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かつてのギルドマスター

「はあー、マリン。なんで俺たちのギルドを抜けたんだ? あれから大変だったんだぞ」

「別に、他に面白そうなところがあったからよ。あんたのところはしんどいだけだったし」


マリンは『光の栄光団』の団長であるピカピカ丸と戦っていた。


マリンは杖を構える。マリンの攻撃スキルは聖職らしく、基本的に光属性の技ばかりだ。ピカピカ丸はその名の通り、光属性耐性Ⅴは持っている。相性は悪い。


ピカピカ丸も杖を構える。彼は魔法使い職。何よりも、彼こそが、正式な方法で初めて『極大暗黒弾』を手に入れたプレイヤーである。


とはいえ隙が大きい『極大暗黒弾』はこの場面では使えない。二人はじりじりと動きながら、魔法を放つタイミングを計る。


先に動いたのはマリンだった。


「それ、『ホーリーレイン』」


光の雨がピカピカ丸に降り注ぐ。ピカピカ丸の体力は徐々に減っていくがその減りは遅い。


「はあ、『フラッシュショット』!」


ピカピカ丸から放たれた光属性の攻撃がマリンの体を貫く。マリンのHPが8割ほど削られる。マリンの持つ光属性耐性のランクは低い。他の属性ならいくらかカイに作ってもらったものがあるが、ブルスターは光属性の攻撃をしてこないということで作ってもらっていなかったのだ。



これは勝てないわねと、考えながらマリンは『ハイヒール』を自身に入れる。

そもそもマリンはサポート型であってこのようなイベントにソロで臨むのは向いていない。カイに作ってもらったスキルもアンチフィールド系といったサポート用のスキルがほとんどである。


「くううううう、その回復速度!! それが欲しいんだよ! 戻ってきてくれ。マリン」


その言葉に、そうかとマリンは気づく。魔法使いは基本、回復技は習得しないはずである。回復手段はHPポーションのみ。それを使い切らせればチャンスはあるかもしれない。


マリンは『癒しの雨』を使って自身が回復するフィールドを作る。これで多少の攻撃を食らっても回復することができる。


「あいにく戻る気はないわ。こっちの方が居心地がいいんですもの」

「ぐうううう! 俺が、限界突破MPポーションや装備品をとってきてやったって言うのに」

「その節は助かったわ。おかげで今、私はここにいることができるんだから」

「くそが! 『ホーリーレーザー』!」

「『マジックバリア』!」


ホーリーレーザーはマリンの『マジックバリア』を貫通して、体を貫く。しかしダメージ減少が効いているためそのダメージは癒しの雨の回復で間に合っている。


「そもそも、あなたのギルドが大変になったのはあなたの運営が良くなかったんじゃないの? 一日にログインする時間を強制して、誰が楽しくプレイしていたでしょうね!?」

「それは、俺はあいつを超えるために! そのためにギルドを強くしようとした結果だ! それにお前たちもそれを了承してついてきたんだろうが」

「ほかのメンバーは知らないけど、私はあなたのギルドの副団長に恩があるからついていっただけよ。聞いたわよ。彼をギルドメンバーから切ったらしいわね。そんな独裁体制でいつまでもつのかしら」

「当然だ。このイベントに参加できないなんてほざいていたからな。結果はともかくフィールドに立つ気もないやつをギルドに入れたままにはできん」


マリンの奥底から怒りがふつふつと湧いてくる。こんな奴に負けたら、『白と黒の道』の恥だと考え始める。


「とにかく、もう戻る気はないから! 『ホーリーレイン』」

「こいつ……!! いいだろう。格の違いを教えてやろう!『ステルス』!」


そのスキルを使うとピカピカ丸の姿が見えなくなる。さらにどこからか『極大暗黒弾』と聞こえてきた。上空に暗黒の球が浮かぶ。


「ふははは、消えてしまえば、『極大暗黒弾』の隙などないも同然よ」

「『見破る』」


すっと、『極大暗黒弾』の準備をしているピカピカ丸がマリンの目に映る。


「いや、あなたね。私が『見破る』を使えるの覚えてなかったの?」

「……ちっ! 『ホーリーランス』!」

「『マジックバリア』!」


ピカピカ丸は『極大暗黒弾』の準備をやめ、マリンに攻撃する。上空に浮かんだ闇の球はすっと消えていった。マリンはその攻撃を『マジックバリア』で軽減する。受けたダメージはやはり癒しの雨で回復で来ていた。


「はあ……はあ……。仕方ない、一撃で決める。最悪相打ちになってももういいだろう」


そう言うと、ピカピカ丸は何か魔法の準備を始める。何をしてくるかはわからなかった。マリンが抜けてから習得したスキルであるのは間違いない。だが、チャンスであるのは間違いない。マリンは全力で攻撃を仕掛ける。


数秒間、攻撃を仕掛け、ピカピカ丸の体力は2割を切ろうとしていた。そのとき、ピカピカ丸の目がカット見開く。


「食らえ!! 『極光レーザー』!」


極太のレーザーがマリンを包み込む。

マリンのHPはみるみる削られていく。マリンはその魔法の範囲外から出ようとするが動けない。どうやらこの魔法の特性のようだった。


「『ヒール』!『ヒール』!『ヒール』!……『ヒール』!」


詠唱時間が短い『ヒール』で無理やり、HPを回復させる。ダメージ量と回復量は癒しの雨を合わせてどっこいであった。


「『ヒール』! いつになったら終わるのこれ、『ヒール』!」


いつまで経っても、レーザーは終わらない。やがてマリンのMPが尽きそうになる。


「くううぅ、こんなスキルで……こんな奴に……!」


マリンのMPが『ヒール』を使えないほど減る。ついに後はHPが減っていくのを見ていくだけだ。


「『ヒール』!『ヒール』!『ヒール』!」


それでもマリンは『ヒール』を打つことをやめない。あと少し、あと少しでヒールを打つほどのMPが溜まる。もしかしたら次回復したら攻撃がやむかもしれないと『ヒール』を繰り出し続ける。


「ヒー…………!」


マリンの詠唱の声が消える。それでもレーザーの攻撃はやまない。このレーザーなんといっても持続時間は驚異の4分。えいしょうちゅうはすきだらけになるが、巻き込まれた人は移動することも攻撃魔法も使うことができなくなるためボス戦などではうってつけの技である。



「流石に死んだか……。これで俺の力が分かって、俺のもとに帰ってきてくれたらいいんだが」



「そうね、まあ、そんな技を使える人のもとだったらいいと思うわね。……あなたでなければ!」


ピカピカ丸の後ろにマリンが現れる。マリンの姿は半透明で宙に浮いていた。


「な、なんで!? このレーザーは回避することができないはず!」

「運が良かっただけ、それだけよ。『幻影の一撃(ファントムコリジョン)』」


レーザーを詠唱中のピカピカ丸はその攻撃を躱すことができず。

HPをすべて失うと光となって消えていった。


ふう、と一息をついて地面に座るとマリンは獲得したスキルを開く。


固有特性スキル『幻影(ファントム)モード』

・魔法防御力が100以上の時、HPが尽きると同時に回復スキルによってMPも0になる。

《一日に一回、HPが0になったとき、HPとMPを全快させて生き返る。また、生き返った際30秒間、あらゆる攻撃をすり抜ける姿になる》


固有魔法スキル『幻影の一撃(ファントムコリジョン)

・『幻影(ファントム)モード』を獲得する

《MPをすべて使用して、耐性、魔法防御力無視の攻撃。『幻影(ファントム)モード』の時はMP使用なし》


「ふふふ、やったわ。固有スキルの獲得よ。しかもかなり強いスキル! これでもっとみんなに貢献できるわ!」


そう思い、立ち上がる。その瞬間、巨大な闇の弾がマリンの体を貫いた。



気が付くとマリンはギルドハウスに戻っていた。


☆☆☆☆☆☆


魔法スキル『フラッシュショット』

・光属性の攻撃で、ライトブラザーズを10体討伐する。

《光属性の弾を飛ばして攻撃》


魔法スキル『ステルス』

・フィールド上で3時間、モンスターと出会わない。

《姿を消す》


固有魔法スキル『極光レーザー』

・『極大暗黒弾』でボスモンスター、光の使い魔にとどめを刺す。

《すべてを貫く光属性のレーザー。当たったものの動きを封じる》



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