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00. 断章あるいは過去の欠片-1 

 ――――――アスター、無事で本当に良かった。


 震える声が耳朶を打つ。温かな腕が僕を引き寄せ、胸に掻き抱いた。ドクン、ドクン。ちょうど頭の下にきた相手の心臓が早鐘を打つ音を聞きながら、僕はじっとりと汗をかいていた。


 ――――――アスター、無事で本当に良かった。


 腕の持ち主は何度も同じ言葉を繰り返す。ドクン、ドクン。耳の縁が熱い液体で濡れる。この人、泣いているんだ。ドクン、ドクン。抱きしめ返そうと、短い腕を伸ばす。


 ドクン、ドクン、ドクン! 突然、心臓の音が巨人の足音みたいに大きくなって、僕はパニックに陥った。潰される、蟻みたいに僕は潰される! 逃げようとしても、身体が動かない。


 ドクン、ドクン、ドクン。


 ああ、と僕は悟る。この音、僕の胸から聞こえるんだ。

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