ステラとホーリー
祝勝会の壇上で、ホーリーはクルセイダーから勲章をもらっていた。
「なんで俺達は勲章無しなんだよ」
アルクがぶーたれる。
「命令無視したんだから当然」
と、ヨルン。
「まあ、処罰がなかっただけよしとしますか」
ファミィがニコニコと笑う。
「あ、アルク」
「ス、ステラ……」
気まずい感じになるアルクに、ステラは
「ありがとう。アルクが行かなかったら、きっと誰も付いてきてくれなかった」
と、礼を言った。
「いいんだ。それより、ごめん。……俺、ステラの事、好きだったんだと思う」
それを聞いて、アルクの周りの少女達がギョッとする。
「俺、自分から好きになるの多分君で初めてでさ。女の子に好きって言われるのが当たり前だったから、なんで俺と一緒に来てくれないんだって、そう思ってた」
「サイテー」
「俺もそう思う」
「それを自覚できたんならいいけど」
「ああ」
「それと仲間になるって話だけど」
「なってくれるのか?」
「私があなたの仲間になるんじゃなくて、あなたが私の仲間になるんならいいよ」
「どう違うんだよそれ」
「私がリーダー。あなた達が部下。もちろんホーリーも入れる。むしろホーリーの指揮下に入る」
「な、なんだよそれ!!」
「さっきから黙って聞いていれば、随分な言い様じゃない!?」
「そうよそうよ!!」
「ま、考えといてよ」
そう言ってステラはホーリーを迎えに行った。
「クルセイダーの勲章だーいいなー羨ましいなー」
ホーリーの胸にきらめく十字勲章を見てステラが言う。
「そう言えば、クルセイダーになりたかったんでしたか」
「うん。でも、今は君の隣にいる事の方が何倍も嬉しい」
「ステラさん。その……私もです」
「そう言えば、刀を渡す時、一瞬俺って言ってたよね」
「そうでしたっけ?」
「心の中では『俺』なんだ?」
「……忘れてください」
「うん。そのネックレス、ちゃんと付けてるね」
「?はい、これ、特別な物なんですか?」
「うん。ちょっと、その棒みたいな部分を、私のネックレスの穴に入れてみて?」
「?はい」
ホーリーは言われたとおりにした。が、特に何も起こらない。
「なんですか、これ」
「これね、この星では夫婦が付けるものなの。で、今のは結婚の儀式」
「え?」
「だから、今から私はホーリーのお嫁さんで、ホーリーは私のお婿さん」
「そ、そんな、結婚なんてまだ早いです」
「だめでーす。お姉ちゃんは今日からホーリーのお嫁さんでーす」
ステラがからかうように言う。
「か、返します」
「……嫌?」
ステラが悲しそうな顔をする。
その顔はずるいとホーリーは思った。
「嫌じゃ……ないです……」
「うん。じゃあ、私の目を見て……」
そう言って、ステラは自分より背の小さいホーリーの顎をクイッと上げた。
恍惚とした笑みを湛えたステラの顔が近づいてくる。ホーリーが目を瞑る。
「お嫁さんの顔をよく見て」
そう言われてホーリーが目を開けるとともに、ステラは唇を押し当てた。
唇を離した後、天に拳を突き上げてやってやったぞー!とばかりに叫んだ。
「私達、結婚しました!!」




