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トッププレイヤーのスキルを合成する

カイはスキル屋で様々なスキルを購入すると、面白いスキルが作れないかとりあえず試してみることにした。


カイは『ファイア』と『アイス』を選択する。どちらも魔法使い職が初めから持っているスキルである。また、どちらもスキル屋で常時購入可能なスキルである。2つのスキルが失われたという通知とともに新たなスキル、『スキル廃棄物』を手に入れたという通知が来た。


特性スキル『スキル廃棄物』

・特殊な状況でスキル獲得の失敗

《効果なし》


「げっ。これスキル獲得のクエストに失敗したときに手に入るやつじゃん」


スキル獲得のクエストには、先にそのスキルが渡され、そのスキルを使ってクエストをこなすというものがある。クエストに成功すれば、そのままそのスキルはプレイヤーに渡されるが、失敗するとそのスキルはこの『スキル廃棄物』に変化してしまう。これは使い道がなく、所持しているとステータスの伸びが悪くなるため、早急にスキル屋で買い取ってもらうしかない。


「あまり適当に合成してもよくないな。たくさんあるとはいえスキルにも限りはあるし……」


カイが所持しているスキルは500を超える。特性スキルは持っているだけで効果があるため、合成には使わず、使うために必要な武器が固定される技スキルを優先的に合成してみることにした。

カイはとりあえず、狙ったスキルを合成できないかと考えてみた。


「『火炎剣』とかいいな。あれ地味に難しいからまだ持ってないんだよな」


『火炎剣』は取得に必要なモンスター、トレントの湧きが悪く、獲得するのに時間がかかる。

そこでカイは常時購入できる『斬撃』と、再び買ってきた『ファイア』を合成してみることにした。

すると、『火炎剣』を手に入れたという通知が来た。


技スキル『火炎剣』

・炎属性の剣で、一日の間にトレントを20体討伐する。

《火をまとった剣で攻撃》


「よしよし、この辺は意外に簡単だな」


同様にして、『氷結剣』も獲得する。


「使わない技スキルはたくさんあるから、いろいろ試してみようか」

そうして、カイは技スキルを消費しながらどんどん合成を進める。すでに持っているスキルや、『スキル廃棄物』を作成しながら。


そして、『スキル廃棄物』の個数が30を超えたとき、とあるスキルが合成された。


技スキル『獄炎の一撃』

・装備が剣のみの状態で、ジャイアントトレントを『獄炎剣』でとどめを刺す。

《すべてを焼く炎の斬撃》


これは『火炎剣』と『木の祈り』を合成した際にできた、『獄炎剣』、これを『岩石拳』と『パンチ』を合成してできた『破砕撃』に合成すると完成した。


「こんなに合成が難しいとは思わなかった。でも……これで、トッププレイヤーのスキルを獲得だ!」


『獄炎の一撃』は固有スキルではないが破格の威力を誇る。しかし、一方でその取得条件の難易度の高さから、保有しているプレイヤーは片手で数えられるだけである。ジャイアントトレントはソロで挑まなければならないボスモンスターで、トレントからまれにドロップするアイテムを10個集めることで挑戦できる。それを剣だけで、しかもとどめは『獄炎剣』で刺さなければならないのだから、難易度は計り知れない。


「よしよし、もうちょっとだけ試してみようと」


こうしてスキル作成に没頭していく。

そして、『スキル廃棄物』が50を超えたとき、スキル獲得のファンファーレが鳴る。


カイは何を得たのかとスキルを確認する。


固有技スキル『スキルマテリアル』

・『スキルシンセサイズ』で合成した『スキル廃棄物』の所持数が50を超える。

《人やモンスターが繰り出したスキルの合成の材料の一つが分かる》


どうやら獲得したスキルは『スキルマテリアル』を所持していることが条件の便利なスキルのようだった。


「これ獲得しても、1つだけだったらあんまり意味ないような……」


カイは自分の所持しているスキルを確認する。元から持っていた200を超える技スキルはすでに10を切っていた。残りはレアドロップスキルだったり、獲得条件が厳しいスキルなので取っておくことにした。


「とりあえず、獲得した使えそうな技スキルを使ってみるか」


カイは町から出て東の方にある森へ向かう。ここは夜は体力が高いわりに、経験値やゴールドがまずいモンスターが多く湧く場所のため、人はほとんどいなかった。


「まずは、『獄炎の一撃』をつかってみるか。武器は、刃物系なら何でもいいみたいだな」


カイは普段装備している短剣を持つ。そして目の前に現れたゾンビに向かって、


「『獄炎の一撃』!」


短剣から現れた巨大な火柱は、ゾンビを飲み込むと跡形もなく消し飛んでしまった。


「おお凄い! 通常の攻撃だと10回以上当てないといけないのに」


しかし、カイのMPは10程度を残してなくなっていた。


「うーん。あまりにも燃費が悪いな。俺のMPじゃこんなものなのか」


実際、このスキルを使える上位プレイヤーは、MP消費を抑えるスキルを多く獲得しており、なかなかに効率の良いスキルとなっているが、カイのレベルであればこんなものだろう。さらに言えば、上位プレイヤーのつかう『獄炎の一撃』と比べると、威力も何倍も低かった。


「うーん。少しMPが回復したらほかの技も使ってみるか」


しばらく休んでMPが回復したのを確認すると、次のスキル『一閃』を使ってみることにする。こちらも『獄炎の一撃』同様、取得が地味に難しいスキルだ。


「よし、『一閃』!」


カイの体が高速で獲物の前へと動く、そしてそのまま、持っていた短剣でぶすりとモンスターに突き刺す。が、そこまで威力はないのか一撃で仕留めることはできなかった。しばらく攻撃し続けてやっと倒す。


「ダメだ……。威力が低すぎる。超高速で敵の前に近づけたとしても返り討ちに合うだけだ」


カイは自らのステータスの低さを憎む。だが、スキルを満遍なくとっていたおかげで、『スキルシンセサイズ』を手に入れたのだから我慢するしかない。


「今から、スキルを取捨選択して特定のステータスを上げるようにするかな……」


しかし、そんなことはできない。『スキルマテリアル』を手に入れた今、いつどんなスキルが必要になるかわからない。持っているに越したことはないだろう。


「まあいいや。街に帰るのも面倒だし、このままログアウトするか」


カイはログアウトして、そのまま眠りについた。


☆☆☆☆☆☆


魔法スキル『木の祈り』

・トレントのレアドロップスキル。

《フィールドの木の量に応じてHPが自動回復》


技スキル『岩石拳』

・素手でモンスターを連続5回倒す。

《威力の高い拳で攻撃》


技スキル『パンチ』

・武道家の初期スキル。スキル屋で常時購入可能。

《拳で攻撃》


技スキル『獄炎剣』

・『火炎剣』を所持した状態で受けられるスキル獲得クエストをクリア。

《火炎剣よりも威力の高い炎をまとった剣で攻撃》


技スキル『破砕撃』

・防御力が100を超えるモンスターを素手でとどめを刺す。

《相手の防御力を50%減らして攻撃》

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