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機甲獣アーマードモンスター  作者: 和田慶彦
11/15

ステラの育った場所

 それから数日間は訓練の日々だった。

 朝は早くから起きてマラソンと木の棒を振る体力作り、その後朝食を摂ってから、昼までシミュレーター。昼食が終わったら射撃訓練と実機訓練。夜は早めに就寝。

 時々受付嬢から仕事の斡旋が来るので、それをこなす。

 一ヶ月もすれば、ステラはそれなりのハンターになっていた。

 ある日、訓練を休んで、一緒に出かけた。

 街の中にキリステ教の教会がある。

 キリステ教は宇宙でも最大勢力を誇る宗教で、こんな開拓惑星にも布教しにやってくる。

 大きな教会が建つと教会付属の病院が一緒に建つので、大体の星ではありがたがられる。

 もう一つ、教会付属の建物がある。

 救貧院だ。

 開拓中の田舎星では孤児や貧民など珍しくもない。

 放っておけば犯罪者になりうる彼らを受け入れてくれる救貧院もまた、開拓中の惑星にとってはありがたい存在である。

 ステラもここの出身だ。


「こんにちは~」


 ステラが扉を開けると、中にはシスターと子供たちがいた。


「あら、ステラちゃん。久しぶり」


「お姉ちゃーん!」


 子供の一人がステラに抱きつく。


「おっとっと」


「こら、ダメよ」


 ステラがバランスを崩しそうになり、シスターが子供に注意する。


「だってぇ……」


「ごめんなさいね」


「ううん、構わないよ」


「ステラさんはもうちょっと体幹の訓練が必要みたいですね」


「ええ~……」


「ここがステラさんのいた孤児院ですか」


「うん!ホーリーも楽しんでってね!」


「はい」


「今日は何の用事かしら?」


「ふふん」


 ステラは財布から小切手を出した。


「寄付しに来ました!!」


「まあ!」


 シスターは小切手の金額を見て、


「こんな額、どうやって稼いだの!?まさか貴方、危険な仕事をやったんじゃないでしょうね!?」


 と詰め寄った。


「い、いやあ~そんな事無いですよ。ちょっと運良く賞金首を狩れただけ」


「賞金首!!そんな危ない事をして!!この子も巻き込んだの!?」


 と、ホーリーを見る。


「巻き込んだっていうか、この子が倒しました」


 へへ、と笑いながらステラ。


「こんな子を、弾除けに……」


 ふらり、と倒れそうになるシスター。


「弾除けじゃないです!!この子ちゃんと強いんですよ!!機動兵器も持ってるし!!」


「こんな女の子が、辛かったでしょうねえ」


「男です」


 大事なところを誤解しているシスターに、ホーリーが反論する。

 シスターはホーリーをまじまじと見て、


「あら、ごめんなさいね」


 と謝った。


「とにかく、私はちゃんとハンターやってるから、安心してよ」


「それならいいけれど」


「ステラお姉ちゃん、遊んでよぉ」


 子供達がステラにせがむ。


「はいはい。じゃあ、何して遊ぶ?」


「かくれんぼ!」


「じゃあ。私が鬼やるから、みんな隠れて」


「はーい」


「10秒数えたら探し始めるから、それまでに隠れてね」


「はーい」


「9、8、7、6……」


「わっ」


 突然、子供が声を上げる。


「どうしたの?」


「ネズミがいる」


「どこ?」


「あっち!」


 見てみると、バカでかいネズミがいた。


 下手をすると子供を食い殺しそうなデカさだ。


「任せて!」


 ステラは護身用のレーザーガンでネズミを撃ち殺す。


「ふう……」


「ステラお姉ちゃん、凄い!カッコいい!」


「へへん!」


「ステラお姉ちゃん。もう1回やって!」


「ダーメ、おもちゃじゃないのよ」


「ステラちゃん、人気者ねえ」


「ええ……まあ……」


 ステラは照れたように笑う。


「お姉ちゃんも遊んで」


 子供の一人がホーリーのコートを引っ張る。


「お兄ちゃんです」


 ホーリーが睨みながら言う。

 それからしばらく、二人は子供たちと遊び続けたが、ホーリーは遊びが下手なようで、子供達にいいように遊ばれていた。

 ステラはその様子を見て、クス、と笑った。


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