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クエストに挑戦する


「それで、手伝ってほしいクエストってなんだ?」

「『闇の使者』なんだけど。受けたことある?」

「『闇の使者』ぁ? さすがに受けたことないな。確かあれだろ、光属性の魔法を覚えている聖職みたいな職業と、戦士職がほぼ必須になってるやつ。結構クソクエストって聞いてはいるが……。報酬も結構しょっぱいだろ確か。そんなのが欲しいのか」

「ああ、ちょっとね。少し前に話した固有スキルの都合上ね」

「『スキルシンセサイズ』だったか。それで作りたいスキルの材料集めってところか」

「そそ」


カイは、リクともう一人の友人には自身が取得した固有スキルについては説明していた。彼らもまた固有スキル持ちでありその詳細についてはすでに聞いている。カイだけが公開していないのは不公平だろうと感じたからだ。


「それで、そっちの聖職の人が手伝ってくれる感じなんだな。俺はリク。よろしく」

「私はマリン。よろしくね」


こうしてカイたちはパーティを組み、『闇の使者』を受けることができる場所、先ほどまで聖職たちがレベリングをしていた森へとやってきた。

クエストの依頼人に話しかければそのままクエスト開始だ。

このクエストは2つのフェーズに分かれている。

まず前半のフェーズは、大量に発生する雑魚モンスターを時間内に討伐するというものだ。この雑魚モンスターの一部に、光属性の魔法以外ほとんどダメージが通らないモンスターがいるため、聖職が必須なのだ。


「よしっ! 通常の雑魚モンスターは俺に任せろ! カイたちは『虚ろな幽霊』を重点的に頼む!」


そう言ってリクが飛びだす。そしてその高い攻撃力で次々とモンスターを蹂躙していった。

カイたちはリクの言われたとおりに『虚ろな幽霊』を討伐していく。これが例の光属性の魔法以外のダメージがほとんど通らないモンスターである。

流石は本職といったところか、マリンが大量に討伐している。しかし、カイも負けていない。かなりバランスよくスキルを取っていたおかげで魔法攻撃力や魔法防御力もそれなりにあり、光属性の魔法も覚えている。

あっという間に前半のフェーズが終了してしまった。


「うし、じゃあこれであとは『闇の使者』を討伐すれば終わりだな」


リクがそう言った丁度そのタイミングで、ローブをまとった怪しい男が出現する。

このモンスターが闇の使者、こいつを討伐すればこのクエストはクリアとなる。


このモンスターは時間ごとに防御力と魔法防御力が入れ替わる。

そのため、効率よく討伐したければ戦士職と聖職(魔法職)が必要になる。

が、リクはすでにトッププレイヤー。この程度のクエストのモンスターなど一度目の入れ替えが行われる前に討伐してしまった。


「うし、思ったより弱かったな。まあ初心者用のクエストよりだしこんなもんか」

「圧倒的だな。これで固有スキルは使ってないんだろ」

「まあな、もう少し遅い時間だったら『ノクターンバーサーク』も乗ってもうちょっと早く討伐できただろうけどな」


ノクターンバーサーク。それがリクの固有スキルである。

『ノクターンバーサーク』は夜間、攻撃力が150%アップするというもの。ただ特に事前準備もなく、夜であれば攻撃力が2.5倍になるぶっ壊れた性能である。


「さて、これで報酬の『ダークショット』が手に入れられたんだな。本当は何を作るか見てみたかったんだけど、ギルドメンバーに呼び出しを喰らったからな。そっちに行ってくるわ。作りたいもん作れたら明日学校で教えてくれ」


そう言ってリクはそそくさとパーティから離脱していった。

残されたマリンとカイは再び人目のつかない路地裏へとやってきた。

そして、『ダークショット』と『ホーリーレイン』の合成で、ついに『アビスレイン』を作り出すことに成功したのであった。


「やった! ありがとうございます!」

「いい感じね。でもまだ喜ぶのは早いわよ」

「確かにそうですね。よし……あとは……。」


そして、カイは『双魔法の知識』と『アビスレイン』を合成する。すると、カイのところにMP不足ですとのメッセージが届いた。


「あっ……。そうだった」


カイのMPは最大まで回復している。やはり、MPが足りなかったかと落ち込む一方で、これが『極大暗黒弾』である可能性が非常に高まる。


「ちょっと待ってください。どうしようかな」


カイが悩んでいるとマリンがMPの最大値をあげる装備品を渡す。そしてそれを装備して再び挑戦する。しかし、まだMPが足りないメッセージが届く。


「まだ足りないのね……。ええと、じゃあこれもあげるわ」


そう言ってマリンはカイに限界突破MPポーションを渡す。


「わっ。すみませんこんな貴重なものを」

「いいのよ。こうなったら私も意地よ」


限界突破ポーションによって一時的にカイの最大MPが上昇する。そしてついに、


『極大暗黒弾』を取得した通知が流れてきた。


「やった!!」

「やったわね! カイ」


カイとマリンは二人で喜び合う。そして、しばらくわいわいと騒いだ後、約束通りスキル取得条件を教えようと、『極大暗黒弾』を見る。


魔法スキル『極大暗黒弾』

・ダブルマジッカーが『極大暗黒弾』を準備したのち、ダブルマジッカーに一度もダメージを与えていない状態で、『極大暗黒弾』が終わるのを待つ。その後、『アビスレイン』で一撃でとどめを刺す。

《巨大な闇属性の弾を生み出し、そこから広範囲に細かい闇属性の弾を降らせる》


二人は絶句する。それもそのはず、獲得条件があまりに難しい。『極大暗黒弾』はトッププレイヤーでも受けきることは難しい。そして、仮に耐えられたとしても、それだけ魔法防御力が高いプレイヤーが、一割も体力が残っているダブルマジッカーを一撃で仕留められるほどの魔法攻撃力はない。


「なんか……すみません」

「い、いいえ。大丈夫よ。情報さえ得られれば後はいつかギルドメンバーが取得してくれるから。それよりも、もしよければ私たちのギルドに来ない?」

「あー、申し訳ないですけど、すでに先約がいるので……」

「そう……。それは残念ね」


すると路地裏から見える通りにノワールが通りかかる。


「あ、丁度良かった、ノワール、『極大暗黒弾』が完成したよ」

「え、本当ですか?」

「うん、ほら。あげるよ」


カイがそう淡々と『極大暗黒弾』を少女にあげる様子を見て、マリンは驚いた様子で言う。


「えっ!あげちゃうの!?」

「あ、はい。俺のステータスじゃ使いこなせないので。強力なスキルを手に入れたらギルドの仲間に使ってもらおうかと」


その言葉を聞いた、マリンはピンとひらめく。ちょっと待っててと、二人に告げるとどこかに行ってしまった。そして、しばらくして帰ってくると。


「私、ギルド抜けてきたの。もしよければあなたたちのギルドに入れてちょうだい!」


そう言って、ギルド未所属のステータス画面を見せてきた。


☆☆☆☆☆☆


固有特性スキル『ノクターンバーサーク』

・22時~4時の間、常に毎日5日間以上ログインした状態で、かつそれ以外のプレイ時間が10時間未満の時、1時~3時の間にボスモンスター「ワイトキング」を倒す。

《夜(22時~4時)の間攻撃力が150%アップ》

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