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機甲獣アーマードモンスター  作者: 和田慶彦
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決闘

 決闘の日。

 ステラのアレックスとアルクのアルベルジュが対峙する。

 アレックスはレーザーライフルではなく剣を持っていた。


『本気か?近距離戦用の俺と近距離カスタムで戦うなんて』


『アンタなんてこれで十分よ』


『では…決闘開始!』


 見届け人のハンターが開始の合図をする。


『うおおおおおお!!』


 アルベルジュが突進してくる。

 アレックスは逃げるわけでもなく、前に出て受け止めた。

 砲撃しようと後ろに下がっていれば崩れた態勢で勢いの乗ったアルベルジュの突撃を食らっていただろう。


『くっ!』


 勢いを殺したアルベルジュに蹴りを見舞って体勢を崩す。

 アルベルジュがスラスターを吹かして距離を取りつつ体勢を立て直す。

 それを逃さず、アレックスは主砲を見舞った。


「くっ!!」


 これはホーリーの作戦だった。

 高機動戦闘に特化しているアルベルジュからは逃げられない。

 なんとか初太刀を受け止めて、主砲と近接攻撃を撃ちこむしかない。

 受け止めるなら盾を用意したかったが、受け止めきれる盾もそれを扱う技量もステラには無かった。

 特訓で大焦熱が片手で打ち込んだ太刀を受け止めきれるようになったので、アルクの太刀くらいは受け止められると踏んだのだ。

 アレックスは空を飛んで、主砲の連射モードで牽制する。

 アルベルジュはまた返り討ちになるのを恐れて突っ込んでこない。

 アルベルジュは速い。主砲では捉えきれない。

 時々掠る攻撃も、バリアに阻まれる。

 向こうには武装がないとはいえ、基本性能が違いすぎる。

 ステラはふと、ブースターと主砲を止めた。

 アレックスが地上に降りる。


『今だ!!』


 それをエネルギー切れと思ったアルクがアルベルジュを突っ込ませる。

 その時、アレックスの主砲が火を噴いた。


『うおおおおおお!?』


 アレックスがエネルギー切れに見せかけたのはフェイントだったのだ。

 アレックスの主砲をまともに食らって、アルベルジュのバリアが消し飛び、装甲が剝がれる。

 ステラはアレックスを突っ込ませた。


『ええーい!』


『やらせるか!』


2機の剣戟がぶつかり合い、アルベルジュの腕が斬り飛ばされる。


『勝者!ステラ・サントラナ!』


『くっ……』


『ふう……』


 アレックスから降りて、ホーリーと会う。


「ホーリー!勝ったよ!!」


「やりましたねステラさん!」


「あっ……ステラ……」


 そこに、アルク達がやってきた。

 ホーリーがステラの前に出る。


「これで諦めてくれるよね?」


「ああ……今日の所は、諦める」


「今日の所はって何!?」


「アルク」


 隣にいたファミィが割って入る。

 パチン、とファミィがアルクの頬を張る。


「いい加減に、しなさい」


「ファミィ…」


 アルクが驚いた顔でファミィを見る。


「私ね、アルクがやる事はどんな馬鹿な事でも私が支えてあげなくちゃって思ってたよ。でも、ステラさんが、他の人が嫌がってるのに無理矢理迫るのは、見てられない」


「俺は、ステラの為に…」


「帰ろ。ステラさん、ホーリー君、すみませんでした」


「ちょっと待って」


 ステラがアルクの元に駆け寄る。


「ふん!」


 そして、思い切り殴りつけた。


「ぶべっ!!」


 アルクが吹っ飛ぶ。


「今度私に近付いてきたらまたぶっ飛ばしてやる」


 その一撃で、アルクは打ちひしがれたようだ。


「行こ、ホーリー」


 ステラがホーリーを連れて去る。


「私達も帰ろうか、アルク」


 ファミィがアルクに声をかける。


「…いい機体をもらったのにダメだった」


「アルク?」


「俺って、そんなに弱いのかなあ……?」


「これから強くなろう?ね?」


「こんなんじゃ、俺、皆を守れないよ……」


「守るのに必要なのは、強くなることだけじゃないよ」


 ファミィはアルクをぎゅうっと抱きしめた。




 次の日、ステラとホーリーはデートをしていた。

 ステラはTシャツにホットパンツというもう少しオシャレをしろよと言いたくなる格好だが、これがなかなか似合っている。

 素材が良ければ簡単な料理でもうまいのと同じような原理かもしれない。

 ホーリーはいつも通りの恰好だが、実は新調している。

 前のは臭くなっていたからだ。

 フルダイブ式のVRゲームをやった後、喫茶店で休む。


「面白かったね。ホーリーはどんなルートで行った?」


「裏ボスを倒しました」


「私はホーリーと似た子が居たから、その子と遊んじゃった」


「私がいるのに私と似た子と遊んだんですか?」


「へへ。…ねえ、他の人が見たら、私たちどう見えるかな?」


「姉弟でしょうか。人種が違うから普通に他人かな」


「そうだね……」


 ホイップクリームたっぷりのカフェモカとシロップのかかったワッフルを食べながら、ステラは思案した。


「ねえホーリー、私、あなたが居なかったらこんなもの食べれてないと思うな」


「そうですか?」


「うん。だから、私、プレゼントしたいものがあるの。ちょっと買い物に付き合ってくれるかな?」


「構いませんが」


 喫茶店を出て、アクセサリーショップに行く。ステラは何やら2つ1組のネックレスを熱心に見ている。

 片方を自分に付けて「どう?」と言ってきたり、ホーリーに付けてみたり。

 そうしてようやく納得いったものを購入し、自分と、ホーリーに付けさせた。

 2つのネックレスはちょっとデザインが違う。

 店を出たステラはちょっと恥ずかしそうにしていた。

 道行く人達が見てくる。

 ある人は微笑ましそうに、ある人はギョッとしていた。


「?」


 ホーリーにはそれが何なのかわからなかった。

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