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焦る運営

とあるビルの一角。『skill infinity』の運営は焦っていた。不評であった、第1回、第2回イベント。これらの反省をするとともに、次のアップデートで追加される2~4層の最終調整を行っていた。


「とりあえず、何とかイベントは終わったけど、あまり評判は良くないみたいだね」

「協力できるのが良くなかったらしい。特に、しづらいとはいえ、巨大なギルドがチームを組むのは予想できただろ、とかは言われているな」

「第一回のイベントもただの周回ゲーになってたしな。こりゃつぎ開くときはもっと別の感じにしないとまずいな」


男たちは会議室で頭を悩ませる。



「プレイヤーの格差が大きくなっているのも問題かもしれませんね。特に、巨大なギルドである『光の太陽』や『闇の魔術団』のギルドマスターなんかは既に14と11の固有スキルを持っています。いくつかは微妙なものもありますが、対人戦となると最強でしょうね」


一人の男がそれに手をあげる。


「それについてはプレイヤーのやりこみ方だから仕方ないだろう。それよりも気になるスキルが出現している。ID201143のカイというプレイヤーが持っている『スキルシンセサイズ』だ。なんでも好きなスキルを合成できるスキルだとか」

「あー、それで明らかに難しいスキルを持っていたというわけか。しかし、下方修正をするわけにはいかないだろう」

「それはそうだ。そもそもこのゲームは我々の特殊なAIによってスキルが作られている。そのAIが存在しても大丈夫と判断したのならば、ゲームバランスを壊したりはしない」


別の男も声をあげる。


「そうだそうだ。俺たちがどんだけ理不尽なモンスターやダンジョンを生み出しても、スキルAIによってそれをクリア可能にするスキルが生み出される。攻略不可な状態を作り出さないのがこのゲームの魅力なのだ」

「そう考えると、対人戦は失策だったかもねー。スキルAIは基本的にモンスターと戦うことを想定しているからね。『魔獣使いの咆哮』なんて、フィールド制限がある場所で回避不能のノックバックは流石に理不尽でしょ」

「ああ、それに関しては技術さんに再びAIの強化を行ってもらっている。どうやら、ちゃんと『魔獣使いの咆哮』に対処できるスキルが生まれているそうだ。最も数が多くて我々では把握しきれていないが」



こうして、運営の会議は終了する。そして、無事、『skill infinity』には第2~4層が追加された。






カイたちは2層の開放に向けて、開放ボスモンスターと対峙していた。ボスモンスターはマッスルトレント。筋肉のような太い幹で攻撃を繰り出してくる。基本的には近接攻撃が主なため距離をとったり、攻撃を防御したりできれば苦戦する相手ではない。


「ノワール! 行ける?」

「はい、大丈夫です。『極大暗黒弾』!!」


戦闘開始と同時に準備をしていた巨大な弾がマッスルトレントに向けて降り注ぐ。その巨体に無数の闇が刺さり、ゴリゴリと体力を削っていく。また、ブランの『斬斬舞』によって、その体力は既に3割を切っていた。


「蔦攻撃が来るぞ! 防御頼む!」

「わかっている」


巨大な大剣を担いだ女性がカイたちの前に立ちふさがる。彼女は、パルス。高防御の騎士である。

第2回イベントで知り合ったカイは後日、スカウトのメールを送信した。幸いにもまだどこのギルドにも入っていなかったらしく、快く加入してくれた。


その鉄壁の防御はマッスルトレントの蔦を微塵も通さない。そうこうしている間に、ブランがマッスルトレントの体力を削りきってしまった。



カイたちは無事2層へと到達する。2層のフィールドは1層の4分の1ほどしかない。3層も同様である。さらにフィールドの雰囲気も1層と殆ど様子が変わらなかった。


「なんか手抜きって感じがするなあ」

「でも、モンスターは見たことのないものばかりよ。またあとでじっくり見て回りましょう」


カイとマリンは軽く会話を済ませるとそのまま、2層のボスモンスターがいるダンジョンへと潜る。2層の開放ボスモンスターは、キングバードである。かたい羽根に覆われたそのモンスターは物理的な攻撃がほとんど効かない。まずは、魔法によってその羽をむしり取る必要がある。


が、そんなことはカイたちのパーティにとってどうということはなかった。物理攻撃はパルスとバロックが、範囲魔法攻撃はカイとマリンがそれぞれ防御する。その間に、ブランは『飛翔』で飛び『斬斬舞』を使用する。キングバードにダメージを与えることはできないが、攻撃は当たっている判定なので『斬斬舞』の効果が発動してブランの攻撃力はけた違いに上昇する。

また、時を同じくして、ノワールも魔法の準備をしている。そして、数分後、『極大暗黒弾』がキングバードを襲う。空からの攻撃にキングバードは飛んでいられなくなる。落ちてきた鳥に自慢の防御力はもうない。きらりと目を光らせたブランに一瞬にして光に変えられた。


こうしてカイたちは3層へとたどり着く。このまま4層までと行きたいところだが、そう甘くはない。3層の開放ボスモンスターと戦うにはまず、納品クエストを達成しなければならない。2層と3層に現れるモンスターからドロップするアイテムを10種類、10個ずつ集める必要があるのだ。10個とだけ聞くと多い気がするが、レアドロップアイテムではないため、適当に狩っていてもそれなりに集まる。パーティ全員でまとまって狩ると効率が悪いので、2人くらいのチームに分かれて狩ることにした。

カイはミナミと共に行動することになった。


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