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北の湖へ向かう

「ここについて何か知ってる情報あるんですか?」



ノワールは雑魚敵を一掃しながら奥へ奥へと進んでいく。カイはその後ろでモンスターにデバフを入れ、よりスムーズに進めるようにサポートしている。それはミナミも同様であった。


「いや、むしろこの手前の森で素材を集めていたノワールの方が詳しいんじゃないのか?」

「さっきも言ったように私はこの先の奥まで入ってないですからね。情報自体ならブランに聞いてみてください。暇な時間は攻略サイト見たりしてますからね」


カイは隣にいるブランに尋ねる。ブランは攻撃に参加することなくノワールの後ろをついていく。いちいちブランが攻撃していたらきりがないということもあり、背後から襲ってくる敵をさばいている。


「そうだね。あまり詳しくは調べられてないけど、2層にはフィールドボスが3体いるらしいよ。東西と北に1体ずついるみたい。森でノワールがそれに出会わなかったのなら奥にいるかもね」

「なるほど、まあボスはいるっていうのは間違いなさそうだな。東の湖で出会った化け物レベルだったらどうしようもないけど……」

「どちらにせよ、公には討伐報告がないから気を付けたほうがいいかもね」



森を抜けると、やはりそこにも大きな湖が広がっていた。その大きさは今まで見てきた中では一番大きいものであった。


「どうします? やはり、湖の中を探索しましょうか?」

「それがいいだろうな。ただそれには『潜水』がいるから、ノワールが獲得するまで俺たちは湖の周りを探索することにするよ」


こうしてノワールは湖の中へ、残りの三人はほとりをくるくる回ってみることにした。

とはいえ、ほとりには何もなく、素材が回収できるポイントがいくつかあるだけであった。しばらく泳いでおくことが『水泳』そして『潜水』の獲得条件であるため、ちょっとしたらノワールのところへ戻る。



「どうでした? 何かわかりましたか?」

「いや、特にこれといったものはなかったな。湖の奥に見える山はフィールド限界の山で上ることはできないみたいだし、やっぱり湖の中に何かあるみたいだな」

「じゃあ行きましょうか、『潜水』を獲得しましたし、潜ってみましょう」



4人は水の中に入る。唯一水着を着ているブランだけ泳ぐ速度が速いため少し待ってもらいながら湖の中心へ向かっていく。


「とりあえずここから潜ってみるか」

「そうですね、あまり長くは潜っていられないですし、底が浅いといいんですけど」



4人は潜り始める。見慣れないモンスターがあたりをうろついているが襲ってくることはない。十数メートル潜ると底についた。水の中なので会話をすることができないため、メッセージ機能を使ってやり取りをする。

とりあえず、4方向に分かれて探索しようということになった。苦しくなってきているが、やはり体力は減っていない。カイたちはそれぞれ、限界まで辺りを散策する。


すると、カイは何やら光る球と台座を発見する。近づいてそれを見ると『水竜神をここに封印する』と書かれていた。カイはメッセージ機能を使って4人を集める。


どうするか相談しようとしたところ、体力が減り始める。慌てて4人は一旦、水面に顔を出す


「体力が減り始めたな。10分くらいか? 水の中にいれたのは」

「みたいですね。あまり長くは戦っていられないようですが」

「まあ、いざとなったらこんな感じに水面に顔を出せばいいだろうけど。そういや、ブランは体力減ってないな。水着を着ているからか?」

「そうだね。どうやら水中での息が長く持つみたい」

「ふむ、そうなったら水着を買うというプランも生まれてくるな」


ノワールが露骨にいやな顔をする。カイはまあ、可能性の一つだとノワールに伝える。



「それで、あれどうします?」

「ああ、起動させるようなボタンがあったから、それでボスモンスターと戦える可能性が高そうだな」

「やってみますか?」

「だな、水中戦は初めてだけど慣れたら楽そうだ」


こうして4人は再び底へと潜っていく。そして台座を調べると、その宝玉が光りだし、やがてクエストを受けた水竜神と同じ姿をしたドラゴンが生まれる。水色であった水竜神と異なり、その色は紫、さらに大きさも一回り大きくなっていた。

ドラゴンは急に水面へと昇っていく。そしてそこから顔を出したかと思うと何やら紫色のブレスを吐き出した。

水中ではチャットは使えない。この場であまり役に立たないであろうミナミが様子を見に行くと、水面へ向かって泳ぎだした。その一方で紫色のドラゴンは急降下し、底に降りる。

とりあえずは様子見だと、3人はすこし離れた場所で攻撃を見る。攻撃パターンは一定で、尻尾を振り回した後に、突進、それから水のブレスを吐き出すというものであった。


「これならいけそうだな」

「はい、ですが『極大暗黒弾』や炎系の魔法は使えないみたいです」

「私のスキルは問題なく使えそうだよ」


チャットでやり取りをする。カイも『フレイムブレス』が使えないことを確認する。

すると、水面に上がったミナミからメッセージが届く。


「やばいかも。息継ぎができない。10分以内に討伐しないと」


カイたちはお互いに顔を見合わせる。多分、ドラゴンが吐いたブレスのせいだと容易に想像がつく。わかったとだけ返信をしてドラゴンを見る。

パターンは一定、やられることはないだろう。相手の体力次第である。


まずはブランが飛び出す。大きな攻撃は容易にかわすことができる。敵からの攻撃でブランがダメージを受けることはないだろう。一気に『斬斬舞』で体力を削っていく。

ノワールは後方から適当に魔法スキルを放っている。それに合わせて、カイは『マジックブレイク』をいれ、敵の隙ができたら『破砕連撃』を加えて、魔法防御力と防御力を減少させる。

ミナミは戻ってくると、『魔法攻撃力ポーション』をノワールに渡したり、『MPポーション』をカイに渡したりする。残念ながら水中では爆弾系のアイテムが使えない、というか投擲系統のアイテムが使えないようだった。

敵の攻撃がワンパターンなのもあって前半戦は作業と化す。とはいってもタイムリミットがあるため、全力で体力を削っていく。幸いにもそこまで硬い敵ではないようで3分くらいするとその体力は半分を切った。

ドラゴンは一つ咆哮を繰り出す。攻撃パターンが変化する。尻尾攻撃、突進の後に連続で水の衝撃波を飛ばしてくる。その方向は完全にランダムであり、意識していないと躱せない。


その攻撃を見てカイはピンとくる。『スキルマテリアル』を使ってそのスキルの名前と作成方法を獲得する。


『覇道水泡』+『???』→『極連水泡』


「やっぱりこれが『極連水泡』か。……でもループしてるな」


カイの予想通り、ドラゴンが放っていたスキルは『極連水泡』であった。カイの目的は『覇道水泡』をつくること。そのために『極連水泡』を探していたのだが、その材料に『覇道水泡』がいるとなると話が変わってくる。つまり、『極連水泡』は作ることができず、自力で取得しなければならないということである。



とここで、『極連水泡』がカイの体に直撃する。会話ができないため、誰もカイに注意することができなかったのである。幸いにも受けたのは1発のみであったが、体力は8割ほど削られていた。


カイたちは再び攻撃を仕掛け始める。パターンが変わったとはいえ、尻尾攻撃→突進→『極連水泡』の動きは変わっていない。しいて言えば、ブレスの間が最もダメージを与えるチャンスだったのが、『極連水泡』に変わったことでその間は回避に全力を尽くさなければならなくなり、ダメージを与えづらくなったということだ。


ひたすら攻撃を繰り返す。基本的にブランがダメージソースとなるためノワールを除く残りの2人はそれを支援する形だ。

ブランは攻撃を受けることはできない。すでに『斬斬舞』の効果によって体力は1割を切っている。回復をさせることもできないため、カイは防御アップの魔法をかけることで支援する。

やがて、カイのHPが減り始める。それはミナミやノワールも同様であった。

唯一水着を着ているブランのHPはまだ減り始めない。しかし、それも時間の問題であろう。そして、それが始まったら負けであると、全員が確信していた。

支援に回っていた2人も攻撃に参加する。とはいえ、カイもミナミも攻撃力は低い。雀の涙ではあるがないよりはましである。

ドラゴンのHPが1割を切る。それと同時に、ブランのHPも減り始めた。


ここで、ブランは賭けに出る。ドラゴンは突進攻撃をした後であり、この後は『極連水泡』を放つことになる。その攻撃が終わるのを待っていると、ブランの体力は無くなるだろう。自分の方向に飛ばないことにかけて、『剣の舞』で攻撃を仕掛ける。

ブランの攻撃によってドラゴンの体力はみるみる削られていく。

しかし、明らかにブランのHPがなくなるほうが早そうであった。

ドラゴンのHPを数ミリ残してブランの体力が0になる。その直前、ブランのHPが全回復した。

そのままブランの攻撃によってドラゴンのHPが0になった。


HPが回復した理由は単純。カイが『ヒール』を、ミナミが『HPポーション』を利用したからである。そもそも、ブランは回復しないだけであって回復できないわけではないのである。『怒り狂う意思』の効果は確かに消えてしまうが、『斬斬舞』の効果に関しては消えることはない。それにブランの攻撃力は十分に高い。後数ミリのHPなら簡単に削りきるだろうと判断した2人がそれぞれ回復させたのである。



ボスを撃破したことで、一旦4人は湖のほとりにワープさせられる。そして、4人の目の前には、ドロップアイテムである『水竜神の涙』と、ドロップスキル『水竜神の意思』が落ちていた。

さらに、カイとブランにはファンファーレが鳴る。彼らには『極連水泡』が配られていた。



技スキル『極連水泡』

『水竜神の涙』を持っている状態で、フィールドボス『闇の水竜神(強)』を討伐する。

《ランダムな方向に水属性の弾を10~30発飛ばす。水中だと威力が100%上がる》



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