『極大衝撃波』を探す
カイたちは無事、『水竜神との契り』を手に入れると、ギルドハウスに戻った。
ギルドハウスではノワールがミナミの調合を横から眺めていた。
「お、ノワールとミナミもログインしてたのか。何やってるんだ?」
声で気づいたノワールがカイに言う。
「ミナミさんがポーションを作っているのを横から見ていただけです。カイさんは?」
「俺は、ちょっと作りたいスキルができたからその素材を集めようと思ってな。さっきまでブランと2層の方へ行ってたんだ」
「そのブランは?」
「ちょっと寄るところがあるって、店の方に走っていったな。じき帰ってくるだろ」
そうこう話していると、ブランが帰ってくる。
「ただいま! ノワールたちもログインしてたんだ」
「お帰り……って、なんで水着なの!?」
「さっきまで湖に行ってたからね」
「いや、それにしても、その格好で町の中をうろついてたの!?」
「そうだね。それに、こっちの方が今まで来てた服よりも性能がいいんだけどね」
そう言いながらブランは装備のステータスをノワールに見せる。
「いや、そうだとしても! なんでビキニなの!? 普通にワンピースとかもあるでしょ」
「確かにあったけどねー、ちょっと小学生が着るようなデザインのやつしかなかったから。まあノワールにはぴったりかもしれないけど」
その言葉に、ノワールはカチンとくる。
「は? なにそれ、私の胸が無いって言いたいの? 私たちまだ中学生だし全然チャンスあるし」
「確かにそれはそうだねー。ただこのゲームはキャラ登録した時の体型がずっと維持されるから、そのアバターで胸が大きくなることはないと思うけど」
「うっ……。それは……そうだけど」
ここでポーションを作っていたミナミが二人を止めに入る。
「まあ、カイくんもいるしこの辺でやめとこうかー。それに胸の話は僕も傷つく」
そう言ってミナミはすとーんとした自身の身体を見てため息をつく。
それをノワールが励ましてる間、カイはスキル欄を眺めていた。
「うーん。『極連水泡』と『極大衝撃波』については全くわからないなあ。攻略サイトや掲示板にも載ってなかったし、スキルが増えた今、適当に合成してもなかなか作れないだろうな」
その呟きを聞いていたブランがそれに対して返事をする。
「その点、そのスキルは不便だよね。せめて取得条件さえわかればいいのにね」
「ああ、それに実際にこのスキルを見ないとスキルサーチも使えないしな。いまだに目撃情報も載ってないスキルを見るなんてことは厳しいだろう」
カイはため息をつきながら、スキル欄を閉じる。そして、そこにあるメニューをみる。メニュー欄の時計は6時半を示していた。
「あ、やべっ! すまん。犬の散歩行かないといけないから、一旦落ちる。飯食ってから入ると思うわ」
するとブランも続けて言う。
「それなら私も落ちようかな。ご飯食べたり、お風呂入ったりしたらすぐログインすると思うけど」
そう言って二人はゲームからログアウトした。
現実に戻ると、カイは犬の散歩に出かける。犬がいつものコースに行きたがらなかったので、学校の方面へ歩くことにした。
すると、道中、陸也に出会った。
「お、海斗。こっちの方に犬の散歩来るなんて珍しいな」
「確かにそうかもな。陸也は今部活終わったところ?
」
「ああ、疲れたけど、さっさと帰ってログインしないとな」
凄く元気だなと海斗は笑う。そして、そうだ、と陸也に尋ねる。
「なあ、『極連水泡』か『極大衝撃波』ってスキルについて何か知らないか?」
うん? と陸也はふと考えたのち、そういえばと続ける。
「『極連水泡』は聞いたことないが、『極大衝撃波』はうちのメンバーが持ってたような……。またやばいスキル作る気か?」
「まあそんなところ」
「あんまり敵に塩を送るようなことをするべきじゃないんだろうが、それ以上に海斗は親友だからな。俺がそいつに獲得条件聞いといてやるよ。今日ゲームにログインするだろ? わかったらゲーム内のメッセージで送っといてやるよ」
「まじか、ありがとう。助かるよ」
その後、海斗は来た道を引き返して、陸也と共にゲームの話をしながら帰った。
帰宅した後は、することをしたのち、再びログインする。すると、既にブランはログインしていた様子で、ログアウトしてなかった二人とお茶を飲んでいた。
「まだ、ブランは水着のままなのか」
「さっきも言ったけどこっちの方が性能いいからね。それにギルドハウスやフィールドじゃあまり気にならないし」
そう言って笑顔でお茶を飲む。
「それで、どうします? 他の人たちがログインするまでまだ少しだけ時間がありますし」
ノワールが尋ねる。
「じゃあ適当に2層を回ってみないー? 2層は湖が多いみたいだし、僕は色々みて回りたいなー」
「確かにありかもな。南のほうにある大きな湖と東のやべえやつがいる湖は見たけど、他の方角にはまだ行ってないしな」
「ありですね。私も素材集めで2層のちょっと北側にある森には入りましたけど、それより奥にはいってないですし」
そんなわけで4人は北の森のさらに奥を冒険することになった。




