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バロックの試合鑑賞

「あーもう負けちまったぜ。まあ、回復スキルも持っていない俺がそんなに長く戦えるとは思ってもいなかったが」


イベント開始から二時間が経過しようとしたころバロックはギルドハウスに戻されていた。

バロックは運悪く、徒党を組んでいた人たちに囲まれて殺されてしまった。



「俺が一番乗りか。こんなに嬉しくない事はねぇな」



バロックは静まり返るギルドハウスを見てつぶやく。

ギルドにせっかくあるモニターをつける。メニュー画面からでも観戦はできるが、大きな画面で見たいというのが普通の人の心情だろう。



「うーむ。誰か映ってねえかな」



バロックはチャンネルを変えていく。それぞれのチャンネルでそれぞれのグループの映像を映していた。



「1チャンはAグループだったな……なんだこいつ!?」


バロックが見ていたのは1チャンネル。そこに映っていたのは1人の男。名はベルン。その男は目にも留まらぬ速さで、他のプレイヤーを狩っていく。

そして、バロックがそれに見惚れていると。



「な、なんと! 残り時間一時間近く残しまして、Aグループの優勝者が決定しました!」



実況者が声を荒げ、Aグループの結果を報告した。


「は、マジかよ。まだ一時間近くって事は、フィールドも半径2キロくらいあるんじゃなかったか!? その中の戦闘する意志もなく隠れている奴らを全て見つけ出して倒したっていうのかよ」


バロックは驚きながらAグループの優勝者、ベルンのインタビューを聞く。



「いや! お見事でした。一言お願いします」

「ふむ。まあ、上々の出来だ! 後は、他のメンバーが優勝してくれるといいんだがな!」

「ありがとうございました! ベルンさんでしたー!」


ベルン。この男こそが『光の太陽』のギルドマスターであり、最強のプレイヤーではないかと言われている人物である。第一回のイベントでは最高位レイドに挑戦したり、それを他のメンバーを連れてクリアさせたりと寄り道が多かったため、成績は振るっていない。とはいえ30位くらいではあったのだが。



「かあー、やっぱり上位陣は格が違うな。さて、誰か映ってねえか探すか」


バロックは再びチャンネルを弄る。すると、マリンが映っているのが見えた。



「お、マリンじゃねえか。お、なんだこいつ。見た事ねぇ技使いやがった。……倒したのか?」



バロックはマリンが使った幻影(ファントム)モードに驚く。



「ん? おい、後ろから何か近づいてるぞ! 気づけ! おい!」


バロックが見ていた映像ではローブを纏った何者かが走り去ると同時に闇の弾をマリンにぶつけていた。その後、マリンは光となって消えていった。



そして、バロックが振り返ると、そこにはマリンが立っていた。


「おうお疲れ。……なに油断してんだよ」

「いや、私には何がなんだか……。闇魔法に貫かれていたのは覚えてるんだけど……」

「まあいいや、今ちょうどそこのチャンネル映してるから、一緒に観ようぜ」


二人はモニターを確認する。すると、あのベルンと同様の速度でプレイヤーを次々と狩っている男がいた。

ローブと深いフードによってプレイヤーがどんな姿なのか画面ではよくわからなかったが、マリンは気づいた。


「あ、あの人もしかしてウインじゃない!?」



ウイン。それは『闇の魔術団』のギルドマスターである。破格の威力の魔法を使うこともそうだが、何よりもその速さである。魔法使いにも関わらず、ガンガン敵陣に突っ込んでいき、すべてを葬る。それがウインであり、ベルンの唯一のライバルであると言っても過言ではないプレイヤーである。



そうして直ぐ、何やら巨大な闇の球を宙に浮かせる。それは『極大暗黒弾』のように見えたが、それとはまた違っていた。


その闇の球から放たれた弾は唸りながら様々な方角へと飛んでいく。ウインの姿しか映っていないが、何やらやばい魔法であることは間違いなさそうであった。


ここで、実況者が熱くなる。


「おおっと! Fグループの優勝者も決定したようです! プレイヤーネーム、ウインさん、おめでとうございます!」



同様にウインにもインタビューが入る。



「おめでとうございます。ウインさん。何か一言お願いします」

「……。優勝できてよかった……。それだけだ」

「いや、しかしベルンさんに続いてかなりの早さで優勝を決めましたねー!」


インタビュアーのその言葉にウインの目の色が変わる。


「なに!? 俺よりも先にベルンが優勝しただと……。ちっ、なら前言撤回だ。なにもいいことはない。……もっと早く行動に出ていれば……!」


ぶつぶつとウインは反省点を呟く。


「あ、はい! ウインさんでしたー!」


その様子にインタビュアーも若干引き気味であった。


「なるほどな。こいつにやられたってことか。かなり強そうだな」

「ウインは魔法職のあこがれの存在よ。戦士のベルンと魔法職のウインはそれぞれこのゲームのワンツープレイヤーよ」


ふーん、そうなのかとバロックはチャンネルを変える。他に知っているプレイヤーがいないか探すためである。すると、次のチャンネルでブランを見つける。


「お、ブランだ! 敵に囲まれてるが……。流石だな、全員切り刻んでいきやがった」

「まあ、ブランちゃんがそんなに簡単に負けるとは思わないわ。とはいえせっかく映っているのならここのチャンネルを出しておきましょう」


こうして、バロックとマリンは大勢のプレイヤーに対して大立ち回りをするブランを応援するのであった。




――――――――――――――――――――――――――――――――


第二回イベントについて語るスレ part2


464:名無しの戦士

 はあ……、負けちまった。あ、野菜マシマシだ。



465:名無しの魔法使い

 お疲れー。野菜マシマシさんが負けるなんて、珍しいわね。てっきり優勝すると思ったわ。誰にやられたの?



466:名無しの戦士

 ……ブラン。HPがマックスの状態から削ってきやがった。攻撃力どうなってんだよあれ。



467:名無しの武道家

 やはり、かなりの攻撃系の特性スキルを持っているみたいだな。それでも野菜マシマシはHPや防御力は高いほうだろ


468:名無しの戦士

 そうだな、少なくとも『斬斬舞』ってスキルは使ってきた。効果はわからなかったが連撃性能が高いって印象だな。



469:名無しの魔法使い

 もしかしたら大量に固有スキルを持ってるのかもしれないわね。そう考えたほうが妥当だわ



470:名無しの戦士

 はあ、これじゃベルンに申し訳が立たないな



471:名無しの魔法使い

 ベルンさん優勝してたもんね。それにほかのグループでも『光の太陽』が優勝することに期待してたわよ



472:名無しの戦士

 ああ、その様子は見たよ……。この後報告しないとなあ。憂鬱だ



473:名無しの武道家

 まあまあ。『闇の魔術団』のメンバーにやられてないだけましなんじゃないのか?



474:名無しの戦士

 それはそうかもしれんが……。こうなったらブランが優勝しないとただじゃおかないからな!



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