、どちらもかなり強力だ。

 他にも音楽を奏でて敵を操る魔操術や、ゴーレムをまるでロボットのように操縦する傀儡魔法、大きなお友達待望の魔女っ子☆魔法、魔法のカードでモンスターを召喚する召喚カードコレクション、コスモを燃やす星座魔法、グループが力を合わせて必殺技を繰り出す戦隊スキルといった、世界観って何?という素敵すぎるスキルも追加されたが、これらはバランス調整が難航していて、一年経った今でも一般公開されていない。

 開発チームは監督のデザインを塗り替える気だったらしいが、仲が悪いにも程がある。

 ちなみに双子は傀儡魔法と召喚カードの調整も手がけていて、そのバランスブレイカーぶりに、何度導入をあきらめろと進言したことか。何しろ大火力な傀儡と召喚獣でヘタにパーティプレイした日にはダンジョンはおろか、フィールドも自分ごと崩壊する。


「つまり、図書館で天陽魔法と死霊魔法ゲットできちゃうってこと?」

「会得するのはいいとして、使えないけどな。まず前提魔法がいるし、MPも全然足らねぇぞ」

「そうだった。コスパ最悪なんだよねー」


 天陽も死霊も強力な分、とんでもなくMPを食うので、実を言えば非常に使い勝手が悪いのだ。


「でもそうか……できるのかも」


 何か思いついたらしく、足を止めたハルがブツブツと何事かつぶやいた。そして手のひらを一度合わせ、小さく開く。


呼小火コール・ミニファイア


 ボッ、とビー玉サイズの火が、ハルの手の中に灯った。


「できちゃった☆」

「マジかっ!?」


 カーンッカーンッカーン カーンッカーンッカーン!


「な、なんだ!?」




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